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【社説】韓米首脳会談を控えて同盟を揺るがす発言をする時か

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

20日の2021年博鰲フォーラム年次総会開幕式に映像メッセージで参加した文在寅大統領。 [写真提供=青瓦台映像キャプチャー]

新型コロナワクチン調達の不確実性が高まり、韓米間の協力が要求される時に、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領が連日、北朝鮮と中国に肩入れするようなメッセージを出し、懸念が強まっている。文大統領は21日、ニューヨークタイムズ(NYT)とのインタビューで「バイデン大統領はトランプ政権が収めた成果の土台の上で(対話を)進展させれば結実を握るだろう」とし「トランプ前大統領と金正恩(キム・ジョンウン)委員長の2018年のシンガポール合意を破棄すれば失敗になるはず」と述べた。

バイデン大統領が嫌う言葉を選んで述べたといっても過言でない。バイデン大統領は北朝鮮の念願である「先に平和協定、後に非核化」を実現させるシンガポール合意を「失敗作」と明らかにし、「金正恩に会う意向はない」(3月29日、ホワイトハウスのサキ報道官)と公言した。ところが文大統領は韓米首脳会談を1カ月後に控えた時期に、バイデン大統領の基調と正面衝突するメッセージをワシントンに投げかけたのだ。

文大統領は米中対立に関連し「米国は中国と協力すべき」と促した。米国の対中圧力は党派を超越した国家的な決断だ。「ABT」(=トランプ政策はありえない)で執権したバイデン大統領さえも対中政策だけはトランプ前大統領を継承した理由だ。それなのに同盟の韓国の大統領が他人事のように「中国とは争うべきでない」と言うのだから、ワシントンで「韓国は本当に同盟なのか」という質問が出てこなければおかしい。


文大統領は20日の中国博鰲(ボアオ)フォーラム開幕式に送ったメッセージでも「アジア国家間の新技術協力が強化されれば未来を先導できる」と述べた。米国が中国との「グローバル技術戦争」を開始した状況で中国を支持するような姿と変わらない。文大統領は開発途上国に対する中国のワクチン支援を高く評価した。

5月末の韓米首脳会談で米国は負担を与える請求書を出すことが確実視される。米中戦争で米国側に立ち、北朝鮮非核化に協調し、韓日関係を改善しろという3つが核心だ。文大統領にはすべて難題だ。さらにワクチンを受けてこなければいけない課題もある。米国産のワクチン導入が急がれる状況で、韓米首脳会談を控えて連日、北朝鮮・中国に肩入れをする発言で米国を当惑させている。これで文大統領がバイデン大統領に会って望む結果を持ち帰れば「外交史の奇跡」として残るだろう。

文大統領は今からでも「綱渡り外交」をやめて同盟中心路線に戻らなければいけない。バイデン大統領との会談で、人権の価値と北朝鮮非核化の緊急性および韓日関係改善意志を確認するほどのメッセージは出す必要がある。またクアッドへの加入が難しいのなら、傘下機構の「コロナワーキンググループ」にでも参加する代案を模索するのがよい。これを通じて「価値同盟」を復元し、相互信頼を回復してこそ、ワクチン導入の糸口をつかめるだろう。



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