瞬間的な上昇だろうか、インフレの始まりだろうか。4月の消費者物価は前年同月より2.3%上がった。3年8カ月ぶりの上昇率だ。経済が新型コロナウイルスから回復し需要が増えている上に食品価格は高止まりのためだ。昨年は物価があまり上がらず経済成長が活力を失うデフレの懸念が出たりもした。しかし今年は状況が反対だ。物価が上がり成長の足を引っ張るインフレ圧力が大きくなっている。
統計庁が3日に発表した「4月の消費者物価動向」を見ると、先月の消費者物価指数は107.39(2015年=100)で前年同月比2.3%上昇した。2017年8月の2.5%以降で最も高いが、物価上昇率が2%台に入ったのも2018年11月の2.0%以来2年5カ月ぶりだ。先月の物価が特に大きく上がったという話だ。
消費者物価上昇率は昨年下半期に9月の1.0%を除いて0%台を維持した。しかし今年に入り1月の0.6%、2月の1.1%、3月の1.5%、そして先月の2.3%と時間が過ぎるほど上昇幅を拡大している。
◇物価はなぜ上がったか
先月の物価上昇の背景には基本的に「ベース効果」がある。物価指数は1年前と比較するが、昨年4-6月期は異例に物価水準が低く、今年の指数に錯視現象が起きるという意味だ。昨年4月の消費者物価上昇率は0.1%にとどまっていた。昨年5月にはマイナス0.3%まで下落し、6月には0%で足踏み状態だった。新型コロナウイルスの影響で需要が急減した時だ。
依然として高い食品物価も影響を及ぼした。昨年始まった作況不振と高病原性鳥インフルエンザ拡散の余波がまだ続いており、農畜水産物価格は前年同月比13.1%上昇した。今年に入ってからは2桁の上昇率が続いている。
高騰して久しいネギの価格は1カ月前と比較すると15.2%下がったが、1年前と比較すると270%上がった状態だ。リンゴは51.5%、卵は36.9%と高い価格を維持している。
上がり続ける国際原油価格も国内物価に本格的に反映され始めた。先月の石油類価格は前年同月比13.4%上昇し、2017年3月の14.4%以降で最も大幅に上がった。今年2月まで石油類価格は物価全体を抑えるのに寄与した。3月も石油類価格上昇率は1.3%にとどまった。
石油類価格が上がり工業製品価格も2.3%上昇した。工業製品は昨年4月から11カ月連続で下落していたが3月から反騰した。
◇物価は上がり続けるか
企画財政部の李億遠(イ・オクウォン)第1次官はこの日「4月の物価上昇率2.3%のうち農畜水産物と石油類価格の寄与度が1.5ポイントで物価上昇全体の約65%を説明している。今年4-6月期は供給側要因にベース効果が加わり物価上昇率が一時的に2%を上回る可能性が高い」と明らかにした。ただ李次官は「主要作物の収穫期が到来し産卵鶏数が回復するにつれ農畜産物価格は安定すると予想され、専門機関の国際原油価格の安定的見通しと7-9月期にベース効果が緩和する点などを考慮すると年間基準では物価安定目標である2%を上回る可能性は限定的」と説明した。
統計庁のオ・ウンソン経済動向統計審議官も「国際原油価格上昇と経済心理改善などの上昇要因があり当分は上昇傾向を持続する可能性が大きい」としながらも「下半期には安定傾向を取り戻すものとみられる」と予測した。
「4-6月期の一時的な物価上昇」という韓国政府の説明にも一部ではインフレを懸念する声が残っている。昨年から市中に放出された資金が多いという点が今後の物価上昇をさらに引き上げる要因になり得るためだ。災害支援金など政府の財政支援と信用支援が続き豊富になった流動性のためにお金の価値が落ちていると指摘される。
普通はインフレを抑制するには金利を引き上げるが、韓国銀行はこの1年近く基準金利を年0.5%で据え置いている。新型コロナウイルスから回復中である消費と投資を萎縮させる可能性が大きいためだ。
専門家らも当面の物価上昇を抑制するために本格的な対応を考慮する時期ではないと説明する。ソウル大学経済学部のキム・ソヨン教授は、「経済が回復する過程でインフレ圧力も自然に大きくなるだろう。金利を引き上げるなど物価上昇に対応するのに先立ち増えた家計負債状況と景気回復の流れを総合的に考慮しなければならない」と話した。
西江(ソガン)大学経済大学院のキム・ヨンイク教授も「今年の韓国の国内総生産(GDP)成長率は3%台後半まで上がるものとみられる。新型コロナウイルスで振るわなくなった家計消費と企業投資などの需要はむしろさらに増えなければならず、インフレの懸念は少ない」と話した。
統計庁が3日に発表した「4月の消費者物価動向」を見ると、先月の消費者物価指数は107.39(2015年=100)で前年同月比2.3%上昇した。2017年8月の2.5%以降で最も高いが、物価上昇率が2%台に入ったのも2018年11月の2.0%以来2年5カ月ぶりだ。先月の物価が特に大きく上がったという話だ。
消費者物価上昇率は昨年下半期に9月の1.0%を除いて0%台を維持した。しかし今年に入り1月の0.6%、2月の1.1%、3月の1.5%、そして先月の2.3%と時間が過ぎるほど上昇幅を拡大している。
◇物価はなぜ上がったか
先月の物価上昇の背景には基本的に「ベース効果」がある。物価指数は1年前と比較するが、昨年4-6月期は異例に物価水準が低く、今年の指数に錯視現象が起きるという意味だ。昨年4月の消費者物価上昇率は0.1%にとどまっていた。昨年5月にはマイナス0.3%まで下落し、6月には0%で足踏み状態だった。新型コロナウイルスの影響で需要が急減した時だ。
依然として高い食品物価も影響を及ぼした。昨年始まった作況不振と高病原性鳥インフルエンザ拡散の余波がまだ続いており、農畜水産物価格は前年同月比13.1%上昇した。今年に入ってからは2桁の上昇率が続いている。
高騰して久しいネギの価格は1カ月前と比較すると15.2%下がったが、1年前と比較すると270%上がった状態だ。リンゴは51.5%、卵は36.9%と高い価格を維持している。
上がり続ける国際原油価格も国内物価に本格的に反映され始めた。先月の石油類価格は前年同月比13.4%上昇し、2017年3月の14.4%以降で最も大幅に上がった。今年2月まで石油類価格は物価全体を抑えるのに寄与した。3月も石油類価格上昇率は1.3%にとどまった。
石油類価格が上がり工業製品価格も2.3%上昇した。工業製品は昨年4月から11カ月連続で下落していたが3月から反騰した。
◇物価は上がり続けるか
企画財政部の李億遠(イ・オクウォン)第1次官はこの日「4月の物価上昇率2.3%のうち農畜水産物と石油類価格の寄与度が1.5ポイントで物価上昇全体の約65%を説明している。今年4-6月期は供給側要因にベース効果が加わり物価上昇率が一時的に2%を上回る可能性が高い」と明らかにした。ただ李次官は「主要作物の収穫期が到来し産卵鶏数が回復するにつれ農畜産物価格は安定すると予想され、専門機関の国際原油価格の安定的見通しと7-9月期にベース効果が緩和する点などを考慮すると年間基準では物価安定目標である2%を上回る可能性は限定的」と説明した。
統計庁のオ・ウンソン経済動向統計審議官も「国際原油価格上昇と経済心理改善などの上昇要因があり当分は上昇傾向を持続する可能性が大きい」としながらも「下半期には安定傾向を取り戻すものとみられる」と予測した。
「4-6月期の一時的な物価上昇」という韓国政府の説明にも一部ではインフレを懸念する声が残っている。昨年から市中に放出された資金が多いという点が今後の物価上昇をさらに引き上げる要因になり得るためだ。災害支援金など政府の財政支援と信用支援が続き豊富になった流動性のためにお金の価値が落ちていると指摘される。
普通はインフレを抑制するには金利を引き上げるが、韓国銀行はこの1年近く基準金利を年0.5%で据え置いている。新型コロナウイルスから回復中である消費と投資を萎縮させる可能性が大きいためだ。
専門家らも当面の物価上昇を抑制するために本格的な対応を考慮する時期ではないと説明する。ソウル大学経済学部のキム・ソヨン教授は、「経済が回復する過程でインフレ圧力も自然に大きくなるだろう。金利を引き上げるなど物価上昇に対応するのに先立ち増えた家計負債状況と景気回復の流れを総合的に考慮しなければならない」と話した。
西江(ソガン)大学経済大学院のキム・ヨンイク教授も「今年の韓国の国内総生産(GDP)成長率は3%台後半まで上がるものとみられる。新型コロナウイルスで振るわなくなった家計消費と企業投資などの需要はむしろさらに増えなければならず、インフレの懸念は少ない」と話した。
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