1902年、2つの島国が手を握りました。産業革命の先頭走者で強大な海軍力を基に全世界を令した大英帝国、そして英国のように帝国になることを夢見た日本が同盟を結んだのです。20世紀の北東アジアの地図を揺るがし、韓半島(朝鮮半島)の運命にも決定的な影響を及ぼした日英同盟です。
ところでこの両国の最近の動きが尋常でありません。米国を輪に密着する姿はあたかも120年前の状況が再現されているようだという話も出ています。
20世紀初めに覇権国の英国が日本と手を握ったのはロシアの膨張を警戒してのものでした。最近の密着もやはり覇権国の米国が中国の崛起を防ぐために同盟間の結束を強化する過程で起きています。
◇英空母、日本近海に異例の長期派遣
日米同盟は第2次大戦以降続いた北東アジアの地政学の定数でした。ここに早くに日本との同盟関係を清算した英国までどんどん日本に視線を転じている姿は注目されます。2015年の英国のEU離脱決定前から英国は日本をアジアで最も近い安保協力国と指し示しておりその後だんだん密着してきました。
先月初めに英国と日本は外務・防衛閣僚会合(2+2)を開き、今年インド太平洋地域で日米英3カ国合同演習をすることにしました。英国はこの演習に向け2017年に建造した最新鋭空母で英国海軍最大級艦艇の「クイーンエリザベス」(全長280メートル・満載トン数6万5000トン)を日本近海に長期派遣することにしました。
英国の空母が北東アジア近海で長期間任務を遂行するのは異例です。これまでこの地域には米国と周辺国以外の国の空母が長期間とどまったことがないためです。国立外交院のチョン・ヘウォン教授は「四方を海に囲まれた英国がアジアに目を向ける時に日本と密着しなければならない理由の中には、日本の地政学的な位置、すなわち空母を長期間派遣する時に停泊と支援が容易だという要素もある」と説明しました。
◇中国牽制に乗り出した「アングロスフィア」、日本と密着
興味深いのはこうした様相がいわゆる「アングロスフィア」復活の動きとともに進んでいるということです。アングロスフィアは英語を使い似た文化的価値観を共有する圏域を称します。英国、米国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドなどです。情報機密を共有するいわゆる「ファイブ・アイズ」を構成する国々です。
これらの国をひとつにまとめさせる契機は中国の浮上です。覇権国の米国が新興覇権を夢見る中国を牽制するのは別の見方をすれば当然に見えます。ここに英国もEU離脱後にアジアに目を向け対中牽制の先鋒に乗り出しています。今年に入ってからもウイグルの少数民族弾圧をBBCが率先して暴露し、中国の反発にも香港人に移民の門戸を開きました。オーストラリアも侮れないです。原材料輸出で生きる国が損害を甘受して大口取引先の中国とやり合う紛争を行っています。カナダも昨年香港とファーウェイ問題を挙げて中国に対する制裁に着手しました。こうした粘り強い連帯は同じ西側国でありながら中国が関連した問題では留保的姿勢を見せるドイツやフランスと対照的な動きです。
ところでアングロスフィア諸国が約束でもしたかのように日本と密着しています。北東アジアで中国と対立点を立てられる国であるためです。あたかも120年前に英国がロシアを牽制する馬を探している時に日本がすでにロシアとの戦争を準備していたという状況を連想させます。国立外交院のキム・ハングォン教授は「中国に積極的に対抗してきた前歴も反中戦線を構築しようとする米国と英国に『信頼感』を与える要因だろう」と評価しました。
◇米シンクタンク「日本含む『シックス・アイズ』構築しなければ」
これらの国の結束はまず「情報同盟」として現れる可能性があります。「ファイブ・アイズ」に日本を参加させるべきという声が出ているためです。
昨年12月に米戦略国際問題研究所(CSIS)は日本が含まれた「シックス・アイズ」の構築に向けワシントンと東京が真剣に努力を傾けるべき時だと提言する報告書を発表しました。いわゆる「第5次アーミテージ・ナイ報告書」で、アーミテージ元国務副長官と著名な国際政治学者であるハーバード大学のジョセフ・ナイ客員教授が作成しました。過去4回のアーミテージ・ナイ報告書は日米同盟強化に寄与してきたという評価を受けています。CSISも報告書を発表し、「解決策:日本はファイブ・アイズの公式メンバーになる準備ができた」と編集者の注釈を付けました。
別の見方をすれば「血縁同盟」と見ることもできるアングロサクソン族を基盤とする国の会合に日本が公式参加する可能性を排除することはできない雰囲気ということでしょう。たとえシックス・アイズが公式化できなくても、こうした話が出ているということ自体が最近の域内の雰囲気を反映しているという評価です。中国国営メディアのグローバルタイムズもアーミテージ・ナイ報告書に対し「日本はファイブ・アイズに加入しようという意志は強いが能力が弱いというのが障害」としながらも、「とにかく日本はこれら同盟にさらに近づくだろう」と予想しました。
シックス・アイズではなくてもこれらの国が結合できる方法は多様です。米国が打ち出した日米豪印4カ国の安保協力体のクアッドが代表的に挙げられます。日本が事実上クアッドの事務局の役割をしている中で英国もクアッド参加に関心を傾けています。また、英国はG7に韓国、オーストラリア、インドを加えた民主主義10カ国(D10)協議体も提案しています。
◇第2のグレートゲーム、日本に「再武装」の機会?
20世紀初めに日本がいち早く列強の隊列に上がったのは英国の全方向的支援のおかげです。英国は19世紀の間中ロシアとユーラシア覇権をめぐり「グレートゲーム」を行いました。多くの植民地管理とボーア戦争をするため南下するロシアを抑える資源が不足した英国は北東アジアで日本をパートナーとしてロシアを叩きました。この過程で日本は軍事力を増強し、朝鮮を植民地化するなど、帝国の道に進むことになります。
中国を牽制しようとする21世紀のアングロスフィアと日本の密着は、日本に再武装の名分を与えることになりかねないという観測が多いです。太平洋戦争後に戦争をすることはできない国になった日本は「普通の国」になるため物心両面の努力を傾けてきました。米国外交協会のシーラ・スミス専任研究員は著書『日本の再武装』で、「中国の浮上」と「米国の世界の警察の役割低下」などが経済だけでなく軍事的にも強大な日本を誕生させるだろうという見通しを出したりもしました。
CNNが先月伝えたところによると、日本の自衛隊は昨年米国の船舶や航空機防衛のため合計25回の任務を遂行しました。これは前年の14回に比べ実に78%の増加です。これについてCNNは「アジアで最も強力な2つの軍隊の統合の動きが増加している」と論評しました。
米国務省は4日、日米両国の外交・国防当局者が中国の海警局に武器の使用を認める「海警法」に対する懸念を共有する内容の審議官級協議をしたと明らかにし、「日米同盟はいつになく堅固だ」と明らかにしました。NHKによると今回の会談では日米両国の外務・防衛閣僚協議である2+2会談の開催も話し合われたとみられます。
ブリンケン米国務長官とオースティン国防長官が15日に訪日すると発表されました。両長官の訪日期間中に日本の茂木敏充外相と岸信夫防衛相と会い、インド太平洋地域の問題を話し合うといいます。続けて韓国も訪れるとみられます。
初の国務省演説で中国牽制を「21世紀最大の地政学的試験」と言及したブリンケン長官はおそらく120年前の英国のように「グレートゲーム」を構想するようです。彼が「第2のグレートゲーム」で日本、そして韓国に要請する役割が何なのか注目されます。
ところでこの両国の最近の動きが尋常でありません。米国を輪に密着する姿はあたかも120年前の状況が再現されているようだという話も出ています。
20世紀初めに覇権国の英国が日本と手を握ったのはロシアの膨張を警戒してのものでした。最近の密着もやはり覇権国の米国が中国の崛起を防ぐために同盟間の結束を強化する過程で起きています。
◇英空母、日本近海に異例の長期派遣
日米同盟は第2次大戦以降続いた北東アジアの地政学の定数でした。ここに早くに日本との同盟関係を清算した英国までどんどん日本に視線を転じている姿は注目されます。2015年の英国のEU離脱決定前から英国は日本をアジアで最も近い安保協力国と指し示しておりその後だんだん密着してきました。
先月初めに英国と日本は外務・防衛閣僚会合(2+2)を開き、今年インド太平洋地域で日米英3カ国合同演習をすることにしました。英国はこの演習に向け2017年に建造した最新鋭空母で英国海軍最大級艦艇の「クイーンエリザベス」(全長280メートル・満載トン数6万5000トン)を日本近海に長期派遣することにしました。
英国の空母が北東アジア近海で長期間任務を遂行するのは異例です。これまでこの地域には米国と周辺国以外の国の空母が長期間とどまったことがないためです。国立外交院のチョン・ヘウォン教授は「四方を海に囲まれた英国がアジアに目を向ける時に日本と密着しなければならない理由の中には、日本の地政学的な位置、すなわち空母を長期間派遣する時に停泊と支援が容易だという要素もある」と説明しました。
◇中国牽制に乗り出した「アングロスフィア」、日本と密着
興味深いのはこうした様相がいわゆる「アングロスフィア」復活の動きとともに進んでいるということです。アングロスフィアは英語を使い似た文化的価値観を共有する圏域を称します。英国、米国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドなどです。情報機密を共有するいわゆる「ファイブ・アイズ」を構成する国々です。
これらの国をひとつにまとめさせる契機は中国の浮上です。覇権国の米国が新興覇権を夢見る中国を牽制するのは別の見方をすれば当然に見えます。ここに英国もEU離脱後にアジアに目を向け対中牽制の先鋒に乗り出しています。今年に入ってからもウイグルの少数民族弾圧をBBCが率先して暴露し、中国の反発にも香港人に移民の門戸を開きました。オーストラリアも侮れないです。原材料輸出で生きる国が損害を甘受して大口取引先の中国とやり合う紛争を行っています。カナダも昨年香港とファーウェイ問題を挙げて中国に対する制裁に着手しました。こうした粘り強い連帯は同じ西側国でありながら中国が関連した問題では留保的姿勢を見せるドイツやフランスと対照的な動きです。
ところでアングロスフィア諸国が約束でもしたかのように日本と密着しています。北東アジアで中国と対立点を立てられる国であるためです。あたかも120年前に英国がロシアを牽制する馬を探している時に日本がすでにロシアとの戦争を準備していたという状況を連想させます。国立外交院のキム・ハングォン教授は「中国に積極的に対抗してきた前歴も反中戦線を構築しようとする米国と英国に『信頼感』を与える要因だろう」と評価しました。
◇米シンクタンク「日本含む『シックス・アイズ』構築しなければ」
これらの国の結束はまず「情報同盟」として現れる可能性があります。「ファイブ・アイズ」に日本を参加させるべきという声が出ているためです。
昨年12月に米戦略国際問題研究所(CSIS)は日本が含まれた「シックス・アイズ」の構築に向けワシントンと東京が真剣に努力を傾けるべき時だと提言する報告書を発表しました。いわゆる「第5次アーミテージ・ナイ報告書」で、アーミテージ元国務副長官と著名な国際政治学者であるハーバード大学のジョセフ・ナイ客員教授が作成しました。過去4回のアーミテージ・ナイ報告書は日米同盟強化に寄与してきたという評価を受けています。CSISも報告書を発表し、「解決策:日本はファイブ・アイズの公式メンバーになる準備ができた」と編集者の注釈を付けました。
別の見方をすれば「血縁同盟」と見ることもできるアングロサクソン族を基盤とする国の会合に日本が公式参加する可能性を排除することはできない雰囲気ということでしょう。たとえシックス・アイズが公式化できなくても、こうした話が出ているということ自体が最近の域内の雰囲気を反映しているという評価です。中国国営メディアのグローバルタイムズもアーミテージ・ナイ報告書に対し「日本はファイブ・アイズに加入しようという意志は強いが能力が弱いというのが障害」としながらも、「とにかく日本はこれら同盟にさらに近づくだろう」と予想しました。
シックス・アイズではなくてもこれらの国が結合できる方法は多様です。米国が打ち出した日米豪印4カ国の安保協力体のクアッドが代表的に挙げられます。日本が事実上クアッドの事務局の役割をしている中で英国もクアッド参加に関心を傾けています。また、英国はG7に韓国、オーストラリア、インドを加えた民主主義10カ国(D10)協議体も提案しています。
◇第2のグレートゲーム、日本に「再武装」の機会?
20世紀初めに日本がいち早く列強の隊列に上がったのは英国の全方向的支援のおかげです。英国は19世紀の間中ロシアとユーラシア覇権をめぐり「グレートゲーム」を行いました。多くの植民地管理とボーア戦争をするため南下するロシアを抑える資源が不足した英国は北東アジアで日本をパートナーとしてロシアを叩きました。この過程で日本は軍事力を増強し、朝鮮を植民地化するなど、帝国の道に進むことになります。
中国を牽制しようとする21世紀のアングロスフィアと日本の密着は、日本に再武装の名分を与えることになりかねないという観測が多いです。太平洋戦争後に戦争をすることはできない国になった日本は「普通の国」になるため物心両面の努力を傾けてきました。米国外交協会のシーラ・スミス専任研究員は著書『日本の再武装』で、「中国の浮上」と「米国の世界の警察の役割低下」などが経済だけでなく軍事的にも強大な日本を誕生させるだろうという見通しを出したりもしました。
CNNが先月伝えたところによると、日本の自衛隊は昨年米国の船舶や航空機防衛のため合計25回の任務を遂行しました。これは前年の14回に比べ実に78%の増加です。これについてCNNは「アジアで最も強力な2つの軍隊の統合の動きが増加している」と論評しました。
米国務省は4日、日米両国の外交・国防当局者が中国の海警局に武器の使用を認める「海警法」に対する懸念を共有する内容の審議官級協議をしたと明らかにし、「日米同盟はいつになく堅固だ」と明らかにしました。NHKによると今回の会談では日米両国の外務・防衛閣僚協議である2+2会談の開催も話し合われたとみられます。
ブリンケン米国務長官とオースティン国防長官が15日に訪日すると発表されました。両長官の訪日期間中に日本の茂木敏充外相と岸信夫防衛相と会い、インド太平洋地域の問題を話し合うといいます。続けて韓国も訪れるとみられます。
初の国務省演説で中国牽制を「21世紀最大の地政学的試験」と言及したブリンケン長官はおそらく120年前の英国のように「グレートゲーム」を構想するようです。彼が「第2のグレートゲーム」で日本、そして韓国に要請する役割が何なのか注目されます。
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