北朝鮮が最近、西海(ソヘ、黄海)北方限界線(NLL)北側の昌麟島(チャンリンド)に240ミリ改良型放射砲(多連装ロケット砲)を新たに配備したことが確認された。放射砲を移した後に支援施設を建設している動向も見られる。ここは2019年11月に北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が訪問し、射撃の指示を出した陣地だ。
匿名を求めた複数の政府筋によると、韓米情報当局は北朝鮮軍が昨年末に昌麟島に改良型240ミリ放射砲を移したのを発見した後、各種情報資産を動員して綿密に監視しているという。
北朝鮮は昌麟島に放射砲永久配備するための準備も進めている。政府筋は「放射砲をまず配備し、最近まで陣地補強工事を続けている」と伝えた。放射砲で撃つ砲弾は弾頭とロケット推進体で構成され、重さは400キロ程度。放射砲に砲弾を再装填する起重機を設置する作業と推定されるという。
放射砲の配備は、2018年9月の南北首脳会談をきっかけに軍事境界線一帯で軍事的緊張を緩和することにした「9・19軍事合意」を事実上無力化しようとする措置だ。北朝鮮が従来の武器を除去せず、さらに致命的な軍事力で韓国に脅威を与えようとしている。
昌麟島は黄海道(ファンヘド)甕津(オンジン)半島の西側にある島。ペクリョン島の下の小青島(ソチョンド)から32キロ、大延坪島(デヨンピョンド)から45キロ離れている。北朝鮮軍は韓国戦争(朝鮮戦争)後、ここに海岸砲を設置した。軍の幕舎が20張を超えるほど大規模な兵力が駐留している。
このため韓国軍は延坪島北側の黄海道ケモリ陣地など北朝鮮の海岸地域を常時監視している。北朝鮮の砲兵が韓国の海軍と海兵隊を狙っているからだ。
従来の海岸砲の最大射程距離は20キロほどだが、今回、昌麟島に配備された放射砲は65キロまで砲撃できる。ペクリョン島と延坪島が砲撃範囲に入るため、NLL周辺を通過する海軍の艦艇にも直接的な脅威となる。
一度に砲弾1発を放つ海岸砲とは違い、放射砲は瞬間的に数十発の砲弾を浴びせることができる。さらに改良型240ミリ放射砲は、一度に放つ砲弾を従来の18発から22発に増やした。化学弾も搭載でき、さらに致命的だ。
北朝鮮軍は今まで放射砲を主に陸上の軍事境界線(MDL)北側地域に配備し、ソウルなど首都圏に脅威を与えた。今では「ソウル火の海」脅迫が西海上のNLL地域に拡大した。
北朝鮮軍の放射砲は普段は山岳地形の後方の坑道陣地に隠されている。発射命令が出れば、坑道の出口の開放-射撃陣地に移動-射撃の準備-射撃-坑道に復帰-坑道の出口の閉鎖の順序で作戦を展開する。
このように軍事的な脅威は強まっているが、韓国国防部は先月出した『2020国防白書』で「境界地域の地・海域での偶発的衝突防止措置の履行など全般的に9・19軍事合意を遵守している」と評価した。
北朝鮮はすでに9.19軍事合意を違反している。金委員長は2019年、昌麟島防御隊の海岸砲射撃を現場で直接指示した。これは明白な南北合意事項の違反だ。
9・19軍事合意は北方限界線(NLL)とMDL一帯での射撃を禁止した。国防部は国防白書で「昨年5月に非武装地帯(DMZ)で発生した境界警戒所(GP)銃撃事件と2019年11月に西海緩衝地域である近隣の昌麟島で北が海岸砲を撃ったのは軍事合意違反」と認めた。
北朝鮮は9・19軍事合意直後から事実上これを無力化した。敵対行為の中止に合意したが、一日最大2回ずつ海岸砲の砲門を開放している。「海岸砲と艦砲の砲口・砲身のカバー設置および砲門閉鎖措置を取ることにした」という合意を無視した措置だ。
2010年11月の延坪島砲撃戦当時、北朝鮮は奇襲で砲弾を浴びせ、海兵隊将兵2人が戦死し、民間人2人が死亡した。同年3月には北朝鮮軍の魚雷攻撃を受けた海軍哨戒艦「天安」が沈没し、乗組員46人が戦死した。NLL一帯での北朝鮮軍の砲門開放や軍事力増強が脅威として迫る背景だ。
匿名を求めた複数の政府筋によると、韓米情報当局は北朝鮮軍が昨年末に昌麟島に改良型240ミリ放射砲を移したのを発見した後、各種情報資産を動員して綿密に監視しているという。
北朝鮮は昌麟島に放射砲永久配備するための準備も進めている。政府筋は「放射砲をまず配備し、最近まで陣地補強工事を続けている」と伝えた。放射砲で撃つ砲弾は弾頭とロケット推進体で構成され、重さは400キロ程度。放射砲に砲弾を再装填する起重機を設置する作業と推定されるという。
放射砲の配備は、2018年9月の南北首脳会談をきっかけに軍事境界線一帯で軍事的緊張を緩和することにした「9・19軍事合意」を事実上無力化しようとする措置だ。北朝鮮が従来の武器を除去せず、さらに致命的な軍事力で韓国に脅威を与えようとしている。
昌麟島は黄海道(ファンヘド)甕津(オンジン)半島の西側にある島。ペクリョン島の下の小青島(ソチョンド)から32キロ、大延坪島(デヨンピョンド)から45キロ離れている。北朝鮮軍は韓国戦争(朝鮮戦争)後、ここに海岸砲を設置した。軍の幕舎が20張を超えるほど大規模な兵力が駐留している。
このため韓国軍は延坪島北側の黄海道ケモリ陣地など北朝鮮の海岸地域を常時監視している。北朝鮮の砲兵が韓国の海軍と海兵隊を狙っているからだ。
従来の海岸砲の最大射程距離は20キロほどだが、今回、昌麟島に配備された放射砲は65キロまで砲撃できる。ペクリョン島と延坪島が砲撃範囲に入るため、NLL周辺を通過する海軍の艦艇にも直接的な脅威となる。
一度に砲弾1発を放つ海岸砲とは違い、放射砲は瞬間的に数十発の砲弾を浴びせることができる。さらに改良型240ミリ放射砲は、一度に放つ砲弾を従来の18発から22発に増やした。化学弾も搭載でき、さらに致命的だ。
北朝鮮軍は今まで放射砲を主に陸上の軍事境界線(MDL)北側地域に配備し、ソウルなど首都圏に脅威を与えた。今では「ソウル火の海」脅迫が西海上のNLL地域に拡大した。
北朝鮮軍の放射砲は普段は山岳地形の後方の坑道陣地に隠されている。発射命令が出れば、坑道の出口の開放-射撃陣地に移動-射撃の準備-射撃-坑道に復帰-坑道の出口の閉鎖の順序で作戦を展開する。
このように軍事的な脅威は強まっているが、韓国国防部は先月出した『2020国防白書』で「境界地域の地・海域での偶発的衝突防止措置の履行など全般的に9・19軍事合意を遵守している」と評価した。
北朝鮮はすでに9.19軍事合意を違反している。金委員長は2019年、昌麟島防御隊の海岸砲射撃を現場で直接指示した。これは明白な南北合意事項の違反だ。
9・19軍事合意は北方限界線(NLL)とMDL一帯での射撃を禁止した。国防部は国防白書で「昨年5月に非武装地帯(DMZ)で発生した境界警戒所(GP)銃撃事件と2019年11月に西海緩衝地域である近隣の昌麟島で北が海岸砲を撃ったのは軍事合意違反」と認めた。
北朝鮮は9・19軍事合意直後から事実上これを無力化した。敵対行為の中止に合意したが、一日最大2回ずつ海岸砲の砲門を開放している。「海岸砲と艦砲の砲口・砲身のカバー設置および砲門閉鎖措置を取ることにした」という合意を無視した措置だ。
2010年11月の延坪島砲撃戦当時、北朝鮮は奇襲で砲弾を浴びせ、海兵隊将兵2人が戦死し、民間人2人が死亡した。同年3月には北朝鮮軍の魚雷攻撃を受けた海軍哨戒艦「天安」が沈没し、乗組員46人が戦死した。NLL一帯での北朝鮮軍の砲門開放や軍事力増強が脅威として迫る背景だ。
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