韓国は日本・米国・オーストラリア・インドで構成された4カ国安保協議体、いわゆる日米豪印戦略対話(QUAD=クアッド)に参加しなければならないのだろうか。今月12日に開かれた初めてのクアッド首脳会議を契機に、この問いに改めて注目が向けられている。
これに関連し、最近米国外交通は通常ではないメッセージを繰り返している。「中国をけん制するにはクアッドを積極的に活用するべきで、このため日本を重視せよ」という注文だ。実際、先月末に国際政治経済ジャーナル「フォーリン・アフェアーズ(Foreign Affairs)」には「アジア自由秩序の指導者、日本」という露骨なタイトルの記事が掲載された。核心は「米国はインド太平洋内の長年の同盟である日本に従わなければならない」という主張だった。昨年9月、保守的シンクタンクであるヘリテージ財団も「米日同盟、増大する中国の軍事的脅威にも相変らず不十分」という報告書を出した。この外に米戦略国際問題研究所(CSIS)、ブルッキングス研究所などからもクアッドと日本の戦略的価値を強調する報告書が次々と出された。
これらシンクタンクは米国外交の道案内役だ。このため米国がどのように出るのかは明らかだ。来月ジョー・バイデン大統領の初めての対面首脳会談相手に菅義偉首相が決まったこともすべて理由がある。
では米国が韓国を見る目はどうなのか。これは最近行われたバイデン氏と韓国・日本・オーストラリア首脳との電話会談の中身を見ると分かる。バイデン氏は日本・オーストラリア首相にこのように話した。日米同盟はインド太平洋の平和と繁栄のための「礎石(cornerstone)」であり、米豪同盟は「錨(anchor)」だと。
反面、韓米同盟は「北東アジアの平和と繁栄のための『核心軸(linchpin)』」だとバイデン氏は言った。このような比喩は米国の長年のレトリックだ。だが、この表現には大きな差がある。日本・オーストラリアは大きなインド太平洋の安全保障パートナーで、韓国ははるかに狭い北東アジアの同盟と規定した理由だ。
以前はそうではなかった。2013年朴槿恵(パク・クネ)-オバマ、2017年文在寅(ムン・ジェイン)-トランプ首脳会談時は韓米同盟を「アジア太平洋の中心軸」と米国は強調した。結局、韓米同盟の重要性がアジア太平洋から北東アジア次元に縮小されたのだ。
多くの専門家は韓米同盟の地位回復のために韓国のクアッド加入が切実だとみている。それでこそ太平洋インド洋をカバーする同盟として優遇されるというのだ。そのうえクアッドは地震・津波のような自然災害やコロナなど伝染病対応のための協力まで議論する機構だ。だからクアッド参加時にはこれら4カ国の助けも得ることができる。
にも関わらず、現政権は中国の顔色を伺いながらためらう。鄭義溶(チョン・ウィヨン)外交部長官らは最近、「透明性・開放性・包容性などの国際規範を守るなら、いかなる地域協力体とも協力することができる」と明らかにした。一見、クアッド参加宣言のように聞こえるが、ここには「包容性」というものがついている。特定の国、すなわち中国をけん制するなら、これは包容的ではない排他的協力体となる。クアッドに参加しない言い訳ともいえる。THAAD(高硬度ミサイル防衛)体系配備に伴う経済報復も終わっていないのに、中国の機嫌をまた逆なでするようなことをするつもりはないというのが明らかだ。
ではわれわれは米国側に立つべきなのか、あるいは米中双方と適当な距離を置くべきなのか。もちろん答えは出ている。クアッドに入るものの後遺症を最小化するのが最善だ。クアッドは2007年に創設されたが、中国の圧力と日本・オーストラリアが親中政権になって2008年にはうやむやになった。そうしている内に中国の脅威が強まると、2017年日本安倍政権の主導で復活する。注目する部分は、再誕生したクアッドが顕著な反中志向を帯びているにもかかわらず、昨年以降、中国が報復どころか経済交流を増やそうと日本・オーストラリアにシグナルを送っている点だ。そのため中国がクアッド加入を問題にして経済的不利益を与えようとすれば「なぜ韓国だけそのようにするのか」と反撃することができる。
偉大な科学者であり神学者であるアイザック・ニュートンが明らかにしたように、「如才のなさとは敵を作らずに自分を主張することである」。このままいけば、韓国は日本・オーストラリアに至らない「二流同盟国」に転落するのは明らかだ。
ナム・ジョンホ/中央日報コラムニスト
これに関連し、最近米国外交通は通常ではないメッセージを繰り返している。「中国をけん制するにはクアッドを積極的に活用するべきで、このため日本を重視せよ」という注文だ。実際、先月末に国際政治経済ジャーナル「フォーリン・アフェアーズ(Foreign Affairs)」には「アジア自由秩序の指導者、日本」という露骨なタイトルの記事が掲載された。核心は「米国はインド太平洋内の長年の同盟である日本に従わなければならない」という主張だった。昨年9月、保守的シンクタンクであるヘリテージ財団も「米日同盟、増大する中国の軍事的脅威にも相変らず不十分」という報告書を出した。この外に米戦略国際問題研究所(CSIS)、ブルッキングス研究所などからもクアッドと日本の戦略的価値を強調する報告書が次々と出された。
これらシンクタンクは米国外交の道案内役だ。このため米国がどのように出るのかは明らかだ。来月ジョー・バイデン大統領の初めての対面首脳会談相手に菅義偉首相が決まったこともすべて理由がある。
では米国が韓国を見る目はどうなのか。これは最近行われたバイデン氏と韓国・日本・オーストラリア首脳との電話会談の中身を見ると分かる。バイデン氏は日本・オーストラリア首相にこのように話した。日米同盟はインド太平洋の平和と繁栄のための「礎石(cornerstone)」であり、米豪同盟は「錨(anchor)」だと。
反面、韓米同盟は「北東アジアの平和と繁栄のための『核心軸(linchpin)』」だとバイデン氏は言った。このような比喩は米国の長年のレトリックだ。だが、この表現には大きな差がある。日本・オーストラリアは大きなインド太平洋の安全保障パートナーで、韓国ははるかに狭い北東アジアの同盟と規定した理由だ。
以前はそうではなかった。2013年朴槿恵(パク・クネ)-オバマ、2017年文在寅(ムン・ジェイン)-トランプ首脳会談時は韓米同盟を「アジア太平洋の中心軸」と米国は強調した。結局、韓米同盟の重要性がアジア太平洋から北東アジア次元に縮小されたのだ。
多くの専門家は韓米同盟の地位回復のために韓国のクアッド加入が切実だとみている。それでこそ太平洋インド洋をカバーする同盟として優遇されるというのだ。そのうえクアッドは地震・津波のような自然災害やコロナなど伝染病対応のための協力まで議論する機構だ。だからクアッド参加時にはこれら4カ国の助けも得ることができる。
にも関わらず、現政権は中国の顔色を伺いながらためらう。鄭義溶(チョン・ウィヨン)外交部長官らは最近、「透明性・開放性・包容性などの国際規範を守るなら、いかなる地域協力体とも協力することができる」と明らかにした。一見、クアッド参加宣言のように聞こえるが、ここには「包容性」というものがついている。特定の国、すなわち中国をけん制するなら、これは包容的ではない排他的協力体となる。クアッドに参加しない言い訳ともいえる。THAAD(高硬度ミサイル防衛)体系配備に伴う経済報復も終わっていないのに、中国の機嫌をまた逆なでするようなことをするつもりはないというのが明らかだ。
ではわれわれは米国側に立つべきなのか、あるいは米中双方と適当な距離を置くべきなのか。もちろん答えは出ている。クアッドに入るものの後遺症を最小化するのが最善だ。クアッドは2007年に創設されたが、中国の圧力と日本・オーストラリアが親中政権になって2008年にはうやむやになった。そうしている内に中国の脅威が強まると、2017年日本安倍政権の主導で復活する。注目する部分は、再誕生したクアッドが顕著な反中志向を帯びているにもかかわらず、昨年以降、中国が報復どころか経済交流を増やそうと日本・オーストラリアにシグナルを送っている点だ。そのため中国がクアッド加入を問題にして経済的不利益を与えようとすれば「なぜ韓国だけそのようにするのか」と反撃することができる。
偉大な科学者であり神学者であるアイザック・ニュートンが明らかにしたように、「如才のなさとは敵を作らずに自分を主張することである」。このままいけば、韓国は日本・オーストラリアに至らない「二流同盟国」に転落するのは明らかだ。
ナム・ジョンホ/中央日報コラムニスト
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