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トランプ氏の「暴言」に耐えた文大統領、バイデン氏との相性はどうか

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

2017年6月に文在寅大統領と当時のトランプ米大統領が会い微妙な表情で握手を交わしている。[写真 青瓦台写真記者団]

「第一印象が重要だ。最初のボタンをどれだけうまく留められるかがとても重要だ」。

文在寅(ムン・ジェイン)大統領の腹心と呼ばれ、青瓦台(チョンワデ、大統領府)国政状況室長を務めた与党「共に民主党」の尹建永(ユン・ゴンヨン)議員は20日、韓米首脳会談を「合コン」に例えてこのように話した。

青瓦台には21日に予定された文大統領とバイデン米大統領の初の対面首脳会談を控え期待感とともに緊張感が流れた。バイデン大統領との初の対面が今後の韓半島(朝鮮半島)政策をはじめとする新しい韓米関係を設定するのに重要な変数になりかねないためだ。


◇非公開転換直後にあふれたトランプ大統領の暴言

2017年6月に文大統領は当時のトランプ米大統領と初の韓米首脳会談を行った。

当時の事情をよく知る関係者は20日に中央日報との電話で「公開発言が終わり、会談が非公開に転換された直後にトランプ大統領の態度が急変した。文大統領が韓半島問題に言及したが、トランプ大統領は『暴言』に近い言葉を織り交ぜながら『金の話』ばかり取り上げて厳しい会談につながった記憶がある」と話した。

当時トランプ大統領は南北関係よりは韓米FTA再協議、防衛費引き上げなどに関心を持っていた。非公開会議時は文大統領の言及に「そんなことは実務者が答えなさい」として参謀に返事を指示するなど外交的欠礼に近い状況も起きていたという。

この関係者は「当時の初会談は完全に異なる利害関係のため容易ではなかった。文大統領が『韓国に民主主義と資本主義を移植させた国は米国だ。韓国の成功は米国のやりがいになるだろう』と言ったことにトランプ大統領が大きく同意してようやく計画していた首脳会談の軌道に入れた」と話した。

◇20年ぶりの「韓米民主党大統領」会談

文大統領は19日の出国前に、「バイデン政権の外交安保チームは韓半島をよく知っており対話はスムーズなものと期待する」と話した。

バイデン大統領は企業家出身であるトランプ前大統領と違い、12年間にわたり米上院外交委員会で活動したワシントン最高の外交通に挙げられる。特に今回の会談は金大中(キム・デジュン)政権とクリントン米政権が重なった1998~2001年から20年ぶりに再開される韓米進歩系政党出身大統領同士の会談だ。

バイデン大統領は自叙伝で、尊敬する人物として金大中元大統領を挙げた。太陽政策に対しても支持の立場を明らかにしていた。金元大統領は、2001年に上院外交委員長として訪韓したバイデン大統領が「ネクタイが素敵だ」と話すとその場でネクタイを交換しようと話したエピソードも有名だ。

青瓦台はこうしたゆかりに加え、文大統領の訪米直前にキャンベル国家安全保障会議インド太平洋調整官が韓国メディアとの書面インタビューで「米国の対北朝鮮政策は敵対ではなく解決を目標にする。成果を出せるよう実用的措置を講じる準備もされている」と明らかにしたことに対しても期待をかけている。

◇弱者の側に立った弁護士「テモテ」と「ヨセフ」

両首脳は敬虔なカトリック信者だ。文大統領の洗礼名はテモテ、バイデン大統領はヨセフだ。

文大統領は2月に初の首脳電話会談で宗教的共通点を活用した。当時文大統領はカトリック信者であることを明らかにし、バイデン大統領は「当選直後に教皇がお祝いの電話をくれた記憶がある。文大統領と話してみたら私たち2人の見解は似ているようだ」と話した。

今回も宗教は気まずさを打破する材料になる可能性がある。文大統領の訪米日程には黒人初の枢機卿であるウィルトン・グレゴリー大司教との面会も予定されている。

2人は弁護士出身という共通点もある。文大統領は長期にわたる人権弁護士生活を経て政治に入門した。バイデン大統領も政界入門前に国選弁護士として活動した経験がある。2人とも青瓦台とホワイトハウスで犬と猫を飼っているという共通点もある。

文大統領は今回も失郷民出身である家族史を韓米同盟を強調する素材として活用するものとみられる。文大統領は2017年の初の訪米時も興南(フンナム)撤退作戦に言及し、「当時ビクトリア号に乗り込んだ避難民の中に私の両親もいた。興南撤退作戦の成功がなかったなら現在の私もいなかっただろう」と話した。

◇変わった北朝鮮と核心に浮上した中国

バイデン大統領は過去に太陽政策を支持したが、北朝鮮の状況は完全に変わった。北朝鮮自ら「核武力完成」を公式宣言した状況まできたためだ。

青瓦台は何回も「米国がシンガポール共同声明など既存の北朝鮮との合意を基に北朝鮮との対話意志を明らかにしたことは肯定的なサイン。米朝対話の早急な再開が議論されるだろう」と明らかにした。しかし実際の会談でバイデン大統領がこうした期待にどの程度までこたえるかは未知数だ。

特に北朝鮮問題は米国の外交戦略の核心問題に浮上した中国問題と密接な関連がある。外交界では「米国の対中牽制戦略であるクアッド(日米豪印)への参加の有無が交渉の主要変数になるだろう」という観測が出ている。これに対し青瓦台は「今回の会談で大きく扱われる問題ではないだろう」との立場を明らかにしている。青瓦台は米国を価値を共有する同盟として引き立てながらも中国は韓国の最大貿易相手国であり、韓半島問題と関連した重要な協力対象であることを強調する計画だが米国がこれをそのまま受け入れるのか壮語はできない。

新型コロナウイルスワクチン確保と国内委託生産などに対しても青瓦台はまだ明確な立場を出していない。青瓦台高位関係者は「国内委託生産をはじめとして政府レベルの協約など多様な試みが進行中であるのは事実だが、現時点で明確な結論が出た状況ではない。ややもすると過度な期待感のため首脳会談の成果が半減しかねないという懸念があるのも事実」と話した。



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