辞意を表明した尹錫悦(ユン・ソクヨル)検察総長が4日午後、ソウル瑞草区(ソチョグ)大検察庁ロビーで職員と挨拶を交わした後、花束を持って庁舎を離れている。キム・ギョンロク記者
野党圏では尹氏の辞退が反文勢力の結集につながり、補欠選挙で有利な効果を上げるだろうという見通しを出している。ただし、尹氏と懇意にしている複数の人々は「『政治をするために職を辞した』という与党圏フレームに巻き込まれないためにも、尹氏が直接選挙戦に参戦する可能性は低い」とし「その代わり、重捜庁などの懸案に対する与党圏の攻勢には尹氏が積極的に反論するものとみられる」と話した。
野党圏の一部では再・補欠選挙の終盤に尹氏がサプライズで応援遊説に出る可能性も排除しないでいる。選挙の時に票を集める力を見せてこそ政界の発言権が大きくなるためだ。
再・補欠選挙以降の歩みも重要だ。尹氏が国民の力に入党するのではなく「講演政治」で政界にソフトランディングを試みて状況を見るだろうという見通しもある。国民の力のある重鎮議員は「伝統的保守支持層の立場では、積弊清算捜査を主導した尹氏はどちらにしても扱いにくい。同様の理由で、尹氏も国民の力への入党は気まずい」としながら「再・補欠選挙以降、尹氏が中道・保守をまとめる政界再編のキーを握ることもできる」と分析した。野党圏では尹氏の「4月創党説」も出回っている。尹氏は野党圏走者のうちでは大統領選挙支持率が最も高い。エムブレインパブリック・ケイスタットリサーチ・コリアリサーチ・韓国リサーチの今月1~3日の調査では9%の支持率を記録した。今年初めのリアルメーターの調査では30%を超えて1位を占めたこともある。
達弁にして顔が広いという評価を受けている尹氏は政界要人にも太いパイプを持つ。尹氏と縁が深い代表的な要人には鄭点植(チョン・ジョムシク)国民の力議員が挙げられる。2人は初任検事を大邱地検で一緒に始めた縁がある。司法研修院20期である鄭議員が尹氏より3期先輩だ。反面、尹氏は鄭議員のソウル大法大の5年先輩だ。私席で尹氏は鄭議員を「鄭公」、鄭議員は尹氏のことを「ヒョン(男性同士で年上に対して親しみを込めて呼ぶもの)」と呼ぶという。
安哲秀(アン・チョルス)国民の党代表とも縁がある。安代表は1月、YouTube(ユーチューブ)放送で「尹氏が〔水原(スウォン)地検〕驪州(ヨジュ)支庁に左遷されて厳しい時期に一度会って食事をしたことがある」とし「多分私もそうだったが、互いに好感を感じた」と話した。
尹氏は民主党ソウル市長候補に選出された朴映宣(パク・ヨンソン)前中小ベンチャー企業部長官とも近いという。明確な大統領候補がない野党圏の環境上、尹氏周辺に有力者がさらに集まる可能性もある。尹氏が政治の扉の前に立った。
「国民を守る」…韓国大統領選挙1年先の尹錫悦氏、リングの前に立つ(1)
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