バイデン米大統領は韓国を北東アジアの平和と繁栄のリンチピン(核心軸)、日本をインド太平洋の平和と繁栄の礎石だと述べた。韓日は歴史・領土問題などで葛藤があるが、自由民主主義と市場経済体制、人権を重視し、戦後の経済発展を実現させ、北朝鮮の軍事的脅威に対して過去70年間、米国との同盟を中心に同じ道を歩んできた。しかし日本は数年前から外交青書で価値観の共有を削除した。最近は強制徴用問題と慰安婦賠償判決などをめぐる葛藤で荒波が予想される状況だ。新しい韓日関係が強く求められている。バイデン政権もこれを期待している。
これを解決する案として韓日軍事協力を考慮することができる。日本は韓国戦争(朝鮮戦争)以降、米軍と国連軍の後方基地となってきた。現在、北朝鮮の軍事的脅威に対する連合作戦態勢にも重要な役割を担っている。在韓米軍は陸軍中心、在日米軍は海軍・空軍・海兵隊中心に構成され、戦略的に分離することはできない。トランプ大統領はもちろん、バイデン政権が韓日米安保協力を重視する理由だ。
問題は韓日の軍事的信頼に亀裂が生じている点だ。韓日米安全保障協力の要諦となる韓日軍事情報包括保護協定(GSOMIA)はもちろん、哨戒機の問題をめぐる葛藤が最近、韓国の国防白書でまた提起された。軍事専門家らはこれを深刻な危機と規定する。与野党国防委の議員と外交・国防当局者が出席して毎年開かれる韓日安保戦略対話で海上・空中事故防止のために韓日協定を締結すべきという提案が出てきたが、実行されていない。最近は東海(トンヘ、日本名・日本海)上で中国・ロシア軍用機の訓練が増え、領空侵犯など偶発的な衝突状況が憂慮される。特に今月1日の中国海洋警察法発効で海上での武力衝突の危険が高まった。
これを克服するための第一歩として韓日国防長官会談を提案する。韓日の軍事的な信頼は韓日関係の支柱だ。韓日軍事関係は米国との同盟に基づいて友好的な協力関係を増進し、その土台は簡単には崩れないけれが、ダムの崩壊は亀裂から始まる。いま軍事的信頼を回復しなければ、有事の際、危機が現実になるという歴史的教訓を忘れてはならない。韓日首脳部が率直に相互問題を議論することが重要だ。国連安保理の対北朝鮮制裁専門家パネル報告書は北朝鮮・イランの長距離ミサイル協力を指摘していて、コロナ対処、ホルムズ海峡派兵など懸案が山積している。韓日国防長官は受話器を握って米国の対北朝鮮政策と北東アジア安保懸案に関して戦略的なコミュニケーションを取る必要がある。
最近、韓国軍が潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の地上射出試験を終えたという情報があった。今年末に水中射出試験を終えれば、名実共にSLBM保有国となる。北朝鮮が年初から党大会を開いて軍事パレードを実施し、SLBM改良などを通じた核武力強化で不安が高まっている中、韓国軍がよく対応していることに安堵した。
しかし我々が日本の軽空母推進を憂慮するように日本も我々の戦力増強に不安な視線を向けている。韓日首脳部と軍事分野別の対話チャンネルを通じてその背景を事前に説明し、韓日米連合作戦態勢レベルで統合調整をする努力が重要となる。
本当の危機は、危機が危機であることを把握できない時にくる。韓日併呑と韓国戦争の悲劇がその例だ。バイデン政権の同盟戦略と韓半島(朝鮮半島)政策が具体化する前に、北東アジアの平和と安定のリンチピンであり礎石である韓国・日本のコミュニケーションが求められる。バイデン政権は韓日国防長官会談を期待している。
権泰煥(クォン・テファン)/韓国国防外交協会長/韓日ビジョンフォーラム委員
◇外部執筆者のコラムは中央日報の編集方針と異なる場合があります。
これを解決する案として韓日軍事協力を考慮することができる。日本は韓国戦争(朝鮮戦争)以降、米軍と国連軍の後方基地となってきた。現在、北朝鮮の軍事的脅威に対する連合作戦態勢にも重要な役割を担っている。在韓米軍は陸軍中心、在日米軍は海軍・空軍・海兵隊中心に構成され、戦略的に分離することはできない。トランプ大統領はもちろん、バイデン政権が韓日米安保協力を重視する理由だ。
問題は韓日の軍事的信頼に亀裂が生じている点だ。韓日米安全保障協力の要諦となる韓日軍事情報包括保護協定(GSOMIA)はもちろん、哨戒機の問題をめぐる葛藤が最近、韓国の国防白書でまた提起された。軍事専門家らはこれを深刻な危機と規定する。与野党国防委の議員と外交・国防当局者が出席して毎年開かれる韓日安保戦略対話で海上・空中事故防止のために韓日協定を締結すべきという提案が出てきたが、実行されていない。最近は東海(トンヘ、日本名・日本海)上で中国・ロシア軍用機の訓練が増え、領空侵犯など偶発的な衝突状況が憂慮される。特に今月1日の中国海洋警察法発効で海上での武力衝突の危険が高まった。
これを克服するための第一歩として韓日国防長官会談を提案する。韓日の軍事的な信頼は韓日関係の支柱だ。韓日軍事関係は米国との同盟に基づいて友好的な協力関係を増進し、その土台は簡単には崩れないけれが、ダムの崩壊は亀裂から始まる。いま軍事的信頼を回復しなければ、有事の際、危機が現実になるという歴史的教訓を忘れてはならない。韓日首脳部が率直に相互問題を議論することが重要だ。国連安保理の対北朝鮮制裁専門家パネル報告書は北朝鮮・イランの長距離ミサイル協力を指摘していて、コロナ対処、ホルムズ海峡派兵など懸案が山積している。韓日国防長官は受話器を握って米国の対北朝鮮政策と北東アジア安保懸案に関して戦略的なコミュニケーションを取る必要がある。
最近、韓国軍が潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の地上射出試験を終えたという情報があった。今年末に水中射出試験を終えれば、名実共にSLBM保有国となる。北朝鮮が年初から党大会を開いて軍事パレードを実施し、SLBM改良などを通じた核武力強化で不安が高まっている中、韓国軍がよく対応していることに安堵した。
しかし我々が日本の軽空母推進を憂慮するように日本も我々の戦力増強に不安な視線を向けている。韓日首脳部と軍事分野別の対話チャンネルを通じてその背景を事前に説明し、韓日米連合作戦態勢レベルで統合調整をする努力が重要となる。
本当の危機は、危機が危機であることを把握できない時にくる。韓日併呑と韓国戦争の悲劇がその例だ。バイデン政権の同盟戦略と韓半島(朝鮮半島)政策が具体化する前に、北東アジアの平和と安定のリンチピンであり礎石である韓国・日本のコミュニケーションが求められる。バイデン政権は韓日国防長官会談を期待している。
権泰煥(クォン・テファン)/韓国国防外交協会長/韓日ビジョンフォーラム委員
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