12日(現地時間)、バイデン米大統領はサムスン電子など世界の主要半導体関連企業19社をホワイトハウスに呼び集めた。オンライン会議だったが、重みがあった。半導体不足でGM・フォードなど米国企業のほか、韓国・ドイツなど主要企業が工場の稼働を中断したり、中断する状況を迎えているからだ。韓国からはサムスン電子の崔時栄(チェ・シヨン)ファウンドリー事業部長(社長)が参加した。
この席でバイデン大統領は国籍に関係なく「半導体価値同盟」(AVC=Alliance Value Chain)を構築して中国を牽制すべきだと強調した。中国が半導体サプライチェーンを再整備し、米国など世界を相手に攻撃を準備しているという理由だ。続いて米国への投資を増やしてほしいと要求した。「上院議員23人と下院議員42人から半導体投資を支持する書簡を受けた」とも伝えた。
投資の要請を受けたサムスン電子は頭を悩ませている。サムスン電子の半導体売上高全体に米国が占める割合が20%を超えるため、この日の会議に対する「前向きな回答」をすべきだが、中国も主な顧客であるからだ。サムスン電子半導体の売上高に中国が占める割合も20%にのぼる。サムスン電子の立場では中国を意識するしかない。ところがこの日の会議に共に招待された台湾のファウンドリーTSMCは14日、中国の顧客との取引を中断すると明らかにした。ホワイトハウス半導体会議に対する前向きな回答だ。これに関連し、陳大済(チン・デジェ)元情報通信部長官は「悩む必要はなく、米国にうなずく返事をし、米国との同盟関係を強化しなければいけない」と述べた。
陳元長官は14日、中央日報の電話インタビューで、「これまで韓国は米国と中国の間でうまく綱渡りをしてきたが、もう限界に達したようだ」とし「韓国政府だけでなく国民もどんな姿勢を取るべきか決定をする時がきた」と話した。そして「今が機会」と強調した。陳元長官は米ヒューレットパッカード研究員、IBMワトソン研究所研究員を務めた後、サムスン電子で15年間勤務し、世界初の64メガDRAM、128メガDRAM、1ギガDRAMの開発を指揮した。盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権で2003年から06年まで第9代情報通信部長官を務めた。以下は陳元長官との一問一答。
--12日のオンライン会議は結局、米国本土への投資圧力だった。韓国としては中国も意識する必要があるのでは。
「韓国の半導体はすでに以前から『サンドイッチ』状況だった。現在、半導体は根本的に不足している。米国は中国に半導体で制裁を加えている。中国が最先端製品を生産できないようにするということだ。中国が半導体を生産できずに生じた不足分は米国に投資して米国で作れということだ。韓国企業の立場では米国に行って作ればよい。米国に工場を作れば韓国から技術者が派遣される。米国に工場を作るが、それも雇用の創出だ」
--サムスン電子をはじめ、韓国の立場では中国を無視することができない。
「外交戦略の中で最もよいのが『あいまい性』だ。私は誰と親しく誰とは敵だという区分を確実にしないのが外交上では最もよい。現在の状況は、韓国半導体企業の対応を越えて、国家の方向を定めなければいけない時だ。米国との同盟関係が重要なのか、中国と戦略的協力関係が重要なのかを決めなければいけない。今まではうまく綱渡りができたが、限界に達したようだ。韓国政府だけでなく、国民もどんな姿勢を取るべきか決める時がきたのだ」
--米国と中国の間で態度を明確にすべきということか。
「そうだ。早く米国との同盟関係を強固にすべきだと考える。米国が半導体の設備投資をしてほしいと言えば、当然しなければいけない。あれこれ考えることはない。経済的に困難があるといって中国と手を握れば、中国の属国になるかもしれない。米国に背を向けて中国と手を握るからといって、中国政府が限韓令(韓流制限令)のような制裁を解除するだろうか。それはないとみる。国民がこうした考えを見せなければいけない。そうしてこそ政府が方向を定めることができる」
--政府が中国に背を向けて米国側に政策を決めることができるだろうか。
「なぜいけないのか。緊急な状況が迫ったとしよう。中国から何の助けを受けることができるのか。中国は北朝鮮と血盟関係だ。中国が韓国を助けるとは思わない。中国と1対1で対立した国を見ればすべて苦しんでいる。中国との関係は、半導体が必要なら韓国から買えばいいと、その程度でよい」
--サムスン電子やSKハイニックスにとって今のこの状況が機会になることもあるのか。
「もちろんだ。良い機会だ。米国も中国も自国に投資してほしいと言うが、それは貴重な存在ということではないのか。このような時であるほど、我々はやるべきことをしっかりやらなければいけない。最も重要なのは半導体技術の超格差を維持し、競争で優位でなければいけない。米国が中国を牽制するこの期間が、この4-5年間ほどが、我々が前に出る機会だ。中国が韓国に恐れるものは2つしかない。有機発光ダイオード(OLED)と半導体だけだ。ところがOLEDはすでに中国が追い上げている。半導体だけが残った。必ず守らなければいけない」
--米国をはじめ、中国、台湾などは政府が半導体の育成に積極的だ。韓国は民間企業が自らする雰囲気だ。韓国政府はどんな支援をすべきなのか。
「国内に投資すべきという圧力を加えないのが助けることだ。米国、中国から投資圧力を受けている中、国内投資まで要請すれば、それこそ三重苦となる。外交問題を生じさせて半導体企業の必要素材・部品購買が難しくなる状況をもたらさないことも注意すべき点だ。人材の育成に注力し、環境を形成することが必要だ。技術の開発も結局は優秀な人材が欠かせない。労使問題の発生で工程に支障が生じないようサポートすることも政府ができる役割だ」
この席でバイデン大統領は国籍に関係なく「半導体価値同盟」(AVC=Alliance Value Chain)を構築して中国を牽制すべきだと強調した。中国が半導体サプライチェーンを再整備し、米国など世界を相手に攻撃を準備しているという理由だ。続いて米国への投資を増やしてほしいと要求した。「上院議員23人と下院議員42人から半導体投資を支持する書簡を受けた」とも伝えた。
投資の要請を受けたサムスン電子は頭を悩ませている。サムスン電子の半導体売上高全体に米国が占める割合が20%を超えるため、この日の会議に対する「前向きな回答」をすべきだが、中国も主な顧客であるからだ。サムスン電子半導体の売上高に中国が占める割合も20%にのぼる。サムスン電子の立場では中国を意識するしかない。ところがこの日の会議に共に招待された台湾のファウンドリーTSMCは14日、中国の顧客との取引を中断すると明らかにした。ホワイトハウス半導体会議に対する前向きな回答だ。これに関連し、陳大済(チン・デジェ)元情報通信部長官は「悩む必要はなく、米国にうなずく返事をし、米国との同盟関係を強化しなければいけない」と述べた。
陳元長官は14日、中央日報の電話インタビューで、「これまで韓国は米国と中国の間でうまく綱渡りをしてきたが、もう限界に達したようだ」とし「韓国政府だけでなく国民もどんな姿勢を取るべきか決定をする時がきた」と話した。そして「今が機会」と強調した。陳元長官は米ヒューレットパッカード研究員、IBMワトソン研究所研究員を務めた後、サムスン電子で15年間勤務し、世界初の64メガDRAM、128メガDRAM、1ギガDRAMの開発を指揮した。盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権で2003年から06年まで第9代情報通信部長官を務めた。以下は陳元長官との一問一答。
--12日のオンライン会議は結局、米国本土への投資圧力だった。韓国としては中国も意識する必要があるのでは。
「韓国の半導体はすでに以前から『サンドイッチ』状況だった。現在、半導体は根本的に不足している。米国は中国に半導体で制裁を加えている。中国が最先端製品を生産できないようにするということだ。中国が半導体を生産できずに生じた不足分は米国に投資して米国で作れということだ。韓国企業の立場では米国に行って作ればよい。米国に工場を作れば韓国から技術者が派遣される。米国に工場を作るが、それも雇用の創出だ」
--サムスン電子をはじめ、韓国の立場では中国を無視することができない。
「外交戦略の中で最もよいのが『あいまい性』だ。私は誰と親しく誰とは敵だという区分を確実にしないのが外交上では最もよい。現在の状況は、韓国半導体企業の対応を越えて、国家の方向を定めなければいけない時だ。米国との同盟関係が重要なのか、中国と戦略的協力関係が重要なのかを決めなければいけない。今まではうまく綱渡りができたが、限界に達したようだ。韓国政府だけでなく、国民もどんな姿勢を取るべきか決める時がきたのだ」
--米国と中国の間で態度を明確にすべきということか。
「そうだ。早く米国との同盟関係を強固にすべきだと考える。米国が半導体の設備投資をしてほしいと言えば、当然しなければいけない。あれこれ考えることはない。経済的に困難があるといって中国と手を握れば、中国の属国になるかもしれない。米国に背を向けて中国と手を握るからといって、中国政府が限韓令(韓流制限令)のような制裁を解除するだろうか。それはないとみる。国民がこうした考えを見せなければいけない。そうしてこそ政府が方向を定めることができる」
--政府が中国に背を向けて米国側に政策を決めることができるだろうか。
「なぜいけないのか。緊急な状況が迫ったとしよう。中国から何の助けを受けることができるのか。中国は北朝鮮と血盟関係だ。中国が韓国を助けるとは思わない。中国と1対1で対立した国を見ればすべて苦しんでいる。中国との関係は、半導体が必要なら韓国から買えばいいと、その程度でよい」
--サムスン電子やSKハイニックスにとって今のこの状況が機会になることもあるのか。
「もちろんだ。良い機会だ。米国も中国も自国に投資してほしいと言うが、それは貴重な存在ということではないのか。このような時であるほど、我々はやるべきことをしっかりやらなければいけない。最も重要なのは半導体技術の超格差を維持し、競争で優位でなければいけない。米国が中国を牽制するこの期間が、この4-5年間ほどが、我々が前に出る機会だ。中国が韓国に恐れるものは2つしかない。有機発光ダイオード(OLED)と半導体だけだ。ところがOLEDはすでに中国が追い上げている。半導体だけが残った。必ず守らなければいけない」
--米国をはじめ、中国、台湾などは政府が半導体の育成に積極的だ。韓国は民間企業が自らする雰囲気だ。韓国政府はどんな支援をすべきなのか。
「国内に投資すべきという圧力を加えないのが助けることだ。米国、中国から投資圧力を受けている中、国内投資まで要請すれば、それこそ三重苦となる。外交問題を生じさせて半導体企業の必要素材・部品購買が難しくなる状況をもたらさないことも注意すべき点だ。人材の育成に注力し、環境を形成することが必要だ。技術の開発も結局は優秀な人材が欠かせない。労使問題の発生で工程に支障が生じないようサポートすることも政府ができる役割だ」
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