「韓国のマリンボーイ」ファン・ソヌ（１８）が「水の怪物」の横でも物怖じしなかった。

ファン・ソヌは２９日、東京アクアティクスセンターで開かれた東京オリンピック（五輪）競泳男子自由形１００メートル決勝で４７秒８２で８人中５位を記録した。五輪男子自由形１００メートルで、アジア選手では１９５２年ヘルシンキ大会で銀メダルを獲得した鈴木弘（日本）以降、６９年ぶりの最高成績だ。期待したメダルには届かなかったものの、ケイレブ・ドレセル（２５・米国）と互角のレースで見る人々を驚かせた。

この日、ファン・ソヌは第６レーンに配置された。すぐ横の第５番レーンがドレセルだった。ドレセルは２０１９年世界水泳選手権大会で６冠に輝き、「第２のフェルプス」ともいわれる「水の怪物」だ。ファン・ソヌは自由形１００メートル準決勝でもドレセルの横で力を発揮した。競技が終わった後、彼は「一緒に泳げるだけでも光栄だ。レーンが真横だったのが良かったのだと思う」と話した。


決勝でファン・ソヌはドレセルを威嚇した。反応速度が０．５８秒でドレセル（０．６０秒）よりも速かった。５０メートル区間では２３秒１２秒で６位だったが、折返し５０メートルで順位を上げて４７秒８２でタッチ板に触れた。この日４７秒０２で金メダルだったドレセルとの差は０．８０秒だった。

メダル獲得には至らなかったが、韓国自由形１００メートルの歴史を新たに書いた。ファン・ソヌは前日開かれた準決勝で４７秒５６を記録し、寧沢濤（２８・中国）が２０１４年に樹立したアジア記録（４７秒６５）を更新して決勝の舞台を踏んだ。韓国選手が五輪自由形１００メートル決勝に進出したのはファン・ソヌが初めて。またアジア選手が五輪自由形１００メートルの決勝に進んだのは１９５６年メルボルン大会の谷●（言べんに及）（日本、７位）以降、６５年ぶりだった。