<危機の韓日関係、連続診断22>韓国の生きる道は「比例外交」と「コアテク・ハリネズミ」戦略(1)=韓日ビジョンフォーラム
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
2021.04.02 10:15
バイデン政府の外交安保チームが先月15日から18日まで日本と韓国を訪問して日米、韓米外交・国防(2プラス2)長官会議を開いた。その直後の18~19日には米国アラスカ・アンカレッジで初の米中高官会議が開かれた。先月30日に開かれた第22回韓日ビジョンフォーラムでは、バイデン政府外交安保チームの北東アジア歴訪結果と今後の韓日、韓日米関係に対して各界専門家が熱を帯びた討論を行った。出席者は「韓国が核心技術の確保など競争力を備えるなら、米中葛藤の構図の中で国益を最大化しながらも戦略的協力が可能だ」ということで意見を集約した。
◆李淑鍾(イ・スクジョン)成均館(ソンギュングァン)大学教授のテーマ発表文の要約
バイデン政府外交安保チームの北東アジア歴訪は具体的な政策を用意することが目的だったというよりも、日米・韓米同盟の重要性を象徴的に示すためのものだった。日米外交・国防会議後の共同声明では、台湾海峡や尖閣(中国名・釣魚島)諸島、香港と新疆ウイグル人権弾圧など中国関連の問題が具体的に指摘された。反面、韓米外交・国防会議の共同声明では中国を直接名指さしはせず、一般的な論調で中国を迂回的にけん制した。
バイデン政府のインド太平洋戦略(以下、印太戦略)はトランプ政府当時の印太戦略2.0バージョンだ。バイデン大統領はトランプ式米国第一主義を捨てて同盟を重視する多国間主義の枠組みの中にこの戦略を落とし込む計画だ。自由民主主義の価値と人権要素が強化されるだろう。
トランプ政府で軍事安保協力体の特性が強かった日米豪印戦略対話(QUAD=クアッド)は、最近反中国色彩を和らげてさまざまな国の参加を促す雰囲気に変わった。バイデン大統領が就任初年の開催を公約した「民主主義首脳会議」の場合、当初民主主義国家だけが参加する方向で構想されたが、最近ではやや権威主義色彩がある国までも幅広く声をかけようという議論がなされている。
韓日関係の場合、6月に英国で開かれるG7(主要7カ国)首脳会議など多国間舞台を活用しなければならない。この会議に招待された文在寅(ムン・ジェイン)大統領は首脳間の会談などを推進し、関係改善を模索しなければならない。
米国の立場では、韓国はグローバル協力は得意だが印太戦略や韓日関係など地域的協力には積極的ではないという不満を持つ場合もある。
例えるなら、韓国は全体がひとつのピザ型ではなく、真ん中に穴の空いたドーナツ型の協力をしている。韓国が繰り返し損害を受けるような構造になる恐れがある。
申ガク秀(シン・ガクス)元駐日大使=米国の印太戦略は、韓米・日米など既存の同盟と多国間主義的側面のクアッドという2つの車輪で回っていっている。同盟と軍事的問題を大きく取り扱うと同時にクアッドでは非軍事的分野の結束を図ろうとしている。米国も印太戦略やクアッドプラス構想などで韓国が米国の提案をそのまま受け入れるだろうとは期待していない。代わりに韓国の戦略的限界を十分に認めて受け入れている。ところがむしろ韓国のほうが米中葛藤を「選択の問題」と規定して「クアッドへの参加は中国に反すること」と決めつけているのは正しくない。
柳明桓(ユ・ミョンファン)元外交部長官=バイデン米国大統領は最近、半導体・バッテリー・レアアース(希土類)など核心素材および部品に関連して中国依存度を低くして民主主義国家が主導してサプライチェーン(supply chain)を構築しようと提案した。韓国は経済・技術分野で米国主導のサプライチェーン構築努力に積極的に参加しなければならない。また、民主主義の価値守護の側面から、もっと広い視野を持って韓国だけの資産を活用する必要がある。日米同盟が強化される中で韓国が比較的辺境にあれば、日本に対する韓国の発言権が弱まり日本は韓半島(朝鮮半島)問題で影響力を強めようとするだろう。
朴チョル熙(パク・チョルヒ)ソウル大学教授=韓国が米国の中国に対するけん制政策に長期的に参加しないなら、結局韓米同盟の弱体化につながる可能性が高い。日本が米国との同盟で優等生役を果たす時、韓国は劣等生になりかねない。日本が核心同盟軸として機能して広域同盟に参加する時、韓国は周辺部に留まって局地同盟にとどまる懸念もある。現在、韓国には確固たる対中政策ではなく曖昧な立場を維持して中国の表情だけ伺う低姿勢外交だけがある。中国関連の戦略を全般的に整備する必要がある。
<危機の韓日関係、連続診断22>韓国の生きる道は「比例外交」と「コアテク・ハリネズミ」戦略(2)=韓日ビジョンフォーラム
◆李淑鍾(イ・スクジョン)成均館(ソンギュングァン)大学教授のテーマ発表文の要約
バイデン政府外交安保チームの北東アジア歴訪は具体的な政策を用意することが目的だったというよりも、日米・韓米同盟の重要性を象徴的に示すためのものだった。日米外交・国防会議後の共同声明では、台湾海峡や尖閣(中国名・釣魚島)諸島、香港と新疆ウイグル人権弾圧など中国関連の問題が具体的に指摘された。反面、韓米外交・国防会議の共同声明では中国を直接名指さしはせず、一般的な論調で中国を迂回的にけん制した。
バイデン政府のインド太平洋戦略(以下、印太戦略)はトランプ政府当時の印太戦略2.0バージョンだ。バイデン大統領はトランプ式米国第一主義を捨てて同盟を重視する多国間主義の枠組みの中にこの戦略を落とし込む計画だ。自由民主主義の価値と人権要素が強化されるだろう。
トランプ政府で軍事安保協力体の特性が強かった日米豪印戦略対話(QUAD=クアッド)は、最近反中国色彩を和らげてさまざまな国の参加を促す雰囲気に変わった。バイデン大統領が就任初年の開催を公約した「民主主義首脳会議」の場合、当初民主主義国家だけが参加する方向で構想されたが、最近ではやや権威主義色彩がある国までも幅広く声をかけようという議論がなされている。
韓日関係の場合、6月に英国で開かれるG7(主要7カ国)首脳会議など多国間舞台を活用しなければならない。この会議に招待された文在寅(ムン・ジェイン)大統領は首脳間の会談などを推進し、関係改善を模索しなければならない。
米国の立場では、韓国はグローバル協力は得意だが印太戦略や韓日関係など地域的協力には積極的ではないという不満を持つ場合もある。
例えるなら、韓国は全体がひとつのピザ型ではなく、真ん中に穴の空いたドーナツ型の協力をしている。韓国が繰り返し損害を受けるような構造になる恐れがある。
申ガク秀(シン・ガクス)元駐日大使=米国の印太戦略は、韓米・日米など既存の同盟と多国間主義的側面のクアッドという2つの車輪で回っていっている。同盟と軍事的問題を大きく取り扱うと同時にクアッドでは非軍事的分野の結束を図ろうとしている。米国も印太戦略やクアッドプラス構想などで韓国が米国の提案をそのまま受け入れるだろうとは期待していない。代わりに韓国の戦略的限界を十分に認めて受け入れている。ところがむしろ韓国のほうが米中葛藤を「選択の問題」と規定して「クアッドへの参加は中国に反すること」と決めつけているのは正しくない。
柳明桓(ユ・ミョンファン)元外交部長官=バイデン米国大統領は最近、半導体・バッテリー・レアアース(希土類)など核心素材および部品に関連して中国依存度を低くして民主主義国家が主導してサプライチェーン(supply chain)を構築しようと提案した。韓国は経済・技術分野で米国主導のサプライチェーン構築努力に積極的に参加しなければならない。また、民主主義の価値守護の側面から、もっと広い視野を持って韓国だけの資産を活用する必要がある。日米同盟が強化される中で韓国が比較的辺境にあれば、日本に対する韓国の発言権が弱まり日本は韓半島(朝鮮半島)問題で影響力を強めようとするだろう。
朴チョル熙(パク・チョルヒ)ソウル大学教授=韓国が米国の中国に対するけん制政策に長期的に参加しないなら、結局韓米同盟の弱体化につながる可能性が高い。日本が米国との同盟で優等生役を果たす時、韓国は劣等生になりかねない。日本が核心同盟軸として機能して広域同盟に参加する時、韓国は周辺部に留まって局地同盟にとどまる懸念もある。現在、韓国には確固たる対中政策ではなく曖昧な立場を維持して中国の表情だけ伺う低姿勢外交だけがある。中国関連の戦略を全般的に整備する必要がある。
<危機の韓日関係、連続診断22>韓国の生きる道は「比例外交」と「コアテク・ハリネズミ」戦略(2)=韓日ビジョンフォーラム
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