ジェームズ・マティス米前国防長官が日米豪印の初めての「クアッド（Ｑｕａｄ）首脳会議」を控えてクアッドの重要性を強調した。

マティス前長官は１０日（現地時間）、米外交専門紙「フォーリン・ポリシー（ＦＰ）」に「クアッドをきちんと実行させるのがバイデン氏の最も重要な課題」という見出しの寄稿文を送って「クアッドがインド・太平洋で民主主義価値に土台を置いた、同じ考えを持っている国々とかたいパートナーシップを主導する最高の機会」と明らかにした。

マティス前長官は「バイデン氏は新型コロナウイルス感染症（新型肺炎）以前よりさらに自信に満ちている中国の台頭に直面している」として「これは海上安保から北朝鮮までアジアでの多様な挑戦に対応することをさらに難しくするだろう」と指摘した。また「このような危険に直面してバイデン行政府がクアッドに力を入れようとするドナルド・トランプ前大統領の路線を継続するのは正しいこと」と強調した。


さらに「クアッドの真の試験台はどのように法治の維持を助け、アジアの安定を助けることができるかということ」とし、クアッド４カ国と協力策を提示した。マティス前長官は▼中国の領有権主張に対抗した海上安保主導参加▼希土類など供給チェーンの確保に向けたクアッドの協力▼クアッド国家共同の次世代移動通信技術の開発－－などを主張した。

バイデン大統領は１２日、日本・インド・オーストラリア首相とテレビ会議で開かれる「クアッド首脳会議」に参加する。

クアッドは中国けん制のための４カ国の非公式協議体で、その間外相会談だけが開催されたが、バイデン行政府発足以降初めて首脳会談を開くことになった。会議では中国向けのけん制戦略と同盟国に期待する役割が具体的に取り上げられるものとみられる。「クアッド」テレビ首脳会議（１２日）以降、米国務・国防長官の「２＋２会談」（１５～１８日）があり、米中高官級会談（１８～１９日）が行われる。

ホワイトハウスは首脳次元の会議が初めて開かれるという点に注目してクアッドの重要性を強調している。

一方、マティス前長官はトランプ行政府の初代国防長官としてシリア軍の撤収などの問題でトランプ前大統領と対立して退いた人物だ。