7日の再・補欠選挙惨敗から始まった文在寅(ムン・ジェイン)政府の危機は内政だけでなく外治にも影響を及ぼす展望だ。主な外交懸案の当事者である相手国もレームダック危機を迎えた文政府と重要な懸案を進展させたり決着させたりするのは適切ではないと判断する可能性が高いためだ。
◆北朝鮮「韓国パッシング」、さらに鮮明に
北朝鮮はすでに任期末に入った文在寅政府を無視するような態度を見せている。先月16日、金与正(キム・ヨジョン)労働党副部長は韓米合同訓練を非難しながら「今回の厳重な挑戦で、任期末期に入った南朝鮮当局の前途が非常に苦痛で平安でなくなるだろう」としながら「任期末期に入った」とわざわざ言及しながら皮肉った。事実、2019年2月米朝首脳間の「ハノイノーディール」以降、北朝鮮は韓国を事実上「パッシング」してきた。文政府は制裁柔軟化を公開的に主張するなど南北関係で前のめりすぎではないかという懸念の声にも北朝鮮に大小の協力を提案したが、すべて無視された。
今回の再・補欠選挙の敗北で文政府のレームダックが加速化する場合、北朝鮮は文政府を相手にする必要がないという判断をさらに強くする可能性がある。
高麗(コリョ)大学統一外交学部の南成旭(ナム・ソンウク)教授は「国際関係の動力は国内政治から出るというのは外交の不文律であり、特に南北関係は青瓦台(チョンワデ、大統領府)に対する国内政治的支持が強い時に身動きの幅が広くなる」としながら「北朝鮮も政権交代期には距離を取るため、これ以上韓国がいくら努力しても効果をあげるのは難しくなる可能性が高い」と指摘した。
特に北朝鮮が韓国に期待する役割は制裁解除問題などで、北朝鮮に有利な方向に非核化交渉が進むように米国を説得することだが、米国政府がジョー・バイデン政府に代わって現実的にもこれはさらに難しくなった。北核問題に対して経験豊富な専門官僚が北核問題を主導しているため、ドナルド・トランプ政府の時とは違って粗雑な合意を期待するのは難しいという意味だ。
ホワイトハウスのジェン・サキ報道官は7日(現地時間)の記者会見でも、北核問題に対して「韓半島(朝鮮半島)非核化が確固たる目標であり、われわれはもちろん制裁を今後も履行していく」としながら「非核化に進む道につながっているという前提下に、一部の外交的方式にも準備ができている」と原則を再確認した。
◆日本、関係改善「大乗的合意」敬遠か
昨年末から続く文政府の韓日関係改善ドライブにもブレーキがかかる可能性が高い。当初、文政府の構想は完全に行き詰まった韓日関係を改善するために両国指導者が大乗的な決断を通じて政治的な合意を実現させるということだったという。
関連事情に明るい消息筋は「核心は両国が歴史葛藤を縫合し、北朝鮮問題を中心に協力して共通分母を探るということだったと承知している。特に東京オリンピック(五輪)を契機に日本は拉致問題で、韓国は南北関係改善で成果を出し、韓日が共に米国の北朝鮮関与を誘導していこうとの趣旨であり、実際に日本側にもこのような考えを伝達しているはず」と説明した。
◆「日本、政権によって合意が逆転されることをすでに経験済み」
だが、日本は韓日関係を国内政治的に利用してきた文政府に対する不信を払拭できておらず、韓国が歴史問題などで先に前向きな提案をしなければならないとする態度を見せた。また、韓国政府が念頭に置いていた東京五輪構想も北朝鮮が不参加を宣言して事実上水泡に帰した。これに加えて今回の選挙惨敗で文大統領のレームダックが可視化し、韓日関係改善のための菅義偉首相の決断を期待することはさらに難しくなった。ソウル大国際大学院の朴チョル熙(パク・チョルヒ)教授は「あと任期を1年余り残してレームダックを前にしている文政府に日本が先に手を差し出したり賭博に近い交渉に臨んだりする可能性はほぼないと考えられる」とし「特に日本は朴槿恵(パク・クネ)政府の時に確認した両国間の公式合意だった慰安婦合意が政権の浮沈によって無力化することをすでに経験している。日本側が先に動く動力もなく、それ相応の信頼関係も全く構築されていない」と話した。
◆山積する外交難題、結局解決されないまま残るか
このように複雑に絡まった懸案を任期5年目まで引っ張ってきたあげくレームダックを迎え、文政府のさまざまな外交的課題は結局解決されないまま残される可能性が高まった。ただし、現政府内で触発された問題は任期終了前に収拾しなければならないという指摘もある。
朴チョル熙教授は「強制徴用問題が結局司法の領域で結論が下されるよう放置したことと慰安婦合意を破局に追い込んだことは文政府の責任なので、これを放置したまま最悪まで突き進んだ韓日関係を次期政権に譲るのは職務放棄」とし「また、文政府が市民社会界と連係が深いだけに、これを使って歴史問題解決のための共感を最大限広げておく必要がある」と話した。
◆北朝鮮「韓国パッシング」、さらに鮮明に
北朝鮮はすでに任期末に入った文在寅政府を無視するような態度を見せている。先月16日、金与正(キム・ヨジョン)労働党副部長は韓米合同訓練を非難しながら「今回の厳重な挑戦で、任期末期に入った南朝鮮当局の前途が非常に苦痛で平安でなくなるだろう」としながら「任期末期に入った」とわざわざ言及しながら皮肉った。事実、2019年2月米朝首脳間の「ハノイノーディール」以降、北朝鮮は韓国を事実上「パッシング」してきた。文政府は制裁柔軟化を公開的に主張するなど南北関係で前のめりすぎではないかという懸念の声にも北朝鮮に大小の協力を提案したが、すべて無視された。
今回の再・補欠選挙の敗北で文政府のレームダックが加速化する場合、北朝鮮は文政府を相手にする必要がないという判断をさらに強くする可能性がある。
高麗(コリョ)大学統一外交学部の南成旭(ナム・ソンウク)教授は「国際関係の動力は国内政治から出るというのは外交の不文律であり、特に南北関係は青瓦台(チョンワデ、大統領府)に対する国内政治的支持が強い時に身動きの幅が広くなる」としながら「北朝鮮も政権交代期には距離を取るため、これ以上韓国がいくら努力しても効果をあげるのは難しくなる可能性が高い」と指摘した。
特に北朝鮮が韓国に期待する役割は制裁解除問題などで、北朝鮮に有利な方向に非核化交渉が進むように米国を説得することだが、米国政府がジョー・バイデン政府に代わって現実的にもこれはさらに難しくなった。北核問題に対して経験豊富な専門官僚が北核問題を主導しているため、ドナルド・トランプ政府の時とは違って粗雑な合意を期待するのは難しいという意味だ。
ホワイトハウスのジェン・サキ報道官は7日(現地時間)の記者会見でも、北核問題に対して「韓半島(朝鮮半島)非核化が確固たる目標であり、われわれはもちろん制裁を今後も履行していく」としながら「非核化に進む道につながっているという前提下に、一部の外交的方式にも準備ができている」と原則を再確認した。
◆日本、関係改善「大乗的合意」敬遠か
昨年末から続く文政府の韓日関係改善ドライブにもブレーキがかかる可能性が高い。当初、文政府の構想は完全に行き詰まった韓日関係を改善するために両国指導者が大乗的な決断を通じて政治的な合意を実現させるということだったという。
関連事情に明るい消息筋は「核心は両国が歴史葛藤を縫合し、北朝鮮問題を中心に協力して共通分母を探るということだったと承知している。特に東京オリンピック(五輪)を契機に日本は拉致問題で、韓国は南北関係改善で成果を出し、韓日が共に米国の北朝鮮関与を誘導していこうとの趣旨であり、実際に日本側にもこのような考えを伝達しているはず」と説明した。
◆「日本、政権によって合意が逆転されることをすでに経験済み」
だが、日本は韓日関係を国内政治的に利用してきた文政府に対する不信を払拭できておらず、韓国が歴史問題などで先に前向きな提案をしなければならないとする態度を見せた。また、韓国政府が念頭に置いていた東京五輪構想も北朝鮮が不参加を宣言して事実上水泡に帰した。これに加えて今回の選挙惨敗で文大統領のレームダックが可視化し、韓日関係改善のための菅義偉首相の決断を期待することはさらに難しくなった。ソウル大国際大学院の朴チョル熙(パク・チョルヒ)教授は「あと任期を1年余り残してレームダックを前にしている文政府に日本が先に手を差し出したり賭博に近い交渉に臨んだりする可能性はほぼないと考えられる」とし「特に日本は朴槿恵(パク・クネ)政府の時に確認した両国間の公式合意だった慰安婦合意が政権の浮沈によって無力化することをすでに経験している。日本側が先に動く動力もなく、それ相応の信頼関係も全く構築されていない」と話した。
◆山積する外交難題、結局解決されないまま残るか
このように複雑に絡まった懸案を任期5年目まで引っ張ってきたあげくレームダックを迎え、文政府のさまざまな外交的課題は結局解決されないまま残される可能性が高まった。ただし、現政府内で触発された問題は任期終了前に収拾しなければならないという指摘もある。
朴チョル熙教授は「強制徴用問題が結局司法の領域で結論が下されるよう放置したことと慰安婦合意を破局に追い込んだことは文政府の責任なので、これを放置したまま最悪まで突き進んだ韓日関係を次期政権に譲るのは職務放棄」とし「また、文政府が市民社会界と連係が深いだけに、これを使って歴史問題解決のための共感を最大限広げておく必要がある」と話した。
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