「価格は関係ありません。台湾のファウンドリー(半導体受託生産)企業が注文だけでも受けてくれれば良いです」。
最近会った有名ファブレス(半導体設計専門企業)A社の代表は「半導体を売りたくても物がなくて売れない」としてこうした心境を吐露した。ファブレスは半導体設計と販売を専門にするため、注文通りの製品を生産するファウンドリーの確保が必須だ。世界的な半導体品薄でファウンドリーには注文があふれている。A社は最近取引した台湾のファウンドリー企業から「希望するほどは作れない」という通知を受けた。
◇市場でますます拡大する台湾ファブレスの位置付け
6日の半導体業界によると、最近ファブレス企業の間で「ファウンドリー確保」が業績を左右する核心要因に浮上した。ファウンドリーのキャパ(生産能力)確保競争が「国家対抗戦」の性格に広がる様相だ。台湾でこうした雰囲気が目立つ。TSMCやUMCなど台湾のファウンドリー企業が生産ラインをメディアテックやノバテックなど自国のファブレスに集中する傾向が強まっているという。台湾政府が自国のファウンドリー企業に「台湾のファブレスの注文から受けよ」と圧迫した影響と分析される。
自国政府とファウンドリーの強力な支援を受けた台湾ファブレスの位置付けが強まっているのは業績に現れる。韓国経済新聞が韓国と台湾のファブレスのうちそれぞれ上位5社の今年1-3月期と昨年1-3月期の業績を比較した結果、売り上げ格差が大きく広がった。メディアテック、ノバテック、リアルテックなど台湾ファブレス5社の1-3月期売り上げ総額は6兆3820億ウォンで、シリコンワークスなど韓国上位5社の売り上げ総額6513億ウォンより5兆7307億ウォン(880%)多い。昨年1-3月期には台湾が3兆8030億ウォン、韓国が4436億ウォンで格差は3兆3594億ウォン水準だった。業界ではファブレスの「ファウンドリー確保能力」、すなわち半導体受注量確保の有無を売り上げ格差の原因に挙げる。
台湾ファブレストップのメディアテックは今年1-3月期に初めて「半導体売り上げ世界10位」に含まれる成果も出した。前年同期の順位は16位だった。世界的な品薄で半導体価格が上がっているが、この恩恵を全て台湾のファブレスだけが享受していると分析される。
◇差別を受ける韓国のファブレス
これに対し韓国ファブレスは台湾ファウンドリーに注文を入れるのが「空の星を取るように」難しい水準だ。ある韓国ファブレス関係者は「韓国企業が差別を受けている状況」と伝えた。台湾企業の世界ファウンドリー市場シェアは2020年売り上げ基準で64%と、韓国の17%、中国の6%を圧倒する。市場主導権を握った台湾のファウンドリー企業が注文を拒否すればファブレスは「営業不能」状況になる。
韓国ファブレスは韓国のファウンドリー企業に頼ることもできない状況だ。1-3月期基準でファウンドリーシェア18%と世界2位のサムスン電子ファウンドリー事業部はクアルコム、エヌビディアなど米大手ファブレスの注文をこなすため一部自社製品すら生産できずにいる。4月に開かれた業績説明会でサムスン電子システムLSI事業部が「ファウンドリー生産の支障でモバイルDDI(ディスプレー駆動チップ)供給が円滑でなく業績が停滞した」と説明したほどだ。
事実上韓国のファブレスが使える戦略は台湾のファウンドリーを訪ねて「泣訴」することだけだが出張も容易ではない。韓国政府は産業界の要請を受け入れ3月から海外出張企業のワクチン優先接種制度を施行中だ。だが「重要経済活動」のため出張に行くということを立証するのが容易でなく、2カ月前に申し込まなければならない。
専門家らはファウンドリー設備投資に対するインセンティブ拡大とファウンドリー中心の半導体生態系作りが至急だと指摘する。ファウンドリー企業が積極的に施設投資に出られるよう税額控除率をさらに引き上げるべきという話が出ている。韓国政府は先月13日に半導体育成戦略を発表し、大企業の設備投資税額控除率をこれまでの6%から10%に引き上げたが、これは半導体産業協会が要請した50%だけでなく米国の40%とも格差が大きい。
最近会った有名ファブレス(半導体設計専門企業)A社の代表は「半導体を売りたくても物がなくて売れない」としてこうした心境を吐露した。ファブレスは半導体設計と販売を専門にするため、注文通りの製品を生産するファウンドリーの確保が必須だ。世界的な半導体品薄でファウンドリーには注文があふれている。A社は最近取引した台湾のファウンドリー企業から「希望するほどは作れない」という通知を受けた。
◇市場でますます拡大する台湾ファブレスの位置付け
6日の半導体業界によると、最近ファブレス企業の間で「ファウンドリー確保」が業績を左右する核心要因に浮上した。ファウンドリーのキャパ(生産能力)確保競争が「国家対抗戦」の性格に広がる様相だ。台湾でこうした雰囲気が目立つ。TSMCやUMCなど台湾のファウンドリー企業が生産ラインをメディアテックやノバテックなど自国のファブレスに集中する傾向が強まっているという。台湾政府が自国のファウンドリー企業に「台湾のファブレスの注文から受けよ」と圧迫した影響と分析される。
自国政府とファウンドリーの強力な支援を受けた台湾ファブレスの位置付けが強まっているのは業績に現れる。韓国経済新聞が韓国と台湾のファブレスのうちそれぞれ上位5社の今年1-3月期と昨年1-3月期の業績を比較した結果、売り上げ格差が大きく広がった。メディアテック、ノバテック、リアルテックなど台湾ファブレス5社の1-3月期売り上げ総額は6兆3820億ウォンで、シリコンワークスなど韓国上位5社の売り上げ総額6513億ウォンより5兆7307億ウォン(880%)多い。昨年1-3月期には台湾が3兆8030億ウォン、韓国が4436億ウォンで格差は3兆3594億ウォン水準だった。業界ではファブレスの「ファウンドリー確保能力」、すなわち半導体受注量確保の有無を売り上げ格差の原因に挙げる。
台湾ファブレストップのメディアテックは今年1-3月期に初めて「半導体売り上げ世界10位」に含まれる成果も出した。前年同期の順位は16位だった。世界的な品薄で半導体価格が上がっているが、この恩恵を全て台湾のファブレスだけが享受していると分析される。
◇差別を受ける韓国のファブレス
これに対し韓国ファブレスは台湾ファウンドリーに注文を入れるのが「空の星を取るように」難しい水準だ。ある韓国ファブレス関係者は「韓国企業が差別を受けている状況」と伝えた。台湾企業の世界ファウンドリー市場シェアは2020年売り上げ基準で64%と、韓国の17%、中国の6%を圧倒する。市場主導権を握った台湾のファウンドリー企業が注文を拒否すればファブレスは「営業不能」状況になる。
韓国ファブレスは韓国のファウンドリー企業に頼ることもできない状況だ。1-3月期基準でファウンドリーシェア18%と世界2位のサムスン電子ファウンドリー事業部はクアルコム、エヌビディアなど米大手ファブレスの注文をこなすため一部自社製品すら生産できずにいる。4月に開かれた業績説明会でサムスン電子システムLSI事業部が「ファウンドリー生産の支障でモバイルDDI(ディスプレー駆動チップ)供給が円滑でなく業績が停滞した」と説明したほどだ。
事実上韓国のファブレスが使える戦略は台湾のファウンドリーを訪ねて「泣訴」することだけだが出張も容易ではない。韓国政府は産業界の要請を受け入れ3月から海外出張企業のワクチン優先接種制度を施行中だ。だが「重要経済活動」のため出張に行くということを立証するのが容易でなく、2カ月前に申し込まなければならない。
専門家らはファウンドリー設備投資に対するインセンティブ拡大とファウンドリー中心の半導体生態系作りが至急だと指摘する。ファウンドリー企業が積極的に施設投資に出られるよう税額控除率をさらに引き上げるべきという話が出ている。韓国政府は先月13日に半導体育成戦略を発表し、大企業の設備投資税額控除率をこれまでの6%から10%に引き上げたが、これは半導体産業協会が要請した50%だけでなく米国の40%とも格差が大きい。
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