11-13日に英国で開催された主要7カ国(G7)首脳会議の結果は、コミュニケ(共同声明)だけではない。参加国全体が合意した「開かれた社会声明」(Open Societies Statement)は、人権や民主主義など普遍的な価値を掲げて中国をう回的に牽制した。韓国もここに名を連ねた。
今回の「開かれた社会声明」は、G7の枠組みを越えて招待国にまで同じ声を出すようにした装置と見ることができる。「開かれた社会声明」と題した合意物自体が初めてだが、G7に加えて韓国など招待国4カ国も署名した。韓国政府は首脳会議の数カ月前から声明文案の作成に参加してきた。招待国まで含む一種の拡大共同声明を別に出したこと自体が異例という評価も出ている。
声明には人権、民主主義、法治、多国間主義などを守るための各国の約束が盛り込まれた。具体的には▼集会・結社の権利保護など民主主義▼集会・結社・宗教の自由▼オンラインおよびオフラインでの表現の自由--などの価値を強調している。原則的な話だが、米国はこれを中国を狙う基準として活用してきた。全体主義体制が人権など民主主義の核心価値を毀損しないよう民主主義国家が力を合わせようというのが、バイデン大統領の「価値外交」だ。
ただ、「開かれた社会」声明はコミュニケとは違い、「中国」という国名を取り上げたり、新疆ウイグル自治区・香港・台湾海峡など具体的な懸案に言及してはいない。しかしコミュニケよりも根本的な原則を盛り込んだ。コミュニケの趣旨を強化して正当性を付与するのが「開かれた社会」声明の目標ということだ。
コミュニケの序文5項も「G7にオーストラリア、インド、韓国、南アフリカの指導者が共に加わり、我々は開かれた社会の役割と価値に関する共同声明に合意した」と明示した。「開かれた社会声明」はコミュニケと区分される別途のメッセージではなく、相互補完的な性格であることを強調したのだ。
外交関係者の間では、G7の「開かれた社会声明」がコミュニケと共に今後の対中牽制政策の主要指針になるという見方が出ている。単なる「G7参加国は民主主義が重要だということに共感した」という政治的な宣言にとどまらないという解釈だ。
実際「開かれた社会声明」は、人権と民主主義に関する各国の約束を羅列した後、「我々は上記の約束をG20首脳会議、国連および民主主義のための首脳会議など多国間フォーラムで持続的に履行していくことを期待する」と明示した。声明に法的な拘束力があるわけではないが、韓国を含めて「開かれた社会声明」に参加した国が今後、中国も参加する主要20カ国・地域(G20)や国連会議などで対中国連携の根拠として活用される可能性があるということだ。
しかし韓国政府はG7の結果に中国牽制の性格はないと努めて一線を画している。政府関係者は14日(現地時間)、記者らに対し「(開かれた社会声明には)特定国を狙った内容はない」と説明した。声明に中国が直接的に明示されていないという点を強調したのだ。崔鍾文(チェ・ジョンムン)外交部第2次官も同日、メディアのインタビューで「G7と韓国、オーストラリア、インド、南アフリカの招待国の3回の会議では(中国問題に関する)議論はなかった」と述べた。
しかしこのようにG7首脳会議が終わるやいなや「韓国は中国牽制に参加しない」という態度で距離を置くのは、韓国が国際社会を対象にした約束の誠意の問題につながりかねないという指摘だ。
一部では「韓国が中国を意識してこうした態度を見せたところで、中国は韓国に感謝するのか」という反論も出ている。これに先立ち先月、韓米首脳は共同声明で中国に言及しなかったが、台湾海峡と南シナ海の問題が含まれた点だけでも、中国は「中国を狙ったものであることを知らないのではない」と反発した。
米国からは信頼を失い、中国には韓国を揺さぶることができるという誤った認識を抱かせるという指摘が出る理由だ。西江大の金英秀(キム・ヨンス)政治外交学科教授は「中国は今回のG7首脳会議をきっかけに韓国が米中間で設定した大きな方向性を把握したはず」とし「もう韓国も韓中国関係に対する過度な期待をたたんで現実的な接近をすべき」と分析した。
また「開かれた社会声明」が今後、バイデン政権がG7の拡張形態として構想するD10(民主主義10カ国)またはD11協議体のガイドラインになる可能性があるだけに、韓国がその重みを慎重に考慮する必要があるという分析も出ている。
峨山政策研究院の崔剛(チェ・ガン)副院長は「バイデン政権はトランプ政権当時の一方的な強要による外交とは違い、多国間主義に基づいた制度化された外交政策を推進している」とし「ここに韓国がどう呼応するかが、自由民主主義陣営と国際社会で韓国のアイデンティティーを規定する指標になるだろう」と分析した。
今回の「開かれた社会声明」は、G7の枠組みを越えて招待国にまで同じ声を出すようにした装置と見ることができる。「開かれた社会声明」と題した合意物自体が初めてだが、G7に加えて韓国など招待国4カ国も署名した。韓国政府は首脳会議の数カ月前から声明文案の作成に参加してきた。招待国まで含む一種の拡大共同声明を別に出したこと自体が異例という評価も出ている。
声明には人権、民主主義、法治、多国間主義などを守るための各国の約束が盛り込まれた。具体的には▼集会・結社の権利保護など民主主義▼集会・結社・宗教の自由▼オンラインおよびオフラインでの表現の自由--などの価値を強調している。原則的な話だが、米国はこれを中国を狙う基準として活用してきた。全体主義体制が人権など民主主義の核心価値を毀損しないよう民主主義国家が力を合わせようというのが、バイデン大統領の「価値外交」だ。
ただ、「開かれた社会」声明はコミュニケとは違い、「中国」という国名を取り上げたり、新疆ウイグル自治区・香港・台湾海峡など具体的な懸案に言及してはいない。しかしコミュニケよりも根本的な原則を盛り込んだ。コミュニケの趣旨を強化して正当性を付与するのが「開かれた社会」声明の目標ということだ。
コミュニケの序文5項も「G7にオーストラリア、インド、韓国、南アフリカの指導者が共に加わり、我々は開かれた社会の役割と価値に関する共同声明に合意した」と明示した。「開かれた社会声明」はコミュニケと区分される別途のメッセージではなく、相互補完的な性格であることを強調したのだ。
外交関係者の間では、G7の「開かれた社会声明」がコミュニケと共に今後の対中牽制政策の主要指針になるという見方が出ている。単なる「G7参加国は民主主義が重要だということに共感した」という政治的な宣言にとどまらないという解釈だ。
実際「開かれた社会声明」は、人権と民主主義に関する各国の約束を羅列した後、「我々は上記の約束をG20首脳会議、国連および民主主義のための首脳会議など多国間フォーラムで持続的に履行していくことを期待する」と明示した。声明に法的な拘束力があるわけではないが、韓国を含めて「開かれた社会声明」に参加した国が今後、中国も参加する主要20カ国・地域(G20)や国連会議などで対中国連携の根拠として活用される可能性があるということだ。
しかし韓国政府はG7の結果に中国牽制の性格はないと努めて一線を画している。政府関係者は14日(現地時間)、記者らに対し「(開かれた社会声明には)特定国を狙った内容はない」と説明した。声明に中国が直接的に明示されていないという点を強調したのだ。崔鍾文(チェ・ジョンムン)外交部第2次官も同日、メディアのインタビューで「G7と韓国、オーストラリア、インド、南アフリカの招待国の3回の会議では(中国問題に関する)議論はなかった」と述べた。
しかしこのようにG7首脳会議が終わるやいなや「韓国は中国牽制に参加しない」という態度で距離を置くのは、韓国が国際社会を対象にした約束の誠意の問題につながりかねないという指摘だ。
一部では「韓国が中国を意識してこうした態度を見せたところで、中国は韓国に感謝するのか」という反論も出ている。これに先立ち先月、韓米首脳は共同声明で中国に言及しなかったが、台湾海峡と南シナ海の問題が含まれた点だけでも、中国は「中国を狙ったものであることを知らないのではない」と反発した。
米国からは信頼を失い、中国には韓国を揺さぶることができるという誤った認識を抱かせるという指摘が出る理由だ。西江大の金英秀(キム・ヨンス)政治外交学科教授は「中国は今回のG7首脳会議をきっかけに韓国が米中間で設定した大きな方向性を把握したはず」とし「もう韓国も韓中国関係に対する過度な期待をたたんで現実的な接近をすべき」と分析した。
また「開かれた社会声明」が今後、バイデン政権がG7の拡張形態として構想するD10(民主主義10カ国)またはD11協議体のガイドラインになる可能性があるだけに、韓国がその重みを慎重に考慮する必要があるという分析も出ている。
峨山政策研究院の崔剛(チェ・ガン)副院長は「バイデン政権はトランプ政権当時の一方的な強要による外交とは違い、多国間主義に基づいた制度化された外交政策を推進している」とし「ここに韓国がどう呼応するかが、自由民主主義陣営と国際社会で韓国のアイデンティティーを規定する指標になるだろう」と分析した。
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