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「五輪の放送より…」 いま日本の関心はこの男性に集中

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

大谷翔平の記事が1面を埋めた16日付の日本のスポーツ新聞 [イ・ヨンヒ記者]

東京オリンピック(五輪)開幕を1週間後に控えた16日、日本は驚くほど静かだ。街中でも放送でも「祭りが始まる」という雰囲気が感じられない。スポーツ紙さえも五輪からあえて視線を外す雰囲気だ。この数日間、むしろ日本のスポーツ紙の1面はこの人物が飾っている。米メジャーリーグのロサンゼルス・エンゼルスで投打で活躍している大谷翔平(27)だ。

日本政府は五輪で国民の自負心を鼓吹しようとしたが、日本人に五輪はすでに避けられない傷と認識されているようだ。ただ傷あとが大きくならないことを期待して、速やかに過ぎ去ることを望んでいるように見える。こうした重い雰囲気の中で人々を笑顔にさせる唯一の存在がまさに大谷だ。

大谷はメジャー4年目の今季上半期、アメリカン・ナショナル両リーグ最多の33本塁打を放ち、投手としても4勝を挙げた。そして13日(現地時間)に開催されたオールスター戦にはメジャー史上初めで先発投手・1番打者で出場した。

◆「野球漫画」から出てきた天才

松井秀喜、イチロー、ダルビッシュ有などメジャーリーグで優秀な成績を残した日本人選手は少なくない。しかし大谷は彼らとは「別格」という感じだ。野球漫画から飛び出してきたような容貌に才能、性格まで兼ね備えた「完璧」な選手だ。

何よりも投打で活躍する「二刀流」の天才という事実が新たな「オーラ」を出している。メジャーリーグでも「二刀流」で注目された選手は1世紀前の野球スター、ベーブ・ルース(1895-1948)が唯一だ。

現実感のない英雄の登場に驚く雰囲気もある。日本では最近「大谷がどれほどすごいのか」という例え話が出ている。東京新聞によると、文学界では「古典詩歌と現代詩を自由自在に行き来する大文豪」という声が出ている。こちらの方がもう少し説得力ある。「同じ年にアカデミー賞で主演男優賞を、グラミー賞で最優秀アルバム賞を受賞するのと変わらない」。

◆宮本武蔵・大谷「平行理論」

大谷の登場で改めて注目されている歴史人物もいる。「二刀流」はもともと日本の剣術で、右手と左手にそれぞれ刀を持って戦う技術をいう。この二刀流を創始者が江戸時代初期の伝説的な剣客、宮本武蔵(1582-1645)だ。

誇張されているという説もあるが、宮本武蔵は13歳の年齢で刀を持って戦い、生涯60回の決闘で一度も負けたことがないという。両手に刀を持って優れた剣術を見せたという宮本武蔵の話は日本の文化でよく登場する素材だ。吉川英治の大河小説『宮本武蔵』と『スラムダンク』の漫画家・井上雄彦がこの小説を原作に描いた漫画『バガボンド』が有名だ。

修行と精進で剣術を哲学に高めた宮本武蔵のように、大谷も野球を通じて修業に励むような姿が話題になったりもする。例えば、四球で出塁した大谷が落ちているゴミを拾ってポケットに入れる姿がよくみられる。大谷はゴミを拾う行動について自身の本でこう語っている。「他人が何気なく捨てた運を拾う」。

◆五輪と大谷の試合が重なれば…

オールスター戦が終わってもメジャーリーグは続くため、大谷は東京五輪に出場できない。日本の放送局は頭を悩ませている。五輪中継放送と大谷の試合が重なる場合、どちらを選択すべきかということだ。

五輪のために大谷の試合を放送しなければ視聴者の不満が爆発するのは明らかだ。NHK側は「五輪とパラリンピック、大谷の中継を共に放送できる方法を検討している」とし、ひとまず視聴者を安心させた。

16日、東京都のコロナ新規感染者数は1271人に急増し、菅義偉首相は五輪D-7の閣議で「安全・安心の五輪」を改めて強調した。

しかしそれよりも大谷のオールスター戦のユニホームが競売初日に1200万円を突破したというニュースをはるかに多くの人々が見ている。「大谷がいなければこの時期をどうやって乗り越えるのか」というコメントをみると、こうした雰囲気はかなり長く続きそうだ。

イ・ヨンヒ/東京特派員

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