「世界10強に入った大韓民国の文明国としての威信は地に落ちて…(中略)…米国との関係毀損にまでつながり、憲法上の『安全保障』を損なう可能性を排除することはできない」
ソウル中央地方法院(地裁)民事合議34部(部長判事キム・ヤンホ)は7日、強制徴用被害者・遺族85人が日本企業を相手取り起こした損害賠償請求訴訟を却下し、判決文にこのような内容を入れた。
裁判所が法理の検討結果以外に、もしもの状況を仮定して、これに伴う外交的な影響を懸念する内容まで判決文に含めたのは異例だ。
◆外交的な波紋・展望まで入れた判決文
判決文で明らかになった裁判所の論理は「強制徴用被害者の請求権認定→日本の反発および国際司法裁判所(ICJ)付託→韓国敗訴→韓日関係の悪化→韓米同盟の毀損→安全保障の毀損」の順に展開する。特に裁判所は韓日関係の悪化を懸念する部分に「分断国の現実」と「世界4強の強大国の間に位置した地政学的状況」にまで言及した。南北分断状況に加えて強大国の間に置かれた韓国の地政学的条件を勘案すると、韓日関係が損なわれることは収拾不可能な外交的波紋を引き起こす可能性があるという趣旨だった。
裁判所はまた、判決によって韓日関係が悪化する場合、韓米同盟まで損なわれかねない点を強調した。この場合、安全保障・秩序維持など憲法上の価値が侵害される結果につながる恐れがあるというのが裁判所の見解だった。今回の判決が強制徴用被害者の請求権を認めるかどうかに対する法理的判断を越えて、その裏に隠れている国際・外交・安保的波紋まで考慮した判断という点を裁判所が自ら表明したといえる。
◆「ICJですべて勝訴しても得るものはない」
裁判所は特に、日本側の反発で強制徴用など韓日葛藤事案がICJに付託される状況を仮定して多角的に分析した。
裁判所はまず、強制徴用事件のICJ付託に関連して「大韓民国司法府の判決、特に最終審である大法院の判決が、国際仲裁または国際裁判の対象になること自体だけでも司法の信頼に傷がつく」と懸念した。韓国大法院は2018年10月に強制徴用被害者に対する日本企業の賠償責任を認めたが、このような判断が改めてICJで扱われる状況自体を避けなければならないという趣旨だった。しかもICJで大法院判決が韓日請求権協定に違反したと判断する場合、司法の信頼は「致命的な傷」を負う可能性が高いと判断した。
裁判所はまた、強制徴用被害に加えて韓日間の独島(トクド、日本名・竹島)領有権紛争および慰安婦問題にも言及して「三事案はすべて、またはそのうちの一部でも国際裁判に付託されれば、大韓民国としてはすべての事案で勝訴しても得るものはないか、あるいは国際関係の行き詰まりで損害になる反面、一事案でも敗訴すれば国の品格および国益に致命的な傷を負うのは明白だ」と判断した。
◆「外交的解決法」再び?
外交安保専門家の相当数は今回の判決を通じて強制徴用問題を巡る国内法と国際法の衝突から生まれた混乱はひとまず収拾することができるとみている。国際法的に日本の植民支配および強制徴用の不法性が現実的だと認められたことがない状況で、大法院が2018年の判決を通じて国内法的な視角からこれを認めて日本企業の賠償責任を規定し、法的混乱が続いてきたということだ。
聖公会(ソンゴンフェ)大学日本学科の梁起豪(ヤン・ギホ)教授は「韓日請求権協定という国際法上の条約により、強制徴用に関連した個人の請求権および訴権の行使可能の有無は国際法に帰属する」とし「今回の却下判決は、結局、個人の請求権はあるが韓日請求権協定により訴訟権限は消滅したという日本最高裁判所の判決と同じ結論」と話した。
実際、裁判所は2018年大法院判決に対して「植民支配の不法性と(強制)徴用の不法性を前提としている、このような判決は国内法的解釈にすぎない」と判断した。あわせて「国内法的な事情だけで『条約』に該当する請求権協定の不履行を正当化することはできない」と判示した。
申ガク秀(シン・ガクス)元駐日大使は「今回の判決の要旨は、韓日請求権協定によって強制徴用賠償に対する問題が最終的に解決された状況で、改めて韓国司法府が国内法を根拠に強制徴用の不法性を認めて訴訟を通じて請求権を行使することはできないということ」と説明した。
ソウル中央地方法院(地裁)民事合議34部(部長判事キム・ヤンホ)は7日、強制徴用被害者・遺族85人が日本企業を相手取り起こした損害賠償請求訴訟を却下し、判決文にこのような内容を入れた。
裁判所が法理の検討結果以外に、もしもの状況を仮定して、これに伴う外交的な影響を懸念する内容まで判決文に含めたのは異例だ。
◆外交的な波紋・展望まで入れた判決文
判決文で明らかになった裁判所の論理は「強制徴用被害者の請求権認定→日本の反発および国際司法裁判所(ICJ)付託→韓国敗訴→韓日関係の悪化→韓米同盟の毀損→安全保障の毀損」の順に展開する。特に裁判所は韓日関係の悪化を懸念する部分に「分断国の現実」と「世界4強の強大国の間に位置した地政学的状況」にまで言及した。南北分断状況に加えて強大国の間に置かれた韓国の地政学的条件を勘案すると、韓日関係が損なわれることは収拾不可能な外交的波紋を引き起こす可能性があるという趣旨だった。
裁判所はまた、判決によって韓日関係が悪化する場合、韓米同盟まで損なわれかねない点を強調した。この場合、安全保障・秩序維持など憲法上の価値が侵害される結果につながる恐れがあるというのが裁判所の見解だった。今回の判決が強制徴用被害者の請求権を認めるかどうかに対する法理的判断を越えて、その裏に隠れている国際・外交・安保的波紋まで考慮した判断という点を裁判所が自ら表明したといえる。
◆「ICJですべて勝訴しても得るものはない」
裁判所は特に、日本側の反発で強制徴用など韓日葛藤事案がICJに付託される状況を仮定して多角的に分析した。
裁判所はまず、強制徴用事件のICJ付託に関連して「大韓民国司法府の判決、特に最終審である大法院の判決が、国際仲裁または国際裁判の対象になること自体だけでも司法の信頼に傷がつく」と懸念した。韓国大法院は2018年10月に強制徴用被害者に対する日本企業の賠償責任を認めたが、このような判断が改めてICJで扱われる状況自体を避けなければならないという趣旨だった。しかもICJで大法院判決が韓日請求権協定に違反したと判断する場合、司法の信頼は「致命的な傷」を負う可能性が高いと判断した。
裁判所はまた、強制徴用被害に加えて韓日間の独島(トクド、日本名・竹島)領有権紛争および慰安婦問題にも言及して「三事案はすべて、またはそのうちの一部でも国際裁判に付託されれば、大韓民国としてはすべての事案で勝訴しても得るものはないか、あるいは国際関係の行き詰まりで損害になる反面、一事案でも敗訴すれば国の品格および国益に致命的な傷を負うのは明白だ」と判断した。
◆「外交的解決法」再び?
外交安保専門家の相当数は今回の判決を通じて強制徴用問題を巡る国内法と国際法の衝突から生まれた混乱はひとまず収拾することができるとみている。国際法的に日本の植民支配および強制徴用の不法性が現実的だと認められたことがない状況で、大法院が2018年の判決を通じて国内法的な視角からこれを認めて日本企業の賠償責任を規定し、法的混乱が続いてきたということだ。
聖公会(ソンゴンフェ)大学日本学科の梁起豪(ヤン・ギホ)教授は「韓日請求権協定という国際法上の条約により、強制徴用に関連した個人の請求権および訴権の行使可能の有無は国際法に帰属する」とし「今回の却下判決は、結局、個人の請求権はあるが韓日請求権協定により訴訟権限は消滅したという日本最高裁判所の判決と同じ結論」と話した。
実際、裁判所は2018年大法院判決に対して「植民支配の不法性と(強制)徴用の不法性を前提としている、このような判決は国内法的解釈にすぎない」と判断した。あわせて「国内法的な事情だけで『条約』に該当する請求権協定の不履行を正当化することはできない」と判示した。
申ガク秀(シン・ガクス)元駐日大使は「今回の判決の要旨は、韓日請求権協定によって強制徴用賠償に対する問題が最終的に解決された状況で、改めて韓国司法府が国内法を根拠に強制徴用の不法性を認めて訴訟を通じて請求権を行使することはできないということ」と説明した。
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