3月10日、米ホワイトハウス。バイデン大統領は米国が新型コロナワクチンを他国に供給できない理由をこう説明した。
「我々は米国人をまず確実にケアすることから始める。それから他国を助けるために努力する」。ワクチン海外支援に言及したが、傍点は米国人のワクチン接種を優先するというところに打たれていた。
昨年12月に米国で新型コロナワクチン接種を始めて以降、バイデン政権は自国民のワクチン接種が最優先課題だと明らかにしてきた。
米国は成人人口の3倍の7億5000万人が接種できるワクチンを製薬会社6社と契約した。また米国に優先的に供給されるようにして批判を受けた。
バイデン政権が米国優先主義を標ぼうしたトランプ前政権と変わらないという指摘が出た理由だ。ワクチンを分け合うべきという国際社会の圧力が強まると、結局、バイデン政権は近隣諸国などへの支援に着手した。
3月18日に米国が使用しないアストラゼネカ製ワクチンをカナダとメキシコにそれぞれ150万回分、250万回分を「貸与」すると発表した。4月25日にはアストラゼネカ製ワクチン6000万回分を世界に供給すると明らかにした。
5月17日には米国が使用中のファイザー、モデルナ、ヤンセンのワクチン2000万回分の供与も伝えた。成人の半分以上が1回以上ワクチンを接種した中、接種ペースが落ちた中での決断だった。
外部の要因もあった。米国がためらう間、中国とロシアがワクチン不足に苦しむ国にワクチンを支援し、影響力を強めた。
ワシントンのシンクタンク「アトランティックカウンシル」によると、中国はワクチン1億660万回分を海外に支援した。69カ国に無償支援し、28カ国に輸出した。ロシアは40カ国以上と輸出契約を結んだ。
さらに先月7日にはシノファームのワクチンが中国で初めて世界保健機関(WHO)から緊急承認を受けた。今月4日にはシノバックのワクチンも承認された。中国のワクチンもWHOなどが運営する世界ワクチン共同分配プロジェクトのCOVAXを通じて配布できることになり、米ワクチンとシェア競争ができる状況になった。
バイデン大統領は3日、まず2500万回分の配分先を発表した。75%の1900万回分はCOVAXを通じてラテンアメリカ(700万回分)、南アジア(700万回分)、アフリカ(500万回分)に提供する。
25%の600万回分は米国が韓国、メキシコ、カナダなどに直接支援する。5日未明に韓国に到着したヤンセンのワクチン101万回分がここに含まれる。
バイデン政権はワクチン提供の対価として政治的な利益を要求しないと強調する。ブリンケン国務長官はCNNスペイン語版のインタビューで「ワクチンを提供する数カ国とは違い、我々はいかなる政治的条件もない」と述べた。
サリバン大統領補佐官(国家安全保障担当)は「我々は譲歩を得ようとはしない。(ワクチンを)提供する他の国々のように条件を付けたりしない」と話した。中国とロシアのことだ。
米国務省のゲイル・スミス・グローバル新型コロナ対応調整官も「政治的な好意を得るためにするのではない。我々の目標はパンデミックを収束させ、できるだけ迅速に(ワクチン)供給を最大化すること」と述べた。
対価性は強く否認したが、米国の影響力を拡大しようとする意図は隠さなかった。バイデン大統領はファイザー、モデルナ、ヤンセンのワクチン海外供与を発表しながら「我々の価値と革新と独創性、そして米国国民の根本的な品位を見せることで世界をリードすることを望む」と明らかにした。
【コラム】バイデンが韓国に送ったヤンセン製ワクチン101万回分、請求書は?(2)
「我々は米国人をまず確実にケアすることから始める。それから他国を助けるために努力する」。ワクチン海外支援に言及したが、傍点は米国人のワクチン接種を優先するというところに打たれていた。
昨年12月に米国で新型コロナワクチン接種を始めて以降、バイデン政権は自国民のワクチン接種が最優先課題だと明らかにしてきた。
米国は成人人口の3倍の7億5000万人が接種できるワクチンを製薬会社6社と契約した。また米国に優先的に供給されるようにして批判を受けた。
バイデン政権が米国優先主義を標ぼうしたトランプ前政権と変わらないという指摘が出た理由だ。ワクチンを分け合うべきという国際社会の圧力が強まると、結局、バイデン政権は近隣諸国などへの支援に着手した。
3月18日に米国が使用しないアストラゼネカ製ワクチンをカナダとメキシコにそれぞれ150万回分、250万回分を「貸与」すると発表した。4月25日にはアストラゼネカ製ワクチン6000万回分を世界に供給すると明らかにした。
5月17日には米国が使用中のファイザー、モデルナ、ヤンセンのワクチン2000万回分の供与も伝えた。成人の半分以上が1回以上ワクチンを接種した中、接種ペースが落ちた中での決断だった。
外部の要因もあった。米国がためらう間、中国とロシアがワクチン不足に苦しむ国にワクチンを支援し、影響力を強めた。
ワシントンのシンクタンク「アトランティックカウンシル」によると、中国はワクチン1億660万回分を海外に支援した。69カ国に無償支援し、28カ国に輸出した。ロシアは40カ国以上と輸出契約を結んだ。
さらに先月7日にはシノファームのワクチンが中国で初めて世界保健機関(WHO)から緊急承認を受けた。今月4日にはシノバックのワクチンも承認された。中国のワクチンもWHOなどが運営する世界ワクチン共同分配プロジェクトのCOVAXを通じて配布できることになり、米ワクチンとシェア競争ができる状況になった。
バイデン大統領は3日、まず2500万回分の配分先を発表した。75%の1900万回分はCOVAXを通じてラテンアメリカ(700万回分)、南アジア(700万回分)、アフリカ(500万回分)に提供する。
25%の600万回分は米国が韓国、メキシコ、カナダなどに直接支援する。5日未明に韓国に到着したヤンセンのワクチン101万回分がここに含まれる。
バイデン政権はワクチン提供の対価として政治的な利益を要求しないと強調する。ブリンケン国務長官はCNNスペイン語版のインタビューで「ワクチンを提供する数カ国とは違い、我々はいかなる政治的条件もない」と述べた。
サリバン大統領補佐官(国家安全保障担当)は「我々は譲歩を得ようとはしない。(ワクチンを)提供する他の国々のように条件を付けたりしない」と話した。中国とロシアのことだ。
米国務省のゲイル・スミス・グローバル新型コロナ対応調整官も「政治的な好意を得るためにするのではない。我々の目標はパンデミックを収束させ、できるだけ迅速に(ワクチン)供給を最大化すること」と述べた。
対価性は強く否認したが、米国の影響力を拡大しようとする意図は隠さなかった。バイデン大統領はファイザー、モデルナ、ヤンセンのワクチン海外供与を発表しながら「我々の価値と革新と独創性、そして米国国民の根本的な品位を見せることで世界をリードすることを望む」と明らかにした。
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