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【社説】韓国政府、ワクチン失敗を「希望拷問」で覆い隠そうとするのか

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

左側の上から時計回りに韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領、金富謙(キム・ブギョム)首相、鄭銀敬(チョン・ウンギョン)疾病管理庁長、権徳チョル(クォン・ドクチョル)保健福祉部長官。文大統領は8.15光復節(解放記念日)の祝辞で、当初の11月から1カ月操り上げて国民の70%に2次接種を終える計画だと明らかにした。だが、具体的なワクチン需給対策を提示しておらずその背景に注目が集まっている。中央フォト

韓国政府がワクチン対応の最初のボタンを掛け違えたせいで1年以上にわたり突破口を見つけることができず迷走を続けている。だが、政策の失敗を率直に認めず詭弁を並べ立てるだけで解決法がうまく運ばず無理筋が続いている。政府の無能を隠すような雲をつかむような約束と希望拷問が繰り返されていて国民の失望と不信だけが大きくなっている。

モデルナワクチン導入遅延が代表的な事例だ。ワクチン供給問題の突破口を開こうと米国モデルナ本社を訪問した政府代表団が昨日帰国した。保健福祉部の姜都泰(カン・ドテ)第2次官は「韓国政府は遺憾の意を表明し、モデルナは謝罪の意を表明した。より多くの量の新型コロナウイルスワクチンがより速く供給されることを要請し、モデルナは最善の努力を尽くすことにした」と明らかにした。政府は具体的な議論の結果を17日に発表するとしているが、モデルナが進展した対策を提示しておらず、事実上手ぶらの帰国だという話も出ている。

ワクチン不足を画期的に解決することができないため、政策は方向修正を余儀なくされている。これに先立ち、モデルナワクチン物量は4回穴をあけたほか、50代の2次接種は間隔が4週から6週に延びた。18~49歳780万人も物量がギリギリになるのではないかとみられる。ワクチンが不足しているため、韓国疾病管理庁は30~40代に残余アストラゼネカ(AZ)ワクチンを打てるように年齢基準を再び調整した。血栓リスクを顧みず、接種する人は接種してもいいとする政府の方針に対し、30~40代は政府が無責任だとして反発している。英国政府はAZワクチンが若年層では血栓症を引き起こす可能性があると警告して40歳未満には別のワクチンを打つように勧告していることから、韓国の若者たちの不満は十分理解できる。このような状況であるにもかかわらず、文在寅(ムン・ジェイン)大統領の認識は現実とあまりにもかけ離れている。昨日の8・15光復節(解放記念日)の祝辞で文大統領は「我々は、新型コロナウイルス感染症(新型肺炎)の危機も、どの先進国より安定的に克服している」とし「10月には、全国民の70%が2次接種まで完了する」と述べた。これに先立ち、韓国政府は11月まで人口の70%である3600万人の接種完了目標を提示したが、突然大統領が1カ月前倒しで達成するという目標を出した。


不可能に見える約束を突然出しながらも具体的な根拠を提示せず、疑問だけを大きくしている。国民の不安を落ち着かせようとするために現実性に欠ける目標で希望拷問をしているという指摘が出る理由だ。実際に、ワクチンを2回目まで接種した国民は全体の20%にも達していない。ワクチンを十分に確保した米国・英国・イスラエルの事例からも分かるように、ワクチン回避者が少なくなく、ワクチン接種ができない低年齢層を勘案すれば「国民の70%接種」達成はその言葉のように容易なことではない。

国内外の専門家はデルタ株拡大のために集団免疫は事実上不可能だと口をそろえる。それでも政府は集団免疫に執着しながらも詳しい説明はしない。政府は科学と事実に基づいて政策を立て、失策や誤りは国民の前で正直に知らせなければならない。



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