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文大統領の光復節祝辞、日本には「対話を」北朝鮮には「平和守ろう」…前向きなメッセージはなかった

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
文在寅(ムン・ジェイン)大統領が15日の光復節の祝辞で日本に向けては対話を、北朝鮮に向けては平和を強調した。やや原則的な水準で、前向きなメッセージは事実上なかった。

外交・安全保障と関連した言及は祝辞の後半部に簡単に含まれた。文大統領は「韓日両国は国交正常化から長く民主主義と市場経済という共通の価値を基盤に分業と協力を通じた経済成長をともに成し遂げることができた。今後も両国はともに行かなければならない方向」と話した。

続けて「韓国政府は両国の懸案だけでなく、コロナと気候危機など世界が直面した脅威に共同対応するための対話の門を常に開いている」として、日本と対話を通じ問題を解決する準備ができているという点も改めて強調した。


文大統領は歴史問題と関連しては「正さなければならない歴史問題に対しては国際社会の普遍的な価値と基準に合う行動と実践で解決していくだろう」と話した。

これに先立ち前日の「日本軍慰安婦被害者を称える日」のオンライン記念式の動画メッセージで「『被害者中心の問題解決』という国際社会の原則と規範を確固として守りたい」と話したのと一脈通じるもので、韓国政府の基本的な立場を改めて確認したものとみられる。

文大統領は昨年の光復節の時も祝辞で日本の戦犯企業に強制徴用被害の賠償を命じた大法院(最高裁)の判決に言及し、「大法院の判決は大韓民国の領土内で最高の法的権威と執行力を持つ」とした。

「日本と向かい合って座る準備ができた」とも述べたが、事実上賠償判決が定めた原則から譲歩するつもりはないという意味も同然だった。「われわれは一個人の尊厳を守ることは決して国に損にならないという事実を確認するだろう」とも話した。

だが今年の祝辞の対日メッセージは昨年末から続いてきた対日和解基調の延長に近かった。最近裁判所で強制徴用被害と関連した裁判所の判決が相次ぎ、大法院判決と反対にひっくり返されている点なども考慮したとみられる。

ただし、だからと言って日本が持続的に要求してきた新しく具体的な解決策に対する意志表明などもなかった。「日本叩き」は控えながらも前向きな提案はしない形で対日関係を管理するのに重点を置いたとみられる。

北朝鮮と関連しても具体的な政策紹介や提案などはなかった。文大統領は「たとえ統一にもっと多くの時間がかかっても、南北が共存し、韓半島(朝鮮半島)の非核化と恒久的平和を通じて北東アジア全体の繁栄に寄与する『韓半島モデル』を作り出すことができる」と話した。

続けて「北東アジア防疫・保健協力体」を取り上げ、「協力を拡大していき東アジア生命共同体の一員である北朝鮮もともに参加できるよう努力したい」というこれまでの立場を再び確認した。

文大統領はまた「韓半島の平和を強固に制度化することこそ南北ともに大きな利益になる」とも話した。「特に大韓民国がいわゆるコリアディスカウントを振り払い、事実上の島国から抜け出して大陸につながる時に得られる利益は莫大だ」としながらだ。

「平和の制度化」は終戦宣言や2018年4月27日の南北首脳会談の結果である「板門店(パンムンジョム)宣言」批准などを念頭に置いた発言とみられる。だが文大統領はこれ以上具体的な内容は説明しなかった。

文大統領はこれまで光復節の祝辞を対北朝鮮提案の契機にしてきた。昨年の祝辞では板門店宣言に言及し、「南北が共同調査と着工式まで進めた鉄道連結は未来の南北協力を大陸へ拡張する核心動力。南北がすでに合意した事項をひとつひとつ点検して実践する」という意志を明らかにした。

2019年には北朝鮮との「平和経済」を主唱した。北朝鮮は翌日すぐに談話を通じ「ゆでた牛の頭も天を仰いで大笑いする」と皮肉ってミサイルとみられる飛翔体まで撃ったが、文大統領は3日後に再び「平和経済はわれわれの未来の核心的挑戦であり機会」として意志を継続した。

こんな文大統領が任期中最後の光復節祝辞では前向きな対北朝鮮提案なくやり過ごしたのは、最近の北朝鮮の韓米合同演習への反発で悪化した国内世論などを考慮したとみられる。北朝鮮は合同演習を非難し10日に南北間の通信線を復元してから14日で再び遮断し、韓国に向け「おびただしい安保危機に迫っているのかを時々刻々感じられるようにするであろう」(11日、金英哲労働党統一戦線部長談話)と威嚇した。



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