韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領が20日、「開発途上国に対するワクチン寄付など多様なコロナ支援活動をしている中国政府の努力を高く評価する」と述べた。この日、オンライン会議形式に開催された博鰲(ボアオ)アジアフォーラムに送った映像メッセージでだ。
博鰲フォーラムは中国が主導する「アジア版ダボスフォーラム」と呼ばれる。コロナ状況を勘案して非対面で進行された今年のフォーラムの主題は「グローバル大変化(A World in Change)」だ。副題は「グローバルガバナンスと一帯一路協力の強化」。一帯一路は中国の習近平国家主席が提示した中国中心の国際秩序再編計画を意味する。しかし青瓦台(チョンワデ、韓国大統領府)がこの日に公開した報道資料には「一帯一路」が明記されたフォーラムの副題は抜けていた。
文大統領はこの日の映像メッセージで「アジアの役割」を強調した。文大統領は「アジア諸国は博鰲フォーラムを通じてお互いの違いを認め、共同の利益を追求する求同存異の精神を実践してきた」とし「求同存異は包容と共存の道であり、人類共同の危機であるコロナを克服するうえでも重要な価値であり原則だ」と述べた。「求同存異」は習主席の外交政策を説明する代表的な四字熟語だ。
文大統領は習主席に感謝の意を表した後、貿易問題、コロナ対応、炭素ゼロ、新技術問題などに言及した。このうち貿易と半導体の供給再編など経済問題は、現在、米中間で戦争をほうふつさせる摩擦が生じているイシューだ。
文大統領はまず貿易について「包容性が強化された多国間主義協力になるべき」とし「昨年締結した東アジア地域包括的経済連携(RCEP)を通じて域内経済協力のペースを速め、多国間主義に対する信頼の回復と自由貿易の発展が実現することを望む」と述べた。文大統領は昨年11月、中国が主導したRCEP加入に署名した状態だ。RCEPはバイデン米大統領が復帰を示唆したCPTPP(包括的・漸進的環太平洋経済連携協定)に対抗する中国主導の国際貿易共同体となる可能性が高い。
文大統領は米中紛争の核心に浮上した半導体には直接言及しなかった。ただ、「新技術と革新ガバナンス協力で未来を準備すべき」と話した。また、「グローバルバリューチェーンが再編され、生産・供給システムのデジタル化が速くなり、技術発展と革新に対する要求がさらに大きくなっている」とし「アジア国家間の協力が強化されれば、未来を先導して危機に対応するのにも重要な役割をするはず」と述べた。
文大統領は需給をめぐる論争があるコロナワクチンに関しても「アジアから共同対応をすべきだ」と主張した。文大統領は開発途上国に対するワクチン支援をしている中国を「高く評価する」とし「韓国も公平なワクチン供給、円滑な人材移動、果敢な財政投資などコロナ克服のための協力をより一層強化していく」と話した。また「昨年発足した『北東アジア防疫・保健協力体』を通じて域内の協力を充実させる」とし、北朝鮮を含む北東アジア協力体の構想に繰り返し言及した。このため外交関係者の間では、7月の東京オリンピック(五輪)を控えて政府がコロナワクチンを媒介に対北朝鮮対話の再開を図るのではという見方も出ている。
一方、青瓦台は文大統領が博鰲フォーラムに参加することをこの日午前9時30分ごろ公示した。10時30分の開幕式のわずか1時間前だ。前日、中国政府が文大統領の出席を一方的に公開したが、青瓦台は沈黙した。
政界では「22日に予定されたバイデン米大統領との初めてのオンライン会談と来月後半に決まった韓米首脳会談日程を意識したのでは」という声が出ている。日程さえ公示しなかった博鰲フォーラムとは違い、青瓦台は22日に米国が主催するオンライン気候変動サミットへの参加、5月下旬に予定された初の韓米首脳会談の日程を早くから公示してきた。
文大統領と習主席のオンライン対面会議があったこの日の博鰲フォーラムは、バイデン大統領との最初のオンライン対面となる22日の気候変動サミットの2日前だ。文大統領はバイデン政権が発足した翌日の1月26日にも習主席と首脳対話をした。2月4日に行われたバイデン大統領との最初の電話会談より先に習主席と電話会談をし、「同盟の亀裂を自ら招いた」という声もあった。当時、中国共産党機関紙の人民日報は文大統領と習主席の電話会談を伝え、「中国共産党創立100周年を心から祝う」という文大統領の発言を大々的に報道した。
博鰲フォーラムは中国が主導する「アジア版ダボスフォーラム」と呼ばれる。コロナ状況を勘案して非対面で進行された今年のフォーラムの主題は「グローバル大変化(A World in Change)」だ。副題は「グローバルガバナンスと一帯一路協力の強化」。一帯一路は中国の習近平国家主席が提示した中国中心の国際秩序再編計画を意味する。しかし青瓦台(チョンワデ、韓国大統領府)がこの日に公開した報道資料には「一帯一路」が明記されたフォーラムの副題は抜けていた。
文大統領はこの日の映像メッセージで「アジアの役割」を強調した。文大統領は「アジア諸国は博鰲フォーラムを通じてお互いの違いを認め、共同の利益を追求する求同存異の精神を実践してきた」とし「求同存異は包容と共存の道であり、人類共同の危機であるコロナを克服するうえでも重要な価値であり原則だ」と述べた。「求同存異」は習主席の外交政策を説明する代表的な四字熟語だ。
文大統領は習主席に感謝の意を表した後、貿易問題、コロナ対応、炭素ゼロ、新技術問題などに言及した。このうち貿易と半導体の供給再編など経済問題は、現在、米中間で戦争をほうふつさせる摩擦が生じているイシューだ。
文大統領はまず貿易について「包容性が強化された多国間主義協力になるべき」とし「昨年締結した東アジア地域包括的経済連携(RCEP)を通じて域内経済協力のペースを速め、多国間主義に対する信頼の回復と自由貿易の発展が実現することを望む」と述べた。文大統領は昨年11月、中国が主導したRCEP加入に署名した状態だ。RCEPはバイデン米大統領が復帰を示唆したCPTPP(包括的・漸進的環太平洋経済連携協定)に対抗する中国主導の国際貿易共同体となる可能性が高い。
文大統領は米中紛争の核心に浮上した半導体には直接言及しなかった。ただ、「新技術と革新ガバナンス協力で未来を準備すべき」と話した。また、「グローバルバリューチェーンが再編され、生産・供給システムのデジタル化が速くなり、技術発展と革新に対する要求がさらに大きくなっている」とし「アジア国家間の協力が強化されれば、未来を先導して危機に対応するのにも重要な役割をするはず」と述べた。
文大統領は需給をめぐる論争があるコロナワクチンに関しても「アジアから共同対応をすべきだ」と主張した。文大統領は開発途上国に対するワクチン支援をしている中国を「高く評価する」とし「韓国も公平なワクチン供給、円滑な人材移動、果敢な財政投資などコロナ克服のための協力をより一層強化していく」と話した。また「昨年発足した『北東アジア防疫・保健協力体』を通じて域内の協力を充実させる」とし、北朝鮮を含む北東アジア協力体の構想に繰り返し言及した。このため外交関係者の間では、7月の東京オリンピック(五輪)を控えて政府がコロナワクチンを媒介に対北朝鮮対話の再開を図るのではという見方も出ている。
一方、青瓦台は文大統領が博鰲フォーラムに参加することをこの日午前9時30分ごろ公示した。10時30分の開幕式のわずか1時間前だ。前日、中国政府が文大統領の出席を一方的に公開したが、青瓦台は沈黙した。
政界では「22日に予定されたバイデン米大統領との初めてのオンライン会談と来月後半に決まった韓米首脳会談日程を意識したのでは」という声が出ている。日程さえ公示しなかった博鰲フォーラムとは違い、青瓦台は22日に米国が主催するオンライン気候変動サミットへの参加、5月下旬に予定された初の韓米首脳会談の日程を早くから公示してきた。
文大統領と習主席のオンライン対面会議があったこの日の博鰲フォーラムは、バイデン大統領との最初のオンライン対面となる22日の気候変動サミットの2日前だ。文大統領はバイデン政権が発足した翌日の1月26日にも習主席と首脳対話をした。2月4日に行われたバイデン大統領との最初の電話会談より先に習主席と電話会談をし、「同盟の亀裂を自ら招いた」という声もあった。当時、中国共産党機関紙の人民日報は文大統領と習主席の電話会談を伝え、「中国共産党創立100周年を心から祝う」という文大統領の発言を大々的に報道した。
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