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<東京五輪>銀メダル取ったのに「反逆者」…愛国主義過熱する中国の「小粉紅」世代

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
「私がチームをだめにしした。みんなに申し訳ない」。

先月26日、東京五輪卓球混合ダブルスで銀メダルを首にかけた中国の劉詩ブン(30)が表彰式後に伝えた所感だ。劉詩ブンは金メダルではない銀メダルにとどまったことを自ら叱責し涙で謝った。彼女が日本選手に負けたことをめぐり中国の一部ネットユーザーは「国にダメージを与えた」「背信者」という攻撃まではばからなかった。

BBCは2日、「東京五輪に出場した中国選手らがいつになく大きな優勝のプレッシャーを受けている」として中国社会を覆っている「過剰愛国主義」にスポットを当てた。これによると、中国の一部ネットユーザーは金メダルを取れなかった自国選手を「反愛国者」扱いし、激しい攻撃を浴びせている。中国を押され金メダルを取った日本の水谷隼選手にも「死ね」「消えろ」などの悪意あるコメントを吐き出す。


勝敗だけが問題でない。射撃の楊倩(21)は金メダルを取っても批判を受けた。昨年12月に中国で不買運動中のナイキ製品の写真をSNSに上げたことが再び問題になった。ナイキは中国の人権弾圧を問題視し新疆産の綿を使わない方針を示している。これに対しネットユーザーは中国を代表するスポーツ選手としてナイキ不買運動をリードすべきと楊倩に訓戒した。このほか台湾との決勝戦で破れたバドミントン男子ダブルスチーム、射撃女子10mエアライフル決勝進出に失敗した王ロ瑶(23)も攻撃の対象になった。

状況が深刻化するとすぐに国際オリンピック委員会(IOC)と日本オリンピック委員会(JOC)は選手に対する誹謗中傷事例に対し法的対応を検討すると明らかにした状況だ。

◇習近平の「中華覇権」があおった「小粉紅世代」

BBCは「過剰な民族主義熱風が中国全域をさらって五輪のメダルはスポーツマンの栄光それ以上になった。こうした憤怒の中心に『小粉紅世代』がいる」と伝えた。小粉紅世代は中華愛国主義教育を受けた20~30代の若い過剰民族主義者を指す。高学歴者が多く韓流にも精通している彼らは国と民族に熱狂的な性向を見せる。

専門家らは「中国が世界の中心とならなければならない」と考える人たちにとって五輪のメダルを取り逃すのは「反逆行為」と同じだと説明する。オランダのライデン大学アジアセンター所長を務めるフロリアン・シュナイダー博士は「この人たちにとって五輪のメダル順位は国のプライドでありリアルタイムの国家ランキング」と話した。

特に先月1日に習近平中国国家主席が共産党創設100周年行事で「中華覇権思想」を表明するなど中国当局が小粉紅世代をあおっているという見方もある。シュナイダー博士は「共産党が民族主義を強調し大衆は国の成功しか見えなくなった。東京五輪出場選手らも大きな成果を出さなければならないという負担を抱えることになった」と説明した。

だがこうした過剰な愛国主義がむしりリスク要因になりかねないという意見もある。一部では自国選手に対する憤怒を爆発させるが、これに対し「非合理的」という反省が出るなど過熱した愛国主義に反対する動きが見られるためだ。

アイオワ州立大学のジョナサン・ハシド博士は「共産党は中華覇権に向け過剰な愛国主義を利用したが、市民の憤怒が手がつけられないほど爆発すればむしろ統制がさらに難しくなるということを知ることになるだろう。民族主義感情を悪用するのは虎に乗るようなものだ。一度乗ればコントロールするのも難しく降りるのも難しい」と指摘した。



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