中国が空母と情報収集艦を動員し、それぞれ西海（ソヘ、黄海）と南海で武力示威をした。１７－１８日に開催された韓米外交・国防長官会議（２プラス２会議）への対抗と解釈される。

匿名を求めた複数の政府筋は１８日、「この日午前、中国人民解放軍海軍所属の『遼寧』の船団が遼東半島沖の渤海湾の外に出たことが確認された」とし「１７日夜に出港したとみられる」と述べた。中国による西海と南海での武力示威は、オースティン米国防長官が核戦争実行能力を備えて「最後の審判の日の飛行機（Ｄｏｏｍｓｄａｙ　Ｐｌａｎｅ）」と呼ばれる空中指揮統制機Ｅ－４Ｂナイトウォッチに乗り、京畿道（キョンギド）烏山（オサン）在韓米軍空軍基地に到着した日（１７日）にあった。

中国海軍は空母艦載機の飛行訓練を韓国に近い西海で実施する兆候がみられると、情報筋は伝えた。しかし中国空母の船団が韓国領海を侵犯することはなかった。


中国海軍は１６日、西海・東シナ海・南シナ海の３つの海域で大々的な海上訓練を始めた。しかし１７日までは艦艇・潜水艦・軍用機訓練と海上緊急牽引および捜索・救助訓練をしただけで、空母は投入していなかった。中国が軍事訓練のレベルを高めたという指摘が出ている理由だ。

西海で訓練中の中国空母船団は「遼寧」を中心に駆逐艦や軍需支援艦で構成されている。情報筋は「中国は通常、空母１隻だけで訓練するが、この日は大規模な勢力を動員した強力な訓練」と評価した。

軍関係者は「補給を担当する軍需支援艦を同伴しただけに、長期間の訓練をしたり、西海の外に出て遠征訓練をしたりする可能性がある」と話した。

この日午前、各種情報を収集する情報艦も韓国領海付近に入ってきた。前日まで日本近隣海域に留まっていたが、対馬側から韓国南海に方向を変えた。１８日晩、済州（チェジュ）近隣の海上で中国軍艦３隻が発見され、韓国海軍の哨戒機が急派されたと、情報筋は伝えた。数日後に西海の外に出る空母の船団に合流するという見方もある。

中国が空母と情報艦を投入したのは、韓日米安保協力を牽制し、これに不満を表すためと解釈される。梨花女子大の朴元坤（パク・ウォンゴン）教授は「中国がバイデン政権の発足直後、韓国や日本など核心同盟国を訪問する米国に対して武力示威をしたとみるべき」と述べた。

米国は今回の２プラス２会議で、韓国が中国包囲に参加することを望んだ。ブリンケン米国務長官は２プラス２会議の共同記者会見で「中国の反民主主義的な行動に対抗することが重要だ」と強調した。オースティン国防長官も国防長官会談の冒頭発言で「北朝鮮と中国の前例のない脅威で韓米同盟はいつよりも重要になっている」と述べた。