韓国国内で新型コロナウイルスのデルタ型変異株の検出率が半分を占め優勢株に位置づけられる中で、デルタ株の感染力が水痘並みに強いという米防疫当局の報告書が公開された。この報告書ではひとまずワクチンを打てば重症疾患と死亡につながる可能性は減るが、ブレークスルー感染によりデルタ株に感染した場合、他の人に感染するウイルス量はワクチン未接種者と変わらないという内容も盛り込まれ懸念が拡大している。
内外の防疫専門家らはデルタ株の感染力が非常に危険な水準であることを示す結果だと話した。その上でワクチン接種率が急速に上がらない場合、デルタ株を超えるさらに強く致命的な新たな変異株が出現し、現在のワクチンそのものを無力化させる可能性もあると指摘した。
◇米CDC「デルタ株、1人の感染者が6~8人に感染させる」
米疾病管理予防センター(CDC)は新型コロナウイルスのデルタ株が水痘に匹敵する感染力の強さがあり、さらに深刻な疾患を誘発しかねないという内部報告書を作ったと先月29日に主要外信が報じた。ワシントン・ポストとニューヨーク・タイムズによると、CDCはデルタ株の場合、中東呼吸器症候群(MERS)や重症急性呼吸器症候群(SARS)、エボラ出血熱、風邪と天然痘を誘発するウイルスより感染力が高く、水痘ほどの感染力があるという結果を導き出したと明らかにした。
通常1人がどれだけ多くの人に感染させるかを示す実効再生産数の値を見ると、既存の新型コロナウイルスは2.5程度と推定される。感染者1人が平均2.5人を感染させるという意味だ。他の感染症と比較してみると、天然痘は4~6、水痘は6~8程度だ。デルタ株の場合、このうち水痘ほどの感染力を持つという意味だ。実際に韓国の場合、国民の大部分が水痘ワクチン接種を終えているが、昨年1年間に3万1430人の患者が発生した。翰林(ハンリム)大学聖心病院呼吸器内科のチョン・ギソク教授はこれと関連し、「それだけ感染力が強いという意味。これまではデルタ株の実行再生産数が概ね3~4程度になるとされていたが、米国で6~8までも可能だと話したもの」と説明した。
◇デルタ株のブレークスルー感染者、ワクチン未接種者と感染力類似
問題はまたある。この報告書はデルタ株がワクチン接種完了者も感染させるいわゆる「ブレークスルー感染」を起こすだけでなく、感染した場合、他の人にウイルスを感染させる量はワクチン未接種者と大きく変わらないと説明した。ワクチン接種の有無に関係なく鼻とのどに莫大な量のウイルスが見つかり、感染力が高いという説明だ。CDCはこうした理由から、「デルタ株で戦況が変わったという点を認めなければならない」とし、室内でのマスク着用を再び勧告した。ただCDCはまだ新型コロナウイルスワクチンの接種により重症や死亡のリスクを10倍以上減らすことができると強調した。
内外の専門家らは世界的に接種率が速く上がらない場合、デルタ株よりさらに強力な変異株が出現しワクチンを無力化させる可能性もあると指摘した。CDCのワレンスキー局長は先月31日、「現在はそのような状況ではないが、次に出現する変異株はワクチンを無用のものにするかもしれない」と話した。ジョンズ・ホプキンズ・ブルームバーグ公衆衛生大学院のアンドリュー・ペコス教授は「世界のどの地域でもウイルスが容易に複製するのを防げないならば変異株の発生確率が高まるだろう」と指摘した。
チョン・ギソク教授は「今回のインドの事例のようにインドネシアなどワクチン接種率が低いが人口密度が高いところで他の変異株が出る恐れがあり、そのような場合には非常に危険になるだろうとみる」と話した。高麗(コリョ)大学九老(クロ)病院感染内科のキム・ウジュ教授は「新型コロナウイルスは知れば知るほど常識を破るウイルスだ」と話した。彼は、通常はワクチンを接種すれば流行が減り、接種を完了した人たちが未接種者よりウイルス分泌量が少なく感染力が落ちるのに、コロナウイルスはますますアップグレードされていると説明した。
その上で「いまブースター接種の話まで出ているが、市中にあるワクチンは変異株ではなく既存の新型コロナウイルスを退治するために作られたもので限界がある」と話した。キム教授は「韓国政府は無条件に11月までに人口の70%に接種すれば集団免疫ができるかのように発表しているが、重要なことは数ではない。ウイルスがアップグレードされるように、防疫やワクチン計画も先を行く必要がある」と指摘した。
内外の防疫専門家らはデルタ株の感染力が非常に危険な水準であることを示す結果だと話した。その上でワクチン接種率が急速に上がらない場合、デルタ株を超えるさらに強く致命的な新たな変異株が出現し、現在のワクチンそのものを無力化させる可能性もあると指摘した。
◇米CDC「デルタ株、1人の感染者が6~8人に感染させる」
米疾病管理予防センター(CDC)は新型コロナウイルスのデルタ株が水痘に匹敵する感染力の強さがあり、さらに深刻な疾患を誘発しかねないという内部報告書を作ったと先月29日に主要外信が報じた。ワシントン・ポストとニューヨーク・タイムズによると、CDCはデルタ株の場合、中東呼吸器症候群(MERS)や重症急性呼吸器症候群(SARS)、エボラ出血熱、風邪と天然痘を誘発するウイルスより感染力が高く、水痘ほどの感染力があるという結果を導き出したと明らかにした。
通常1人がどれだけ多くの人に感染させるかを示す実効再生産数の値を見ると、既存の新型コロナウイルスは2.5程度と推定される。感染者1人が平均2.5人を感染させるという意味だ。他の感染症と比較してみると、天然痘は4~6、水痘は6~8程度だ。デルタ株の場合、このうち水痘ほどの感染力を持つという意味だ。実際に韓国の場合、国民の大部分が水痘ワクチン接種を終えているが、昨年1年間に3万1430人の患者が発生した。翰林(ハンリム)大学聖心病院呼吸器内科のチョン・ギソク教授はこれと関連し、「それだけ感染力が強いという意味。これまではデルタ株の実行再生産数が概ね3~4程度になるとされていたが、米国で6~8までも可能だと話したもの」と説明した。
◇デルタ株のブレークスルー感染者、ワクチン未接種者と感染力類似
問題はまたある。この報告書はデルタ株がワクチン接種完了者も感染させるいわゆる「ブレークスルー感染」を起こすだけでなく、感染した場合、他の人にウイルスを感染させる量はワクチン未接種者と大きく変わらないと説明した。ワクチン接種の有無に関係なく鼻とのどに莫大な量のウイルスが見つかり、感染力が高いという説明だ。CDCはこうした理由から、「デルタ株で戦況が変わったという点を認めなければならない」とし、室内でのマスク着用を再び勧告した。ただCDCはまだ新型コロナウイルスワクチンの接種により重症や死亡のリスクを10倍以上減らすことができると強調した。
内外の専門家らは世界的に接種率が速く上がらない場合、デルタ株よりさらに強力な変異株が出現しワクチンを無力化させる可能性もあると指摘した。CDCのワレンスキー局長は先月31日、「現在はそのような状況ではないが、次に出現する変異株はワクチンを無用のものにするかもしれない」と話した。ジョンズ・ホプキンズ・ブルームバーグ公衆衛生大学院のアンドリュー・ペコス教授は「世界のどの地域でもウイルスが容易に複製するのを防げないならば変異株の発生確率が高まるだろう」と指摘した。
チョン・ギソク教授は「今回のインドの事例のようにインドネシアなどワクチン接種率が低いが人口密度が高いところで他の変異株が出る恐れがあり、そのような場合には非常に危険になるだろうとみる」と話した。高麗(コリョ)大学九老(クロ)病院感染内科のキム・ウジュ教授は「新型コロナウイルスは知れば知るほど常識を破るウイルスだ」と話した。彼は、通常はワクチンを接種すれば流行が減り、接種を完了した人たちが未接種者よりウイルス分泌量が少なく感染力が落ちるのに、コロナウイルスはますますアップグレードされていると説明した。
その上で「いまブースター接種の話まで出ているが、市中にあるワクチンは変異株ではなく既存の新型コロナウイルスを退治するために作られたもので限界がある」と話した。キム教授は「韓国政府は無条件に11月までに人口の70%に接種すれば集団免疫ができるかのように発表しているが、重要なことは数ではない。ウイルスがアップグレードされるように、防疫やワクチン計画も先を行く必要がある」と指摘した。
この記事を読んで…