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韓国初の裁判官弾劾、その始まりは日本記者が書いたこの「セウォル号記事」

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

2014年4月16日、セウォル号沈没事故関連中央災難安全対策本部を訪問した朴槿恵前大統領。[中央フォト]

共に民主党など与党陣営の国会議員が1日、林成根(イム・ソングン)釜山(プサン)高裁部長判事に対する弾劾訴追案を発議した。弾劾案発議に賛同した161人の議員は弾劾事由の1つとして「セウォル号7時間疑惑に関する朴槿恵(パク・クネ)大統領の名誉毀損裁判」を挙げた。弾劾訴追案には、当時青瓦台(チョンワデ、韓国大統領府)民政首席から法院行政処、林部長判事につながった裁判関与疑惑が盛り込まれた。日本記者の「セウォル号7時間疑惑」の記事がどのように史上初の裁判官弾劾案発議まで招いたのだろうか。

◇2014年8月

日本産経新聞の加藤達也ソウル支局長(当時)は「追跡~ソウル発 朴槿恵大統領が旅客船沈没当日、行方不明に…誰と会っていた?」という見出しの記事を作成した。証券街関係者などを引用し、「朴前大統領が4月16日のセウォル号惨事当日’秘線’チョン・ユンフェ氏に会った」と書いた。


◇2014年10月

検察は「女性大統領に不適切な男女関係があるなど虚偽事実を摘示し、大統領の名誉を毀損した」とし、加藤支局長を裁判に渡した。

◇2015年2~3月に

李誕熙(イ・タンフィ)共に民主党議員などが代表発議した弾劾訴追案によると、林成根部長判事はこの頃、林鍾憲(イム・ジョンホン)裁判所行政処次長(当時)の電話を受けた。「朴前大統領のセウォル号7時間の行跡について(記事の内容が)虚偽である点が明らかになれば、その部分は法廷で言及して進めてほしい」という内容だった。林部長判事は、事件を引き受けた裁判長李東根(イ・ドングン)部長判事を呼び、「女性大統領が某所で他の男性に会ったという部分は非常に致命的な部分で、国民の関心も多くの部分だから裁判の過程で、その部分を明確に整理して進めた方が良い」という趣旨の言葉を伝えた。

◇2015年3月30日

林部長判事に話を聞いた裁判長は、実際に法廷で「セウォル号事件当日、チョン・ユンフェは大統領に会っていないし、産経新聞が記載した噂の内容は虚偽だという点が証明されたとみられる」と述べた。

◇2015年11月

林部長判事は林鍾憲次長から再び電話を受ける。判決理由に記事が虚偽という点は明確にする必要があり、加藤支局長の行為が望ましいものではないという内容が入らなければならないという趣旨だった。

林部長判事は再び裁判長を呼び、「加藤支局長に無罪判決をしても、単純に終わらせてはならない。無罪ではあるものの、彼の取った行動が望ましくない行動だという点を明確にする方が良い」と話した。

◇2015年12月

禹柄宇(ウ・ビョンウ)民政首席(当時)は「韓日外交関係のために外交部が最大限努力したことを示す必要があるため、外交部長官の嘆願書提出の事実が法廷で周知されるように話してほしい」と指示した。これは林鍾憲次長に伝えられ、林部長判事はこれをまた裁判長に伝えた。

◇2015年12月17日

ソウル中央地裁刑事30部(李東根裁判長)は加藤支局長に無罪を宣告した。同時に、大韓民国外交部が加藤支局長への善処を嘆願したという内容を告知した。また、「法理上やむを得ず無罪判決を宣告するものにすぎず、加藤支局長が大韓民国大統領を嘲弄し、さらに大韓民国自体を戯画化する内容の記事を書いておきながら、基礎的な事実関係さえ十分に把握していない行動まで適切だとは見なし難い」と述べた。

◇「裁判業務の具体的指示、憲法違反行為」

弾劾訴追案を発議した議員らは林部長判事のこのような行為が許容できない「裁判関与」という立場だ。議員らは「裁判長の後ろに隠れて権力者の要望に合うように裁判を変えるため、裁判に介入して判決内容を修正するなど、司法壟断ブローカーの役割をした」と主張した。

◇林成根部長判事「調査なく進行してはならない」

林部長判事は「事実と一致しない一方的な主張に過ぎない」とし「裁判官弾劾は司法府に対する立法府の牽制力が発動されるものだという点から、その制度的重さに見合った慎重な審議が必要だ」と反論した。林部長判事は、事実調査の先行手続きが進めば、当然応じるという意志を明らかにした。



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