テイ・ケラー(Tae Keller)氏
テイ・ケラー氏は韓国人の祖母を持つ。母親のオクジャ・ケラーさんは韓国人、父親はドイツ人で、テイ・ケラー氏は米国人と結婚した。3歳までソウルに住んだあとハワイに移住して育ったテイ・ケラー氏は、病気のおばあさんと一緒に暮らすことになった主人公リリーが魔法の虎に出会ってから起きる物語を作品にした。おばあさんを元気にしてあげようとリリーに提案する虎は、テイ・ケラー氏の祖母が聞かせてくれたという韓国昔話にインスパイアされている。テイ・ケラー氏はホームページで自分のことを「ハワイ・ホノルルでキムチと黒米ご飯、物語を養分にして育った」と紹介している。
審査委員団は「韓国の昔話が伝える愛や喪失、希望を喚起する魔法的な写実主義の傑作」としながら「おばあさんの童話を通じてリリーは物語が過去を共有し、未来を作り出すことができるということを学ぶ」とし、おばあさんを意味する韓国語「ハルモニ」を英語「halmoni」にそのまま訳して評価した。
テイ・ケラー氏の母親も小説家だ。オクジャ・ケラー氏は従軍慰安婦を扱った小説『Comfort Woman』(1997)で1998年米国図書賞(American Book Award)を受賞し、慰安婦の世代にわたるトラウマをテーマにした『Fox Girl』(2002)を書いた。
テイ・ケラー氏は自らの人種アイデンティティを作品に落とし込んでいる。彼女初の児童文学作品『The Science of Breakable Things』(2018)でも、自分と同じクオーターの韓国人主人公を前面に出し、今回の受賞作でもハーフを主人公にしている。
ニューベリー賞は18世紀の書籍商ジョン・ニューベリーを称えて1921年に創設されて以来、毎年賞を授けている。韓国系作家としては米国人のリンダ・スー・パーク(Linda Sue Park)氏が『モギ 小さな焼きもの師(A Single Shard)』で受賞した。絵本を対象とした今年のコルデコット賞は『We Are Water Protectors』の挿絵を担当したアラスカ出身イラストレーター、ミカエラ・ゴード(Michaela Goade)氏(30)が受賞した。1937年コルデコット賞創設以来、米国原住民が受賞したのは初めてだ。
ALAがマーティン・ルーサー・キング・ジュニア牧師の夫人コレッタ・スコット・キングを賛えるために黒人作家を対象に創設した「コレッタ・スコット・キング賞」の作家部門は『Before the Ever After』を書いたジャクリーン・ウッドソン(Jacqueline Woodson)氏、挿絵部門受賞者は『R-E-S-P-E-C-T』の挿絵を描いたフランクリン・モリソン(Frank Morrison)氏がそれぞれ受賞した。
青少年作家が対象の最優秀作品に与えられる「マイケル・L・プリンツ賞」にはダニエル・ナイリ(Daniel Nayeri)氏の『Everything Sad Is Untrue』が選ばれた。
この記事を読んで…