ユネスコが日本の強制徴用被害歪曲の試みに公開的に警告状を投げかけた。
ユネスコ世界遺産委員会は12日、日本が2015年6月に「軍艦島」(端島)など7カ所の朝鮮人強制労働施設を含む23カ所の近代産業施設が世界文化遺産として登録された当時に約束した「犠牲者を記憶にとどめるための適切な対応」をまともに履行していないと指摘した。
この日公開された世界遺産委員会の決定文には、1940年代に該当施設で韓国人などが強制労働の被害を受けたという事実をしっかり伝えておらず、犠牲者に対する追悼措置もやはり不十分だったとされている。特に決定文には日本の後続措置未履行に対し「強い遺憾を示す」という表現が盛り込まれた。「強い遺憾」という表現自体も強度が高い上に通常は政治的な判断をしないユネスコがこのような形で事実上の警告をしたこともまた異例と評価される。日本としては東京五輪開幕をわずか11日後に控えて強制徴用問題で国際的に恥をかいた格好だ。
◇5年ぶりに約束守りながら不意打ち
世界遺産委員会がこのように強力な立場を盛り込んだ決定文を出したのは、日本が昨年6月に東京に産業遺産情報センターを開設し、強制徴用に対し歪曲に近い展示物を公開したことが発端になった。
当初日本は2015年に近代産業施設が世界文化遺産として登録される際に「(日本は)1940年代に一部施設で多くの韓国人などが『自身の意思に反して(against their will)』動員され苛酷な環境下で『強制的に労働した(forced to work)』事実があることを認識する」とし、「該当施設に情報センターなどを建てて犠牲者を記憶にとどめる」と約束した。
韓国が「反人道犯罪が強行された強制徴用施設7カ所は登録不可」と反対して国際世論戦を展開し、登録そのものが失敗に終わるかと一歩ずつ譲歩して合意した結果だった。登録はするものの歴史的事実は明確に伝えようとの趣旨から、日本が政府レベルで日帝強占期に韓国人の強制徴用があったと国際社会で認めたのは当時が事実上初めてだった。
だが日本は約束と違い軍艦島がある長崎ではなく東京に情報センターを作り、「朝鮮人に対する差別はなかった」「徴用者虐待はなかった」という住民の発言を公開するなど、強制徴用と関連した歴史的事実を歪曲する内容を堂々と展示した。これに対し国際的批判が出て、韓国政府も公式的な問題提起に出た。これに伴い、世界遺産委員会は6月にユネスコと国際記念物遺跡会議(ICOMOS)が共同で参加する調査団を設けて実態把握に乗り出した。
調査団は6月7日から3日間東京の産業遺産情報センター視察などを含めて後続措置の履行状況を点検した後、60ページにわたる報告書を完成した。世界遺産委員会はこれを根拠にこの日「強い遺憾」を示した決定文を確定した。
◇「強制労働犠牲事実看過」
報告書は日本が建てた東京の情報センターに対し、「遺産所在地から遠く離れたところに位置しており、韓国人など強制労働者が犠牲者という事実を看過した」と評価した。
また▽各施設全体の歴史を理解できるようにするための措置▽韓国人らに対する強制労働の事実と当時の日本政府の強制労働政策を伝える措置▽犠牲者を記憶にとどめるための適切な措置▽第2次世界大戦当時のドイツの強制労働後続措置など模範事例参照▽関連当事者との対話――の5つの後続措置を履行するよう求める内容を決定文に盛り込んだ。
外交部当局者は「世界文化遺産委員会は登録された遺産をしっかり管理しているのか、また委員会の勧告を履行しているのかに対し2年ごとに点検する。今回強い遺憾を示して忠実な履行を促しただけに日本が今後も勧告を履行しなければさらに強力な圧迫がなされるだろう」と話した。日本が歪曲措置を是正しなければ2年ごとに恥をかくことになりかねないという意だ。
◇「文化遺産指定取り消し」書簡も
韓国政府は日本の後続措置未履行を問題視し続けてきた。東京情報センター開設後には外交部長官名義の書簡をユネスコ事務局長に書簡を送り「世界文化遺産指定取り消しの可能性を含めたあらゆることを考慮して日本が約束を履行できるよう措置を取ってほしい」と要請した。
ただ遺産そのものの本質的特性が完全に毀損されない限り世界文化遺産指定が取り消されたりはしない。外交部当局者は「ユネスコに尋ねたところ(日本の後続措置未履行は)こうした事例には該当しないと回答を受けた。指定取り消しはとても難しい」と説明した。
だが外交界では今回の警告措置そのものがユネスコが該当事案を厳重に受け止めているという意味と解釈している。外交消息筋は「トランプ政権時代に米国がユネスコを脱退してから分担金を多く出す日本の影響力は相対的に非常に大きかった。それでもこうした結果が出たのはこの問題を重要に考え注視し続けるという意志表明だ」と話した。
ユネスコ世界遺産委員会は12日、日本が2015年6月に「軍艦島」(端島)など7カ所の朝鮮人強制労働施設を含む23カ所の近代産業施設が世界文化遺産として登録された当時に約束した「犠牲者を記憶にとどめるための適切な対応」をまともに履行していないと指摘した。
この日公開された世界遺産委員会の決定文には、1940年代に該当施設で韓国人などが強制労働の被害を受けたという事実をしっかり伝えておらず、犠牲者に対する追悼措置もやはり不十分だったとされている。特に決定文には日本の後続措置未履行に対し「強い遺憾を示す」という表現が盛り込まれた。「強い遺憾」という表現自体も強度が高い上に通常は政治的な判断をしないユネスコがこのような形で事実上の警告をしたこともまた異例と評価される。日本としては東京五輪開幕をわずか11日後に控えて強制徴用問題で国際的に恥をかいた格好だ。
◇5年ぶりに約束守りながら不意打ち
世界遺産委員会がこのように強力な立場を盛り込んだ決定文を出したのは、日本が昨年6月に東京に産業遺産情報センターを開設し、強制徴用に対し歪曲に近い展示物を公開したことが発端になった。
当初日本は2015年に近代産業施設が世界文化遺産として登録される際に「(日本は)1940年代に一部施設で多くの韓国人などが『自身の意思に反して(against their will)』動員され苛酷な環境下で『強制的に労働した(forced to work)』事実があることを認識する」とし、「該当施設に情報センターなどを建てて犠牲者を記憶にとどめる」と約束した。
韓国が「反人道犯罪が強行された強制徴用施設7カ所は登録不可」と反対して国際世論戦を展開し、登録そのものが失敗に終わるかと一歩ずつ譲歩して合意した結果だった。登録はするものの歴史的事実は明確に伝えようとの趣旨から、日本が政府レベルで日帝強占期に韓国人の強制徴用があったと国際社会で認めたのは当時が事実上初めてだった。
だが日本は約束と違い軍艦島がある長崎ではなく東京に情報センターを作り、「朝鮮人に対する差別はなかった」「徴用者虐待はなかった」という住民の発言を公開するなど、強制徴用と関連した歴史的事実を歪曲する内容を堂々と展示した。これに対し国際的批判が出て、韓国政府も公式的な問題提起に出た。これに伴い、世界遺産委員会は6月にユネスコと国際記念物遺跡会議(ICOMOS)が共同で参加する調査団を設けて実態把握に乗り出した。
調査団は6月7日から3日間東京の産業遺産情報センター視察などを含めて後続措置の履行状況を点検した後、60ページにわたる報告書を完成した。世界遺産委員会はこれを根拠にこの日「強い遺憾」を示した決定文を確定した。
◇「強制労働犠牲事実看過」
報告書は日本が建てた東京の情報センターに対し、「遺産所在地から遠く離れたところに位置しており、韓国人など強制労働者が犠牲者という事実を看過した」と評価した。
また▽各施設全体の歴史を理解できるようにするための措置▽韓国人らに対する強制労働の事実と当時の日本政府の強制労働政策を伝える措置▽犠牲者を記憶にとどめるための適切な措置▽第2次世界大戦当時のドイツの強制労働後続措置など模範事例参照▽関連当事者との対話――の5つの後続措置を履行するよう求める内容を決定文に盛り込んだ。
外交部当局者は「世界文化遺産委員会は登録された遺産をしっかり管理しているのか、また委員会の勧告を履行しているのかに対し2年ごとに点検する。今回強い遺憾を示して忠実な履行を促しただけに日本が今後も勧告を履行しなければさらに強力な圧迫がなされるだろう」と話した。日本が歪曲措置を是正しなければ2年ごとに恥をかくことになりかねないという意だ。
◇「文化遺産指定取り消し」書簡も
韓国政府は日本の後続措置未履行を問題視し続けてきた。東京情報センター開設後には外交部長官名義の書簡をユネスコ事務局長に書簡を送り「世界文化遺産指定取り消しの可能性を含めたあらゆることを考慮して日本が約束を履行できるよう措置を取ってほしい」と要請した。
ただ遺産そのものの本質的特性が完全に毀損されない限り世界文化遺産指定が取り消されたりはしない。外交部当局者は「ユネスコに尋ねたところ(日本の後続措置未履行は)こうした事例には該当しないと回答を受けた。指定取り消しはとても難しい」と説明した。
だが外交界では今回の警告措置そのものがユネスコが該当事案を厳重に受け止めているという意味と解釈している。外交消息筋は「トランプ政権時代に米国がユネスコを脱退してから分担金を多く出す日本の影響力は相対的に非常に大きかった。それでもこうした結果が出たのはこの問題を重要に考え注視し続けるという意志表明だ」と話した。
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