失敗に終わった2019年のハノイ米朝首脳会談以降、我々は「厄介な真実」に向き合うことになった。「北の核を頭に載せて暮らすことになるかもしれない」」という運命のことだ。それで我々は重大な決断をしなければいけない状況に追い込まれた。北朝鮮の核の脅威にただ振り回されるのか、それとも別の代案を探すのか。
これに関連して各国の外交・安保専門家らが最近、重要な解決法を提示し、関心を集めている。欧州と同じように太平洋地域でも米国と同盟国が核の運用を協議して決定する「アジア核計画グループ」(Asian Nuclear planning Group=ANPG)を創設しようということだ。
こうした中、米国では重大な変化が生じた。首脳間の談判を通じて北朝鮮の非核化を追求したトランプ大統領が退き、同盟との協力の中で伝統的なボトムアップ式交渉を好むバイデン政権が誕生したのだ。バイデン政権は発足直後からトランプ政権当時とは異なる外交政策を見せている。では、韓半島(朝鮮半島)周辺ではどのような変化が予想され、我々はどう対応すべきなのだろうか。
◆「北核、解決でなく管理の対象」
先月27日、米ワシントンの国務省のブリーフィングルーム。前日に就任したブリンケン新国務長官が初めて記者会見を行った。国務省トップの所信を直接聞くことでバイデン政権の外交的性向を予想することができる意味のある席だった。ブリンケン長官が最初に話したのはイエメンの内戦だった。その後、ロシア、UAE、アフガニスタン、中国とインドの問題に言及した。しかし20分間の記者会見で「韓国(Korea)」という単語は一度も登場しなかった。
2018年4月に行われたポンペオ前国務長官の最初の記者会見は完全に違った。ベルギー・ブリュッセルの北大西洋条約機構(NATO)本部で行われた記者会見のテーマは2つだった。NATOと北朝鮮核問題だ。12分間の会見で韓国という言葉は9回も登場した。バイデン政権が北朝鮮の非核化をどう考えているのか端的に見せるエピソードだ。
こうした状況で8日に外交専門誌フォーリンアフェアーズのウェブサイトには目を引く記事が掲載された。「外交政策解決論に反対となる事例」というタイトルに、「なぜバイデン政権はグローバル問題を解決でなく管理すべきなのか」というサブタイトルが付いていた。核心の内容は、クリントン政権以降すべての米政権が国際的な難題を無理に解決しようとして事態をさらに悪化させたということだった。したがってこうした問題は解決ではなく管理しなければいけないと、筆者は主張した。そして筆者は北朝鮮の核問題を代表的な事例に挙げた。要するに「バイデン政権は北朝鮮の核問題を完全に解決しようという誘惑に駆られてはいけない」ということだ。
論旨と共に注目すべき点は、筆者がバイデン大統領の上院議員時代に外交担当補佐官として5年以上支えたリチャード・ フォンテーン新アメリカ安全保障センター(CNAS)代表という事実だ。彼がバイデン大統領の外交ブレーンだったという点から推測すると、「北核管理論」は米政権の現在の視点を反映したり、少なからず影響を及ぼす公算が大きい。
さらに米外交のツートップであるブリンケン長官とサリバン大統領補佐官(国家安全保障担当)ともにイラン核交渉を成功に導いた張本人だ。このため北核政策もすべての核プログラム申告、核活動の凍結、一部の核弾頭廃棄と一部の制裁解除という順に進行されるイラン式解決法が適用される可能性が高い。ブリンケン長官は2018年にニューヨークタイムズに「北朝鮮の核問題にも段階別接近方式のイランモデルを適用すべき」という内容の寄稿もしている。
しかし本格的な核兵器開発に着手していないイランとは違い、北朝鮮はすでに30-60個の核兵器を保有したと推定されるだけに、これには否定的な意見も多い。さらにイランの核以外にも中国牽制、イスラエル-パレスチナ紛争およびイエメン内戦事態に最近はミャンマー内紛までが重なり、北朝鮮の核問題は米国の外交順位で後回しにされる可能性がある。
【コラム】北朝鮮・中国を意識して国防力強化の機会を失う韓国(2)
これに関連して各国の外交・安保専門家らが最近、重要な解決法を提示し、関心を集めている。欧州と同じように太平洋地域でも米国と同盟国が核の運用を協議して決定する「アジア核計画グループ」(Asian Nuclear planning Group=ANPG)を創設しようということだ。
こうした中、米国では重大な変化が生じた。首脳間の談判を通じて北朝鮮の非核化を追求したトランプ大統領が退き、同盟との協力の中で伝統的なボトムアップ式交渉を好むバイデン政権が誕生したのだ。バイデン政権は発足直後からトランプ政権当時とは異なる外交政策を見せている。では、韓半島(朝鮮半島)周辺ではどのような変化が予想され、我々はどう対応すべきなのだろうか。
◆「北核、解決でなく管理の対象」
先月27日、米ワシントンの国務省のブリーフィングルーム。前日に就任したブリンケン新国務長官が初めて記者会見を行った。国務省トップの所信を直接聞くことでバイデン政権の外交的性向を予想することができる意味のある席だった。ブリンケン長官が最初に話したのはイエメンの内戦だった。その後、ロシア、UAE、アフガニスタン、中国とインドの問題に言及した。しかし20分間の記者会見で「韓国(Korea)」という単語は一度も登場しなかった。
2018年4月に行われたポンペオ前国務長官の最初の記者会見は完全に違った。ベルギー・ブリュッセルの北大西洋条約機構(NATO)本部で行われた記者会見のテーマは2つだった。NATOと北朝鮮核問題だ。12分間の会見で韓国という言葉は9回も登場した。バイデン政権が北朝鮮の非核化をどう考えているのか端的に見せるエピソードだ。
こうした状況で8日に外交専門誌フォーリンアフェアーズのウェブサイトには目を引く記事が掲載された。「外交政策解決論に反対となる事例」というタイトルに、「なぜバイデン政権はグローバル問題を解決でなく管理すべきなのか」というサブタイトルが付いていた。核心の内容は、クリントン政権以降すべての米政権が国際的な難題を無理に解決しようとして事態をさらに悪化させたということだった。したがってこうした問題は解決ではなく管理しなければいけないと、筆者は主張した。そして筆者は北朝鮮の核問題を代表的な事例に挙げた。要するに「バイデン政権は北朝鮮の核問題を完全に解決しようという誘惑に駆られてはいけない」ということだ。
論旨と共に注目すべき点は、筆者がバイデン大統領の上院議員時代に外交担当補佐官として5年以上支えたリチャード・ フォンテーン新アメリカ安全保障センター(CNAS)代表という事実だ。彼がバイデン大統領の外交ブレーンだったという点から推測すると、「北核管理論」は米政権の現在の視点を反映したり、少なからず影響を及ぼす公算が大きい。
さらに米外交のツートップであるブリンケン長官とサリバン大統領補佐官(国家安全保障担当)ともにイラン核交渉を成功に導いた張本人だ。このため北核政策もすべての核プログラム申告、核活動の凍結、一部の核弾頭廃棄と一部の制裁解除という順に進行されるイラン式解決法が適用される可能性が高い。ブリンケン長官は2018年にニューヨークタイムズに「北朝鮮の核問題にも段階別接近方式のイランモデルを適用すべき」という内容の寄稿もしている。
しかし本格的な核兵器開発に着手していないイランとは違い、北朝鮮はすでに30-60個の核兵器を保有したと推定されるだけに、これには否定的な意見も多い。さらにイランの核以外にも中国牽制、イスラエル-パレスチナ紛争およびイエメン内戦事態に最近はミャンマー内紛までが重なり、北朝鮮の核問題は米国の外交順位で後回しにされる可能性がある。
【コラム】北朝鮮・中国を意識して国防力強化の機会を失う韓国(2)
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