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【リセットコリア】北朝鮮にしかないような粗末な給食、韓国軍は換骨奪胎を

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
「軍隊は腹で行軍する」。ナポレオンの発言として伝えられたこの格言は現代にも有効だ。優れた勇士を育てる基本は1食のちゃんとした食事だ。戦争中、多くの軍隊は戦闘用食糧を食べたとしても、少なくとも一日一食は栄養のある暖かいご飯を食べさせることを原則とする。

ところが戦争中でもない今、勇士が食事をまともに食べられない状況が発生した。休暇から復帰した後、コロナ予防のために隔離された勇士が対象だった。フェイスブック「陸軍訓練所の代わりにお伝えします」にはひと目見ても顔をしかめてしまうほどの給食写真が投稿された。刑務所の囚人が取る食事にも及ばない食事の内容に「豆ご飯にも及ばない軍ご飯」と言って多くの国民が怒った。

マスコミの報道で問題が大きくなると、各部隊は隔離者の携帯電話の使用を禁止し始めた。軍が問題の本質を解決するのではなく、携帯電話の使用を禁止して問題になった給食の写真を公開した勇士を処罰しようとしたことが分かると、国民の世論は激しくなった。


徐旭(ソ・ウク)国防長官はこのような給食に対して謝り、隔離勇士の携帯電話使用を許可したり給食環境や隔離施設の生活環境の改善などを指示した。しかし、一部このような指示がきちんと守られていない部隊があるようだ。また、隔離勇士の待遇に気を使うよう言ったところ、今度は一部の部隊では隔離対象ではない一般勇士の給食が少なくなる事態も起きた。それこそ下の石を抜いて上に石を積む「下石上台」ともいえる場当たり的な解決策が乱舞している。

「作戦の失敗は許されても給食の失敗は許されない」という話がある。冗談のようだが、一歩踏み込んで見ると重要な知恵が含まれている。武器で敵を粉砕するのが軍人なら、その軍人を動かすのは一食の食事だ。食事すら管理できない軍隊が武器や弾薬をしっかりと管理できるわけがない。一言で、軍需がしっかりと整っているかどうかから診断しなければならない状況だ。

韓国軍は不足した兵力を部隊の構造精鋭化で克服するという国防改革案を明らかにした。つまり、戦闘部隊に多くの人材を配置して非戦闘分野の人材は最小化するということだ。ところでその非戦闘分野に調理兵などの軍需人材が含まれているため、減った人材に代わる専門人材や民間アウトソーシングは準備されなかった。

先端武器を土台とする現代戦争は、安定した軍需支援を前提とする。アフガニスタン・イラク戦に参戦した米軍は戦闘人材より非戦闘人材のほうが多かった。どれほど戦車・戦闘機が多くても、燃料もなく弾薬もなく、適時に整備ができなければただの屑鉄にすぎない。現代戦で補給が切れて3日以上経った部隊は事実上全滅に達する。

戦争初心者は戦術に執着しがちだが、老練な指揮官は戦いの前に補給問題から考える。F35ステルス戦闘機もいいし軽空母もいいが、それよりも基本的な食事さえも十分に用意できないのに戦時に先端武器や弾薬を扱えるのかどうか、そちらのほうがむしろ心配だ。

もちろん粗末な給食は軍全体の姿ではない。実際には勇士の環境をきちんと整えている部隊のほうが多い。それなのになぜ問題が発生するのか。これは韓国軍がシステムで動いている軍隊ではないという傍証かもしれない。つまり、指揮官や幹部個人の犠牲と努力で構造的な問題を防ぎ、無理やり国防を維持してきたのではないか、振り返ってみなければならない。

前述のフェイスブックを通じて軍内部の問題が噴出しているのは、指揮部に対する勇士の信頼が失われたという証拠だ。真の民主国家の軍隊なら、勇士の信頼と尊敬を基に軍隊が建設されなければならない。「勇士の主敵は幹部」という言葉が消えるには、依然と兵力は消耗品だという労働集約的軍隊の考え方から抜け出さなければならない。米軍と同じくらい将兵福祉が整っている軍隊を作ろうではないか。しかしこれに先立ち、勇士の心をまず引きつけることが核心であることを忘れずにいよう。

ヤン・ウク/韓南(ハンナム)大学国防戦略大学院兼任教授

◆外部者執筆のコラムは中央日報の編集方針と異なる場合があります。



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