2日連続で韓国国内の新型コロナウイルス感染症(新型肺炎)感染者が2000人前後を記録し、防疫対応戦略にも変化が必要だという声が出ている。既存の感染者中心ではなく、重症患者・死者中心に防疫基準を切り替えるべきだという意見だ。強化したロックダウン(都市封鎖)より、持続可能な防疫対策を導入しようという形だ。長期にわたる社会的距離確保措置に国民の疲労感が蓄積されるように積まれて実効性が落ち、デルタ株拡散により集団免疫達成が困難になったという判断のためだ。
しかし、一部の防疫の専門家は、長期的に「ウィズ・コロナ」政策に切り替えなければならないという点には同意しつつも、今の戦略の方向性を変えるのは難しいと指摘する。防疫を緩和できるほど国内のワクチン接種率が高くないため、感染者増加に伴い、重症率、致命率も同時に上がっていることを挙げた。年末までは防疫を強化し、できるだけ拡散を防ぎながらワクチン接種率を上げる戦略が必要だと述べた。
◆防疫解除したワクチン模範国、デルタで崩壊
韓国とは異なり、「ウィズ・コロナ」に方向転換した他の国を調べる必要がある。代表的には、イスラエル、英国、米国などがある。いずれも12歳以上の成人基準で新型コロナワクチン接種完了率が60%を上回る国だ。「ワクチン模範国」に選ばれたイスラエルは、5月に防疫規制措置を一斉に解除したのに続き、6月には世界で初めて屋内外のノーマスクを宣言した。しかし、デルタ株が急速に拡散すると、解除から11日後に再び室内マスク義務着用の指示を出した。今の状況はさらに深刻だ。イスラエルの新規感染者は最近6000人台に増加し、死者は今月だけで少なくとも82人となった。6月には月間死者数は7人に過ぎなかった。
英国も封鎖措置を解除した後、状況が悪化した。地元メディアによると、10日現在、一日に146人が死亡し、3月12日以降最多の死者が発生した。エコノミストの統計によると、英国では現在、12歳以上の年齢層の80.8%が1次接種、68.1%が2次接種を完了した状況だ。米国も室内マスクの着用解除の喜びを味わってから2カ月で防疫強化のカードを切った。いずれもデルタ株が拡散した影響だ。
◆当分「新規陽性者」中心対策政策の修正困難
専門家は、デルタ株の登場により、集団免疫達成目標などが大きく意味がなくなったとしつつも、新規陽性者数を基準とした防疫守則を変えるのは危険だと警告した。翰林(ハンニム)大学聖心(ソンシム)病院呼吸器内科の鄭ギ碩(チョン・ギソク)教授は「最近、国内で2000人台の感染者が確認され、重症率が高まったが、防疫対策を行っているから、それでもこの程度の結果になった」とし「防疫を少しでも解除した瞬間、感染者がさらに急増するだろう。その後、最終的には死者・重症患者の絶対数も増えざるを得ない」と述べた。通常、新規感染者のうち、3%ほどは重症に悪化すると見ているが、一日の感染者が1500人で維持される場合、毎日45人の重症患者が生じることになる。このうち4~5人が死亡する可能性が高い。現在も病床の確保が非常事態になっているが、時間が経過すれば医療システムが麻痺するおそれがある。
何よりも、鄭教授は重症化率と死亡率を下げる他の方法がないという点が問題だと指摘した。タミフル(新型インフルエンザの治療薬)のような治療薬があれば重症化率を下げることができるが、今のところ、距離を取るしか対策がないということだ。梨花(イファ)女子大学木洞(モクドン)病院呼吸器内科のチョン・ウンミ教授も同じ意見を出した。チョン教授は「デルタ株の場合、症状悪化の時期が従来のウイルスよりも速いという研究結果が出ている。それで、若い層も機械呼吸やエクモを使う状況が出てきている」とし「治療薬が開発されるまでは防疫強化とワクチン接種が同時進行されなければならない」と述べた。
防疫当局もすぐには対応戦略に変化はないという立場だ。12日、孫映莱(ソン・ヨンネ)中央事故収拾本部社会戦略班長は記者会見で、「陽性判定者数の代わりに、重症患者、死亡者数の指標を中心として、新たな防疫指針を検討する全面的な水準の変更は検討していない」とし「接種率が上がるまで感染者の規模を適正な水準に管理することが重要」と述べた。
◆ウィズ・コロナいつ頃?…年末~来年初め
では、いつ頃「ウィズ・コロナ」政策を導入することができるのか。専門家は、少なくとも11月以降に可能と予測した。チョン教授は「11月か12月以降、新型コロナ治療薬が出たら、今のようにシャットダウンほどの防疫は必要ではないと考える。マスクをするなど、制限された防疫措置を取りつつ、一部緩和措置を期待することができる」と述べた。チョン教授は、屋内マスク着用を解除すれば、来年初めまでは難しいと予想した。特に最も懸念されるのは中国だが、もし、下半期に再び中国で感染拡大が始まれば、新たな変化が生じて、韓国にまで影響を与えるおそれがあるとの見方を示した。
しかし、一部の防疫の専門家は、長期的に「ウィズ・コロナ」政策に切り替えなければならないという点には同意しつつも、今の戦略の方向性を変えるのは難しいと指摘する。防疫を緩和できるほど国内のワクチン接種率が高くないため、感染者増加に伴い、重症率、致命率も同時に上がっていることを挙げた。年末までは防疫を強化し、できるだけ拡散を防ぎながらワクチン接種率を上げる戦略が必要だと述べた。
◆防疫解除したワクチン模範国、デルタで崩壊
韓国とは異なり、「ウィズ・コロナ」に方向転換した他の国を調べる必要がある。代表的には、イスラエル、英国、米国などがある。いずれも12歳以上の成人基準で新型コロナワクチン接種完了率が60%を上回る国だ。「ワクチン模範国」に選ばれたイスラエルは、5月に防疫規制措置を一斉に解除したのに続き、6月には世界で初めて屋内外のノーマスクを宣言した。しかし、デルタ株が急速に拡散すると、解除から11日後に再び室内マスク義務着用の指示を出した。今の状況はさらに深刻だ。イスラエルの新規感染者は最近6000人台に増加し、死者は今月だけで少なくとも82人となった。6月には月間死者数は7人に過ぎなかった。
英国も封鎖措置を解除した後、状況が悪化した。地元メディアによると、10日現在、一日に146人が死亡し、3月12日以降最多の死者が発生した。エコノミストの統計によると、英国では現在、12歳以上の年齢層の80.8%が1次接種、68.1%が2次接種を完了した状況だ。米国も室内マスクの着用解除の喜びを味わってから2カ月で防疫強化のカードを切った。いずれもデルタ株が拡散した影響だ。
◆当分「新規陽性者」中心対策政策の修正困難
専門家は、デルタ株の登場により、集団免疫達成目標などが大きく意味がなくなったとしつつも、新規陽性者数を基準とした防疫守則を変えるのは危険だと警告した。翰林(ハンニム)大学聖心(ソンシム)病院呼吸器内科の鄭ギ碩(チョン・ギソク)教授は「最近、国内で2000人台の感染者が確認され、重症率が高まったが、防疫対策を行っているから、それでもこの程度の結果になった」とし「防疫を少しでも解除した瞬間、感染者がさらに急増するだろう。その後、最終的には死者・重症患者の絶対数も増えざるを得ない」と述べた。通常、新規感染者のうち、3%ほどは重症に悪化すると見ているが、一日の感染者が1500人で維持される場合、毎日45人の重症患者が生じることになる。このうち4~5人が死亡する可能性が高い。現在も病床の確保が非常事態になっているが、時間が経過すれば医療システムが麻痺するおそれがある。
何よりも、鄭教授は重症化率と死亡率を下げる他の方法がないという点が問題だと指摘した。タミフル(新型インフルエンザの治療薬)のような治療薬があれば重症化率を下げることができるが、今のところ、距離を取るしか対策がないということだ。梨花(イファ)女子大学木洞(モクドン)病院呼吸器内科のチョン・ウンミ教授も同じ意見を出した。チョン教授は「デルタ株の場合、症状悪化の時期が従来のウイルスよりも速いという研究結果が出ている。それで、若い層も機械呼吸やエクモを使う状況が出てきている」とし「治療薬が開発されるまでは防疫強化とワクチン接種が同時進行されなければならない」と述べた。
防疫当局もすぐには対応戦略に変化はないという立場だ。12日、孫映莱(ソン・ヨンネ)中央事故収拾本部社会戦略班長は記者会見で、「陽性判定者数の代わりに、重症患者、死亡者数の指標を中心として、新たな防疫指針を検討する全面的な水準の変更は検討していない」とし「接種率が上がるまで感染者の規模を適正な水準に管理することが重要」と述べた。
◆ウィズ・コロナいつ頃?…年末~来年初め
では、いつ頃「ウィズ・コロナ」政策を導入することができるのか。専門家は、少なくとも11月以降に可能と予測した。チョン教授は「11月か12月以降、新型コロナ治療薬が出たら、今のようにシャットダウンほどの防疫は必要ではないと考える。マスクをするなど、制限された防疫措置を取りつつ、一部緩和措置を期待することができる」と述べた。チョン教授は、屋内マスク着用を解除すれば、来年初めまでは難しいと予想した。特に最も懸念されるのは中国だが、もし、下半期に再び中国で感染拡大が始まれば、新たな変化が生じて、韓国にまで影響を与えるおそれがあるとの見方を示した。
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