北朝鮮の金与正(キム・ヨジョン)労働党副部長の一言が韓国政府官庁と与党まで揺さぶっている。金副部長が1日に南北関係正常化を試みる韓国側に「韓米合同演習中断」を要求してから4日後に韓国国内では精製されていない異見が表出し混乱が加重される様相だ。与党「共に民主党」内部では60人ほどの議員が連判状を回して合同演習延期を要求したことに対し宋永吉(ソン・ヨンギル)代表がこれを一蹴するなど内紛の様相までみられる。
このままならば合同演習延期をめぐりどのような結論が導出されても内部対立という後遺症は避けられない状況だ。合同演習を予定通りに実施する場合、せっかくの南北関係進展の機会に水を差すという懸念が、演習が延期あるいは中断される場合には北朝鮮の脅威のため韓米連合準備態勢を点検する機会を自ら放棄したとの批判が出るものとみられる。
決断を下さなければならない文大統領は4日、国防部の徐旭(ソ・ウク)長官に「さまざまなことを考慮して(米国側と)慎重に協議せよ」と明らかにした。延期を慎重に協議しろとしたものか、予定通りに進めることを慎重に協議するということかわからない曖昧な立場だ。
◇統一部と国家情報院が切り出した「合同演習延期」
合同演習をめぐる混乱が加重された背景には担当官庁である国防部の沈黙が長くなる中で統一部と国家情報院などが合同演習延期論を出して先に進んでいることも悪影響を及ぼしたと分析される。統一部高官は先月30日、「個人的にだけでなく、当局者としても合同演習を延期するのが良いという考え」としながら演習延期論を公論化した。
先月27日に南北通信連絡線が復旧してから3日で出てきた発言に対し統一部が南北関係改善を主導する官庁という点を考慮しても、こうした目標に埋没した末に過度な低姿勢で一貫するのではないかとの批判が提起された。
3日には情報機関のトップが出て合同演習延期の必要性を強調した。国家情報院の朴智元(パク・チウォン)院長はこの日の国会情報委員会全体会議で「対話とモメンタムを継続し北朝鮮非核化の大きなビジョンに向けては韓米合同演習に柔軟に対応することも検討する必要がある」との立場を明らかにしたと情報委員会所属議員が伝えた。
野党は国家情報院長の資格で特定懸案に対する政務的見解を明らかにしたのは不適切だと批判した。本来の任務である客観的情報分析ではなく主観的解釈を入れた意見を出したということだ。情報委員会幹事である国民の力の河泰慶(ハ・テギョン)議員は「国家情報院は情報官庁であり政策官庁ではない。国家情報院は金与正副部長の下命機関に転落した」と話した。
◇「延期すべき」vs「すでに遅い」…割れる与党
合同演習をめぐる議論がなかなか進まず政界にも火の粉が降りかかった。国民の力で提起した「金与正下命」の主張にも60人ほどの「共に民主党」議員は合同演習延期を主張する連判状に署名した。
問題は党次元の熟考さえ経ないままこうした行動がなされたという点だ。宋永吉代表は5日にラジオインタビューを通じ「韓米間で合意した演習は不可避だ」として合同演習を予定通りに進めるべきとの原則論を強調した。
その上で「南北間でも交渉が再開されれば色々な考慮要素があるだろうが通信線が回復しただけ。時間もあまりに切迫している。すでに準備がすべて進んでいるのに(延期は)難しい」と付け加えた。
結論が延ばされる間に韓米軍当局はすでに指揮官セミナーと戦術討議など事実上の合同演習準備に入った状態だ。主務官庁である国防部はまだ米国側に合同演習の延期・中断などの要請をしていない状態だ。これに先立ち3日に米国防総省のカービー報道官は「韓国から演習中断の要請を受けたことはない」と明らかにした。
このままならば10日に本格的な合同演習に向けた事前演習に当たる危機管理参謀訓練が始まり、16日には連合指揮所訓練(CCPT)が進められるなど事前に計画された通りに合同演習日程が推進される可能性が大きくなりそうだ。
これと関連し韓米連合軍司令部副司令官出身(予備役大将)の金炳周(キム・ビョンジュ)民主党議員は5日の党政策調整会議で「合同演習の延期や中止を主張するにはとても遅いタイミング。五輪で考えれば予選試合が始まったも同然だ」と話した。
続けて「合同演習が政治的交渉の道具として使われることを警戒しなければならない。合同演習日程は政府で推進する戦時作戦権返還段階とも密接に関連している」と話した。合同演習を実施できなければ戦時作戦統制権還収条件をクリアするのが難しいという点を指摘したものだ。
このままならば合同演習延期をめぐりどのような結論が導出されても内部対立という後遺症は避けられない状況だ。合同演習を予定通りに実施する場合、せっかくの南北関係進展の機会に水を差すという懸念が、演習が延期あるいは中断される場合には北朝鮮の脅威のため韓米連合準備態勢を点検する機会を自ら放棄したとの批判が出るものとみられる。
決断を下さなければならない文大統領は4日、国防部の徐旭(ソ・ウク)長官に「さまざまなことを考慮して(米国側と)慎重に協議せよ」と明らかにした。延期を慎重に協議しろとしたものか、予定通りに進めることを慎重に協議するということかわからない曖昧な立場だ。
◇統一部と国家情報院が切り出した「合同演習延期」
合同演習をめぐる混乱が加重された背景には担当官庁である国防部の沈黙が長くなる中で統一部と国家情報院などが合同演習延期論を出して先に進んでいることも悪影響を及ぼしたと分析される。統一部高官は先月30日、「個人的にだけでなく、当局者としても合同演習を延期するのが良いという考え」としながら演習延期論を公論化した。
先月27日に南北通信連絡線が復旧してから3日で出てきた発言に対し統一部が南北関係改善を主導する官庁という点を考慮しても、こうした目標に埋没した末に過度な低姿勢で一貫するのではないかとの批判が提起された。
3日には情報機関のトップが出て合同演習延期の必要性を強調した。国家情報院の朴智元(パク・チウォン)院長はこの日の国会情報委員会全体会議で「対話とモメンタムを継続し北朝鮮非核化の大きなビジョンに向けては韓米合同演習に柔軟に対応することも検討する必要がある」との立場を明らかにしたと情報委員会所属議員が伝えた。
野党は国家情報院長の資格で特定懸案に対する政務的見解を明らかにしたのは不適切だと批判した。本来の任務である客観的情報分析ではなく主観的解釈を入れた意見を出したということだ。情報委員会幹事である国民の力の河泰慶(ハ・テギョン)議員は「国家情報院は情報官庁であり政策官庁ではない。国家情報院は金与正副部長の下命機関に転落した」と話した。
◇「延期すべき」vs「すでに遅い」…割れる与党
合同演習をめぐる議論がなかなか進まず政界にも火の粉が降りかかった。国民の力で提起した「金与正下命」の主張にも60人ほどの「共に民主党」議員は合同演習延期を主張する連判状に署名した。
問題は党次元の熟考さえ経ないままこうした行動がなされたという点だ。宋永吉代表は5日にラジオインタビューを通じ「韓米間で合意した演習は不可避だ」として合同演習を予定通りに進めるべきとの原則論を強調した。
その上で「南北間でも交渉が再開されれば色々な考慮要素があるだろうが通信線が回復しただけ。時間もあまりに切迫している。すでに準備がすべて進んでいるのに(延期は)難しい」と付け加えた。
結論が延ばされる間に韓米軍当局はすでに指揮官セミナーと戦術討議など事実上の合同演習準備に入った状態だ。主務官庁である国防部はまだ米国側に合同演習の延期・中断などの要請をしていない状態だ。これに先立ち3日に米国防総省のカービー報道官は「韓国から演習中断の要請を受けたことはない」と明らかにした。
このままならば10日に本格的な合同演習に向けた事前演習に当たる危機管理参謀訓練が始まり、16日には連合指揮所訓練(CCPT)が進められるなど事前に計画された通りに合同演習日程が推進される可能性が大きくなりそうだ。
これと関連し韓米連合軍司令部副司令官出身(予備役大将)の金炳周(キム・ビョンジュ)民主党議員は5日の党政策調整会議で「合同演習の延期や中止を主張するにはとても遅いタイミング。五輪で考えれば予選試合が始まったも同然だ」と話した。
続けて「合同演習が政治的交渉の道具として使われることを警戒しなければならない。合同演習日程は政府で推進する戦時作戦権返還段階とも密接に関連している」と話した。合同演習を実施できなければ戦時作戦統制権還収条件をクリアするのが難しいという点を指摘したものだ。
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