南北(韓国・北朝鮮)通信連絡線が復元されてから3日目の29日にも北朝鮮は内部的にこれを全く知らせていない。南北首脳間の合意としながらも住民にはこれを伝えていないため、その内心が注目される。
北朝鮮ではこの日まで金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長の関連発言が公開されていないうえ、労働新聞・朝鮮中央テレビなど対内用メディアも通信線の復元を一切報道していない。27日に北朝鮮の住民は見ることができない対外用メディアの朝鮮中央通信を通じて、「首脳間の合意に基づき南北双方は7月27日10時からすべての北南通信連絡線を再稼働する措置を取った」と明らかにしただけだ。
これは韓国外交部が崔鍾建(チェ・ジョンゴン)第1次官と魯圭悳(ノ・ギュドク)韓半島平和交渉本部長がそれぞれ米国のシャーマン国務副長官およびソン・キム北朝鮮政策特別代表と有線協議を開き、韓半島(朝鮮半島)非核化を進展させるための韓米協力案を議論するなど慌ただしく日程を消化しているのとは対照的な姿だ。
むしろ北朝鮮は29日付の労働新聞を通じて金委員長が戦勝節を記念して中国との親善を象徴する代表的な記念物「中朝友情塔」を訪問したという記事を掲載した。この記事には金委員長が「抗米援朝保家衛国」を強調したという内容もあった。これは中国が韓国戦争(朝鮮戦争)に参戦した当時のスローガンで、「米国に対抗して北朝鮮を助け、家庭と国を守る」という意味だ。
韓国では通信線の復元をきっかけにした南北首脳会談や韓半島非核化交渉などの見方が出ているが、北朝鮮はこれに一切言及せず反米コードを強調している。
北朝鮮も韓国政府のように通信線復元を「韓半島の完全な非核化」を最終目標とする南北対話開始の意味として見ているのか疑問視される理由だ。
鄭義溶(チョン・ウィヨン)外交部長官は28日の学術行事で「北はハノイ(首脳会談)以降も核実験および長距離ミサイル発射モラトリアムを維持している」という点を強調したが、非核化の意志に結びつく北朝鮮のメッセージや措置はない状況だ。
◆疑問が残る北朝鮮の「非核化意志」
これに先立ち青瓦台(チョンワデ、韓国大統領府)の朴洙賢(パク・スヒョン)国民疎通首席秘書官はラジオ番組のインタビューで、通信線の復元を「出発ライン」と表現しながら「最終目標は非核化」という点を強調した。南北首脳会談などを含む対話の動きと関係改善は手段にすぎず、韓半島非核化を目標に北朝鮮と交渉を進めるという意味だ。
しかし金正恩委員長は1月の第8回労働党大会で原子力潜水艦の開発に言及し、「責任ある核保有国」を強調するなど、非核化とは違う道を進んでいる。条件なしの対話を提案したバイデン米政権にも依然として無応答で一貫している。
金委員長が27日の全国老兵大会で「保健危機と長期的な封鎖による混乱と問題は戦争状況に劣らない試練の峠だが、これを新たな大勝利に変える」と強調したのも、南北関係の改善より内政に集中するという意味と解釈される。
結局、北朝鮮が南北対話に応じても、これは非核化交渉に対する意志の表明ではなく、内部的な食糧難改善と新型コロナワクチン支援などを達成するための戦略的選択と考えられる。
◆北朝鮮をなだめて「対話局面」を迎えたが…
こうした状況は北朝鮮との対話再開を通じて韓半島の平和時計を2018年に戻そうとする韓国政府の態度が招いたという指摘も出ている。バイデン政権は「北朝鮮との対話のための制裁緩和はない」という北朝鮮政策ガイドラインを明確にしたが、韓国政府は対話自体のための対北朝鮮インセンティブ提供に注力してきた。また、国際社会の批判を覚悟して対北朝鮮ビラ禁止法(改正南北関係発展法)を施行し、今年の国連北朝鮮人権決議案に共同提案国として参加しないなど北朝鮮人権状況にも目を閉じ、北朝鮮の目を気にしているという批判も受けた。
2018年6月の米朝首脳会談以降、非核化議論を後押しするという趣旨で始まった韓米連合訓練縮小も3年間続いている。南北対話の最終目標は韓半島非核化という点を強調しながらも、実際には北朝鮮との対話自体を目標にするような対北朝鮮戦略が繰り返されてきた。
峨山政策研究院の車斗鉉(チャ・ドゥヒョン)首席研究委員は「北が8月に予定された韓米連合軍事訓練を控えて通信線の復元に合意したのは、南北関係正常化の意志というより、南北-米朝関係の主導権を握るための『揺さぶり』の目的が強いとみられる」とし「韓国政府はむしろ北を孤立させながら強制的にでも非核化プロセスに参加させるべきだが、逆に北の助けて対話自体を追う接近法で一貫している」と指摘した。
北朝鮮ではこの日まで金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長の関連発言が公開されていないうえ、労働新聞・朝鮮中央テレビなど対内用メディアも通信線の復元を一切報道していない。27日に北朝鮮の住民は見ることができない対外用メディアの朝鮮中央通信を通じて、「首脳間の合意に基づき南北双方は7月27日10時からすべての北南通信連絡線を再稼働する措置を取った」と明らかにしただけだ。
これは韓国外交部が崔鍾建(チェ・ジョンゴン)第1次官と魯圭悳(ノ・ギュドク)韓半島平和交渉本部長がそれぞれ米国のシャーマン国務副長官およびソン・キム北朝鮮政策特別代表と有線協議を開き、韓半島(朝鮮半島)非核化を進展させるための韓米協力案を議論するなど慌ただしく日程を消化しているのとは対照的な姿だ。
むしろ北朝鮮は29日付の労働新聞を通じて金委員長が戦勝節を記念して中国との親善を象徴する代表的な記念物「中朝友情塔」を訪問したという記事を掲載した。この記事には金委員長が「抗米援朝保家衛国」を強調したという内容もあった。これは中国が韓国戦争(朝鮮戦争)に参戦した当時のスローガンで、「米国に対抗して北朝鮮を助け、家庭と国を守る」という意味だ。
韓国では通信線の復元をきっかけにした南北首脳会談や韓半島非核化交渉などの見方が出ているが、北朝鮮はこれに一切言及せず反米コードを強調している。
北朝鮮も韓国政府のように通信線復元を「韓半島の完全な非核化」を最終目標とする南北対話開始の意味として見ているのか疑問視される理由だ。
鄭義溶(チョン・ウィヨン)外交部長官は28日の学術行事で「北はハノイ(首脳会談)以降も核実験および長距離ミサイル発射モラトリアムを維持している」という点を強調したが、非核化の意志に結びつく北朝鮮のメッセージや措置はない状況だ。
◆疑問が残る北朝鮮の「非核化意志」
これに先立ち青瓦台(チョンワデ、韓国大統領府)の朴洙賢(パク・スヒョン)国民疎通首席秘書官はラジオ番組のインタビューで、通信線の復元を「出発ライン」と表現しながら「最終目標は非核化」という点を強調した。南北首脳会談などを含む対話の動きと関係改善は手段にすぎず、韓半島非核化を目標に北朝鮮と交渉を進めるという意味だ。
しかし金正恩委員長は1月の第8回労働党大会で原子力潜水艦の開発に言及し、「責任ある核保有国」を強調するなど、非核化とは違う道を進んでいる。条件なしの対話を提案したバイデン米政権にも依然として無応答で一貫している。
金委員長が27日の全国老兵大会で「保健危機と長期的な封鎖による混乱と問題は戦争状況に劣らない試練の峠だが、これを新たな大勝利に変える」と強調したのも、南北関係の改善より内政に集中するという意味と解釈される。
結局、北朝鮮が南北対話に応じても、これは非核化交渉に対する意志の表明ではなく、内部的な食糧難改善と新型コロナワクチン支援などを達成するための戦略的選択と考えられる。
◆北朝鮮をなだめて「対話局面」を迎えたが…
こうした状況は北朝鮮との対話再開を通じて韓半島の平和時計を2018年に戻そうとする韓国政府の態度が招いたという指摘も出ている。バイデン政権は「北朝鮮との対話のための制裁緩和はない」という北朝鮮政策ガイドラインを明確にしたが、韓国政府は対話自体のための対北朝鮮インセンティブ提供に注力してきた。また、国際社会の批判を覚悟して対北朝鮮ビラ禁止法(改正南北関係発展法)を施行し、今年の国連北朝鮮人権決議案に共同提案国として参加しないなど北朝鮮人権状況にも目を閉じ、北朝鮮の目を気にしているという批判も受けた。
2018年6月の米朝首脳会談以降、非核化議論を後押しするという趣旨で始まった韓米連合訓練縮小も3年間続いている。南北対話の最終目標は韓半島非核化という点を強調しながらも、実際には北朝鮮との対話自体を目標にするような対北朝鮮戦略が繰り返されてきた。
峨山政策研究院の車斗鉉(チャ・ドゥヒョン)首席研究委員は「北が8月に予定された韓米連合軍事訓練を控えて通信線の復元に合意したのは、南北関係正常化の意志というより、南北-米朝関係の主導権を握るための『揺さぶり』の目的が強いとみられる」とし「韓国政府はむしろ北を孤立させながら強制的にでも非核化プロセスに参加させるべきだが、逆に北の助けて対話自体を追う接近法で一貫している」と指摘した。
この記事を読んで…