文在寅（ムン・ジェイン）大統領は２１日、李明博（イ・ミョンバク）・朴槿恵（パク・クネ）前大統領の赦免に関連して「国民の共感を考えないわけにはいかず、国民の統合に役立つように作用されるべきだ」と話した。

この日、国民の力所属の呉世勲（オ・セフン）ソウル市長と朴亨ジュン（パク・ヒョンジュン）釜山（プサン）市長を青瓦台（チョンワデ、大統領府）に招待した文大統領は昼食懇談会で「前職大統領の二方が収監されているのは胸が痛いことであり、高齢で健康も良くないといって残念だ」とし、このように明らかにしたと青瓦台高位関係者が伝えた。赦免関連の発言は朴市長が「前職大統領は『最高市民』と言えるのに心が痛い。大きな統合のために再考してほしい」と要請したことに対する回答だった。呉市長も昼食後、記者会見で「私もやはり同じ申立てをしようと思った」と話した。

文大統領は１月新年会見で「今は赦免を言う場合ではない」として一線を画した。青瓦台関係者は当時の発言との意味の違いを尋ねた質問に「大統領が赦免権を節制してきたし、今でもそのような観点から見ている」とした。青瓦台内では「時期尚早論を再確認したのではないか」という解釈が出た。


ただし、釜山市庁で別途のブリーフィングした朴市長は「赦免の話を先に取り出したが、大統領が『十分に提起するほどの事案』と答えた」と違うニュアンスで伝えた。朴市長は「時間を考えているという気がした」ともした。

文大統領は呉市長とは再建築問題など不動産政策をめぐって異見を示した。呉市長は「安全診断の基準強化が再建築を元から封鎖する効果を生んでいる」として「築５０年のマンション〔汝矣島（ヨイド）示範アパート〕に行ってみたが、生活や商売が不可能であるのに周辺の住居価格を刺激することを恐れて再建築を阻止している」とした。同時に、文大統領に「現場に一度出てみてほしい」と要請した。文大統領は「簡単に再建築すれば、マンションの価格上昇をあおる可能性があり、問題のないマンションを再建築することができる。すると浪費ではないか」として否定的立場を示した。

文大統領は２０３２年夏季オリンピック（五輪）南北共同開催論に関連し「あきらめるにはまだ早い」とした。文大統領は「北朝鮮が今年東京五輪に参加しなければ、事実上（共同誘致が）難しいと見なすべきだ」としつつも「北朝鮮が終盤に東京五輪に参加できるため、水の泡になっているとは言えない」と話した。特に、「韓米首脳会談を契機に北朝鮮と対話のテーブルが作られる可能性があるため、そうなると可能性が開かれる」ともした。呉市長はこれに対して「ソウルが先に五輪を誘致して以来、平壌（ピョンヤン）を説得して共同開催をするのも検討可能な方策だと思う」とした。

文大統領は新型肺炎ワクチンの接種に対しては「上半期に１２００万人プラスアルファの接種が可能になるだろう」とし「１１月集団免疫が可能だと考える」とした。文大統領はワクチンの需給より接種速度を強調して「地方自治体が自主的に接種者を選定して防疫当局が物量を供給する形で接種システムを変える」と話した。キ・モラン青瓦台防疫企画官をめぐって浮上した「見返り人事」論議も対話のテーブルに上がった。文大統領は「兪明希（ユ・ミョンヒ）通商交渉本部長の夫が野党国会議員（チョン・テオク前議員）であり、（野党議員だった）ムン・ビョンホ前議員の配偶者が最高裁判事（ミン・ユスク）になり、金富謙（キム・ブギョム）首相候補者の義兄弟が『反日種族主義』著者の１人であるイ・ヨンフン教授」として「私はそのようなことを全く考慮していない」と話したという。

１時間１７分間続いた懇談会は文大統領の要請で実現した。青瓦台高位関係者は「選挙は民心が表出される場なので、懇談会も文大統領の選挙結果に対するメッセージ」と話した。政界では「イ・チョルヒ政務首席の初めての作品」という評価も出てきた。文大統領が自治体長を青瓦台に招待したのは２０１９年２月以降２年２カ月ぶりだ。野党所属団体長だけを招いた懇談会は初めてだ。