南アフリカ共和国発の新型コロナウイルス感染症（新型肺炎）変異ウイルスが再感染の危険があり、ワクチンの効果を低下させるという海外の研究結果が出た中、韓国防疫当局が該当変異ウイルスを確保し、研究していると明らかにした。

中央防疫対策本部は２０日に行われた定例会見で、「最近発表された論文によると、南アフリカの変異ウイルスに対する防御能力を研究した結果、一部の患者の血清から防御能力が無力化されたことが観察された」とし「これに関連し、再感染の懸念の意見が出ており、更なる研究が必要」と述べた。

２０日（現地時間）、ロイター通信が南アフリカ共和国国立感染症研究所（ＮＩＣＤ）と現地の３大学の研究陣が、コロナ完治者の血清に対し南アフリカ変異ウイルス（５０１Ｙ．Ｖ２）を実験した結果、完治者の血清に入っていた中和抗体でも、ウイルスが無力化されていなかったと暫定判断したと伝えた。同研究結果はまだ同僚の評価を経ていないため、更なる検証が必要だ。しかし、研究の結果の通りならば、新型コロナ感染後に完治して抗体を持っていても、再び変異ウイルスに感染するおそれがある。ワクチンの効果も減少するほかない。


南アフリカ共和国の変異ウイルスは既存の新型コロナウイルスより感染力が最大５０％高いという。世界保健機関（ＷＨＯ）によると、同ウイルスは２０カ国以上（昨年１２月時点）に広がった。韓国内でもすでに感染者が確認されている。

イム・スギョン中央防疫対策本部状況総括団長は同日の定例会見で「これに関連して国内でも今、確保されたウイルスがある」とし「これを培養し、国内で開発されている治療薬や、あるいはワクチンと関連して抗体がどのように形成されるのか、そして免疫反応がどうなるか、このような部分について研究を進める予定」と説明した。

中央防疫対策本部は南アフリカ共和国の変異ウイルス以外の変異種についても研究する予定だ。キム・ウンジン中央防疫対策本部検査分析１チーム長は「最近、南アフリカ、英国のほかにもブラジルと米国オハイオ州で変異ウイルスが観察されたという論文もある」とし「ブラジルは再感染事例が報告されたケースもあるが、実際に再感染事例の中和抗体の機能などはさらなる研究が必要だ。米国の変異ウイルスについても現在研究中と確認した」と述べた。