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【グローバルアイ】東京五輪を諦められない本当の理由

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
日本政府関係者たちの間で「X-day」という言葉が飛び交っているという。東京オリンピック(五輪)中止を宣言する日を意味するもので、同時に菅義偉首相が辞任する日を意味するのはもちろんだ。「ひとまず五輪が始まれば雰囲気は変わる」という予測は徐々に外れていっている。五輪ムードに乗って自民党総裁選の再選、衆議院選挙圧勝まで計算していた菅首相の夢も白昼夢で終わりそうだ。

この1~2カ月の間に状況は180度変わった。31日に発表された世論調査で、菅内閣の支持率は前月に比べて7%ポイント落ちた40%を記録した。日本経済新聞は「1945年の敗戦、90年代の経済敗戦、そしてこんどが3度目のコロナ敗戦」としながら政府の新型コロナウイルス(新型肺炎)対策を辛らつに批判した。

すべての状況が五輪中止を示しているが、それでもX-dayは来ない可能性が高いとみられる。五輪開催が新型コロナ拡大に大きな影響がないというのが菅政権の基本認識だ。五輪期間中、日本を訪れる人員は当初の半分水準の10万人以下で、彼らさえも「バブル」の中で計画通り動く。「数回のテスト大会を開いたが、それによってコロナが拡大したという証拠はない」という説明も付け加える。


それでも国民が不安に思う理由は「政府のコミュニケーション不足」「不安を助長する一部メディアが問題」(官邸関係者)という認識が強い。故障した録音機のように「安全・安心な大会を開催」という言葉ばかりを繰り返す菅首相の疎通能力不足を恨む論調が、五輪開催を支持するメディアを中心に現れているのも同じ背景だ。

万に一つ東京五輪を中止する場合、半年後の北京冬季五輪が正常に開かれる状況は日本としては考えるだけでも嫌な想像だ。「コロナに打ち勝った証し」を中国に奪われるだけに終わらない。政策研究大学院大学副学長の道下徳成氏は「東京五輪が中止になり、半年後の北京冬季五輪が開かれるなら『日本は沈みゆく太陽、中国は天に昇る竜』というストーリーで、アジアのパワーシフト(Power shift)の象徴的事件になるだろう」と話した。東日本大震災被害を克服してアジアナンバーワンに再飛躍しようとしていた構想が、パワーゲームの完ぺきな敗北に転落するのは恐ろしいシナリオだ。

菅政権としては五輪強行を求める保守右翼勢力と一般国民の感情が正反対を示していて選択が難しい立場だ。安倍氏のようにコンクリート支持層のない菅政権は世論の支持がすなわち全てだ。混沌の時間をどのように克服するのか、五輪開幕まで残された時間は52日しかない。

ユン・ソルヨン/東京特派員



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