韓国銀行(韓銀)が解く通貨政策が難解な高次方程式になっている。韓国経済の弱点である家計負債の爆発力がさらに高まったからだ。1-3月期の家計の負債が1765兆ウォン(約171兆円)を超えた。資産市場の過熱の影響だ。
韓銀によると、3月末基準で家計信用の残額は約1765兆ウォン。住宅担保ローン(931兆ウォン)と信用貸付を含むその他貸付(735兆ウォン)などを合わせた数値で、前年同期比154兆ウォン(9.5%)増、前期比37兆6000億ウォン(2.2%)増となった。家計信用は、家計が銀行や保険など金融機関から借りた資金(家計貸付)とクレジットカード使用額など(販売信用)を合わせたもので、全般的な家計負債状況を表す指標だ。
韓銀のソン・ジェチャン金融筋桂チーム長は「昨年1-3月期以降、住宅売買資金・保証金の需要が続いて住宅担保貸付が増え、新型コロナ事態の長期化による生活資金の需要と株式投資の需要が発生した影響」と説明した。
経済規模が膨らめば自然に負債も増える。負債の総量が大きくなり、増加幅も過去最大を更新した。問題はその速度だ。1-3月期の家計の負債増加率は前年同期比9.5%だった。金融委員会が設定した今年の管理目標値(5-6%)を大きく上回る。
さらに市中金利が上昇している。貸付金利の先行指標である国債3年物の利回りは25日、年1.142%となった。年初(1月4日0.954%)と比較すると0.188ポイント上昇している。さらに大きな問題は、金利の変動に脆弱な韓国の家計負債構造にある。韓銀によると、3月基準の銀行貸付(残額基準)で変動金利が占める割合は70.5%にのぼる。利上げが本格化すれば家計の負債がその直撃弾を受けるということだ。通貨政策をめぐる韓銀の算法が複雑になるしかない理由だ。景気は回復傾向にある。韓銀が27日に出す経済修正予測値にもこうした雰囲気が反映される。3.0%と予想していた今年の成長率予測値は3%台後半に、1.3%と見込んでいた物価上昇率も1%台後半に上方修正されると予想される。韓国経済の成長エンジンの輸出も先月、10年ぶりの最大増加率となった。消費心理も5カ月連続で改善している。
物価上昇圧力は強まっている。先月の消費者物価指数(CPI)は1年前に比べて2.3%上昇し、3年8カ月ぶりに最高値となった。CPIの先行指標である生産者物価指数(PPI)も先月5.6%上昇し、インフレ懸念を強めた。5月の期待インフレ率も2.2%だった。
米国の通貨政策方向が変わる兆候も表れている。最近公開された米連邦公開市場委員会(FOMC)の4月の議事録で、米連邦準備制度理事会(FRB)が資産購入のテーパリング(段階的縮小)に関する議論を始める可能性があると明らかにした。緊縮に向かう扉を開け始めたという診断があった。
あふれる流動性による不動産・株式市場、暗号通貨など資産市場の過熱による金融市場の不安感も強まっている。韓銀金融通貨委員会の内部でもこうした問題意識が提起された。4日に公開された4月の金融通貨委員会議事録によると、ある委員は「緩和的金融状況が持続し、民間部門のレバレッジング(借入金)拡大誘引として作用している」とし「金融不均衡累積リスクに対する警戒をさらに強化する必要がある」と述べた。
とはいえ、緊縮モードへの転換は回復軌道に乗り始めた景気に冷や水を浴びせかねないため、韓銀は慎重にならざるを得ない。通貨政策をめぐる高次方程式を解く最初の試験は27日に開かれる金融通貨委員会だ。
漢陽大のハ・ジュンギョン経済学科教授は「家計の負債急増をあらかじめ管理しなければ、利上げの衝撃に無防備になる」とし「韓銀が強い緊縮シグナル(信号)よりは『現在の通貨緩和の程度が過度であるため注視する』という程度のメッセージを伝える必要がある」と話した。
韓銀によると、3月末基準で家計信用の残額は約1765兆ウォン。住宅担保ローン(931兆ウォン)と信用貸付を含むその他貸付(735兆ウォン)などを合わせた数値で、前年同期比154兆ウォン(9.5%)増、前期比37兆6000億ウォン(2.2%)増となった。家計信用は、家計が銀行や保険など金融機関から借りた資金(家計貸付)とクレジットカード使用額など(販売信用)を合わせたもので、全般的な家計負債状況を表す指標だ。
韓銀のソン・ジェチャン金融筋桂チーム長は「昨年1-3月期以降、住宅売買資金・保証金の需要が続いて住宅担保貸付が増え、新型コロナ事態の長期化による生活資金の需要と株式投資の需要が発生した影響」と説明した。
経済規模が膨らめば自然に負債も増える。負債の総量が大きくなり、増加幅も過去最大を更新した。問題はその速度だ。1-3月期の家計の負債増加率は前年同期比9.5%だった。金融委員会が設定した今年の管理目標値(5-6%)を大きく上回る。
さらに市中金利が上昇している。貸付金利の先行指標である国債3年物の利回りは25日、年1.142%となった。年初(1月4日0.954%)と比較すると0.188ポイント上昇している。さらに大きな問題は、金利の変動に脆弱な韓国の家計負債構造にある。韓銀によると、3月基準の銀行貸付(残額基準)で変動金利が占める割合は70.5%にのぼる。利上げが本格化すれば家計の負債がその直撃弾を受けるということだ。通貨政策をめぐる韓銀の算法が複雑になるしかない理由だ。景気は回復傾向にある。韓銀が27日に出す経済修正予測値にもこうした雰囲気が反映される。3.0%と予想していた今年の成長率予測値は3%台後半に、1.3%と見込んでいた物価上昇率も1%台後半に上方修正されると予想される。韓国経済の成長エンジンの輸出も先月、10年ぶりの最大増加率となった。消費心理も5カ月連続で改善している。
物価上昇圧力は強まっている。先月の消費者物価指数(CPI)は1年前に比べて2.3%上昇し、3年8カ月ぶりに最高値となった。CPIの先行指標である生産者物価指数(PPI)も先月5.6%上昇し、インフレ懸念を強めた。5月の期待インフレ率も2.2%だった。
米国の通貨政策方向が変わる兆候も表れている。最近公開された米連邦公開市場委員会(FOMC)の4月の議事録で、米連邦準備制度理事会(FRB)が資産購入のテーパリング(段階的縮小)に関する議論を始める可能性があると明らかにした。緊縮に向かう扉を開け始めたという診断があった。
あふれる流動性による不動産・株式市場、暗号通貨など資産市場の過熱による金融市場の不安感も強まっている。韓銀金融通貨委員会の内部でもこうした問題意識が提起された。4日に公開された4月の金融通貨委員会議事録によると、ある委員は「緩和的金融状況が持続し、民間部門のレバレッジング(借入金)拡大誘引として作用している」とし「金融不均衡累積リスクに対する警戒をさらに強化する必要がある」と述べた。
とはいえ、緊縮モードへの転換は回復軌道に乗り始めた景気に冷や水を浴びせかねないため、韓銀は慎重にならざるを得ない。通貨政策をめぐる高次方程式を解く最初の試験は27日に開かれる金融通貨委員会だ。
漢陽大のハ・ジュンギョン経済学科教授は「家計の負債急増をあらかじめ管理しなければ、利上げの衝撃に無防備になる」とし「韓銀が強い緊縮シグナル(信号)よりは『現在の通貨緩和の程度が過度であるため注視する』という程度のメッセージを伝える必要がある」と話した。
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