2019年7月に就任した尹氏は、チョ・グク前法務部長官一家など「生きている権力」を捜査して現与党圏から急激に遠ざかった。秋美愛(チュ・ミエ)前法務部長官の在任期には検察人事の協議や主要事件の捜査指揮から排除され、昨年11月には現職検察総長としては初めて職務停止・懲戒を受けたりもした。裁判所の執行停止により職務に復帰した後は、与党圏からの自主辞退要求が激しかったが一歩も引かなかった。しかし関係回復を期待した朴範界(パク・ポムゲ)法務部長官が先月7日、検察高位級幹部人事で李盛潤(イ・ソンユン)ソウル中央地検長と最高検察庁の参謀陣を交代してほしいという自身の意見を「パッシング」したうえに、先月9日、重捜庁法が与党「共に民主党」内強硬派の主導で発議されて去就を悩み始めた。尹氏は辞意表明前、周辺に「民主主義と法治主義守護のために検察に残っていてはこれ以上すべき仕事がない」という考えを語っていたという。野党圏の「場外優良株」だった尹氏が実際に政治的活動に突入するなら、大統領選挙にも相当な構図変化が予想される。差し当たっては、来月7日に行われるソウル・釜山(プサン)市長補欠選挙が関心だ。この選挙の結果によって、今後尹氏が政治的にどう動くか、その輪郭が表れるかもしれないためだ。
野党圏では尹氏の辞退が反文勢力の結集につながり、補欠選挙で有利な効果を上げるだろうという見通しを出している。ただし、尹氏と懇意にしている複数の人々は「『政治をするために職を辞した』という与党圏フレームに巻き込まれないためにも、尹氏が直接選挙戦に参戦する可能性は低い」とし「その代わり、重捜庁などの懸案に対する与党圏の攻勢には尹氏が積極的に反論するものとみられる」と話した。
野党圏の一部では再・補欠選挙の終盤に尹氏がサプライズで応援遊説に出る可能性も排除しないでいる。選挙の時に票を集める力を見せてこそ政界の発言権が大きくなるためだ。
再・補欠選挙以降の歩みも重要だ。尹氏が国民の力に入党するのではなく「講演政治」で政界にソフトランディングを試みて状況を見るだろうという見通しもある。国民の力のある重鎮議員は「伝統的保守支持層の立場では、積弊清算捜査を主導した尹氏はどちらにしても扱いにくい。同様の理由で、尹氏も国民の力への入党は気まずい」としながら「再・補欠選挙以降、尹氏が中道・保守をまとめる政界再編のキーを握ることもできる」と分析した。野党圏では尹氏の「4月創党説」も出回っている。尹氏は野党圏走者のうちでは大統領選挙支持率が最も高い。エムブレインパブリック・ケイスタットリサーチ・コリアリサーチ・韓国リサーチの今月1~3日の調査では9%の支持率を記録した。今年初めのリアルメーターの調査では30%を超えて1位を占めたこともある。
達弁にして顔が広いという評価を受けている尹氏は政界要人にも太いパイプを持つ。尹氏と縁が深い代表的な要人には鄭点植(チョン・ジョムシク)国民の力議員が挙げられる。2人は初任検事を大邱地検で一緒に始めた縁がある。司法研修院20期である鄭議員が尹氏より3期先輩だ。反面、尹氏は鄭議員のソウル大法大の5年先輩だ。私席で尹氏は鄭議員を「鄭公」、鄭議員は尹氏のことを「ヒョン(男性同士で年上に対して親しみを込めて呼ぶもの)」と呼ぶという。
安哲秀(アン・チョルス)国民の党代表とも縁がある。安代表は1月、YouTube(ユーチューブ)放送で「尹氏が〔水原(スウォン)地検〕驪州(ヨジュ)支庁に左遷されて厳しい時期に一度会って食事をしたことがある」とし「多分私もそうだったが、互いに好感を感じた」と話した。
尹氏は民主党ソウル市長候補に選出された朴映宣(パク・ヨンソン)前中小ベンチャー企業部長官とも近いという。明確な大統領候補がない野党圏の環境上、尹氏周辺に有力者がさらに集まる可能性もある。尹氏が政治の扉の前に立った。
「国民を守る」…韓国大統領選挙1年先の尹錫悦氏、リングの前に立つ(1)
野党圏では尹氏の辞退が反文勢力の結集につながり、補欠選挙で有利な効果を上げるだろうという見通しを出している。ただし、尹氏と懇意にしている複数の人々は「『政治をするために職を辞した』という与党圏フレームに巻き込まれないためにも、尹氏が直接選挙戦に参戦する可能性は低い」とし「その代わり、重捜庁などの懸案に対する与党圏の攻勢には尹氏が積極的に反論するものとみられる」と話した。
野党圏の一部では再・補欠選挙の終盤に尹氏がサプライズで応援遊説に出る可能性も排除しないでいる。選挙の時に票を集める力を見せてこそ政界の発言権が大きくなるためだ。
再・補欠選挙以降の歩みも重要だ。尹氏が国民の力に入党するのではなく「講演政治」で政界にソフトランディングを試みて状況を見るだろうという見通しもある。国民の力のある重鎮議員は「伝統的保守支持層の立場では、積弊清算捜査を主導した尹氏はどちらにしても扱いにくい。同様の理由で、尹氏も国民の力への入党は気まずい」としながら「再・補欠選挙以降、尹氏が中道・保守をまとめる政界再編のキーを握ることもできる」と分析した。野党圏では尹氏の「4月創党説」も出回っている。尹氏は野党圏走者のうちでは大統領選挙支持率が最も高い。エムブレインパブリック・ケイスタットリサーチ・コリアリサーチ・韓国リサーチの今月1~3日の調査では9%の支持率を記録した。今年初めのリアルメーターの調査では30%を超えて1位を占めたこともある。
達弁にして顔が広いという評価を受けている尹氏は政界要人にも太いパイプを持つ。尹氏と縁が深い代表的な要人には鄭点植(チョン・ジョムシク)国民の力議員が挙げられる。2人は初任検事を大邱地検で一緒に始めた縁がある。司法研修院20期である鄭議員が尹氏より3期先輩だ。反面、尹氏は鄭議員のソウル大法大の5年先輩だ。私席で尹氏は鄭議員を「鄭公」、鄭議員は尹氏のことを「ヒョン(男性同士で年上に対して親しみを込めて呼ぶもの)」と呼ぶという。
安哲秀(アン・チョルス)国民の党代表とも縁がある。安代表は1月、YouTube(ユーチューブ)放送で「尹氏が〔水原(スウォン)地検〕驪州(ヨジュ)支庁に左遷されて厳しい時期に一度会って食事をしたことがある」とし「多分私もそうだったが、互いに好感を感じた」と話した。
尹氏は民主党ソウル市長候補に選出された朴映宣(パク・ヨンソン)前中小ベンチャー企業部長官とも近いという。明確な大統領候補がない野党圏の環境上、尹氏周辺に有力者がさらに集まる可能性もある。尹氏が政治の扉の前に立った。
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