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「国民を守る」…韓国大統領選挙1年先の尹錫悦氏、リングの前に立つ(1)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

尹錫悦(ユン・ソクヨル)検察総長が任期満了まで4カ月を残して4日、辞意を表明した。尹総長はこの日大検察庁に出勤して「今日総長を辞職しようと思う」としながら「この国を支えてきた憲法精神と法治システムが破壊しつつある。常識・正義が崩れていくのをこれ以上見ていることはできない」と話した。イム・ヒョンドン記者

韓国の尹錫悦(ユン・ソクヨル)検察総長が4日、電撃辞任した。任命から588日だ。文在寅(ムン・ジェイン)大統領は辞職願提出から1時間15分後、辞意を受け入れた。文大統領が検察総長に抜てきしたが、尹氏は与党圏に対して直撃を飛ばして離れた。2人は来年の大統領選挙を控えて互いに政治的対称点に向かっている。

「尹錫悦の3日間」はメッセージだった。尹氏は中央日報などメディアインタビュー(2~3日)で重大犯罪捜査庁(重捜庁)の設置に反発して「歴史の後退だ」「職を賭す」として背水の陣を敷いた。3日には大邱(テグ)高等検察・地検を訪れて「検察捜査権完全剥奪は腐敗が完全に幅をきかせることになる」とし、与党圏に対する批判水位を最大化させた。そうした後に選んだカードが辞意だった。尹氏はこの日午後、大検察庁に出勤して「この国を支えてきた憲法精神と法治システムが破壊しつつある。その被害はそのまま国民に返ってくる」としながら「この社会が苦しい思いをして築いてきた正義と常識が崩れていくのを、これ以上、見ていることはできない」と話した。あわせて「検察として私がすることはここまで」とし「今日、総長を辞職しようと思う」と明らかにした。

3日間の一連の行動で尹氏が見せた「時点・場所・事件」の3拍子は尹氏の「辞任=出馬表」という解釈の信憑性を高めた。尹氏は検事が退職後1年間は公職選挙に出馬できなくしたいわゆる「尹錫悦防止法」に該当する5日前の4日に辞表を出した。現行公職選挙法では選挙90日前に辞退すればよいが、与党圏「開かれた民主党」の崔康旭(チェ・カンウク)議員が1年前(3月9日)辞退義務法案を発議したが、尹氏の辞任で無為になった(時点)。


総長としての最後の公式日程として、大邱(テグ)を訪れたことも格別の意味を持つ。尹氏は保守の心臓である大邱で文在寅政府を正面攻撃し、そこでは大統領候補出征式のような雰囲気も演出された。政治的意味が相当なものになる(場所)。そのうえ尹氏辞任の名分は、与党圏が激しく追求している検察捜査権完全剥奪のための重捜庁設置反対だった。尹氏は反文の象徴になろうとしているのかもしれない。辞意表明後、検察全職員に配布した「検察の家族に差し上げる文」にも「検察の捜査権廃止と重捜庁の設置は検察改革ではない」と書いた(事件)。

尹氏はこの日、辞職の弁の至るところに出馬表を連想させる跡も残した。尹氏はこの日、「私が今までしてきたことと同じように、今後もどのような位置にあろうとも、自由民主主義を守り、国民を保護するために力を尽くす」と言ったり、職員に送った文には「これからは我が国の民主主義と法治主義を守るために憲法が付与した私の最後の責務を全うしたいと思う」と記した。尹氏は「政界進出」という表現こそ使わなかったが、結局その歩の先は大統領選挙に向かっていることを疑う人はほとんどいない状況になった。

野党「国民の力」の金度邑(キム・ドウプ)議員は「次期の時代精神は法治と原則になるだろう」としながら「彼の大統領選挙時刻表が前倒しになった」と話した。


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