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【社説】韓国の新任外交部長官、バイデン時代の外交に適合しているか

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
文在寅(ムン・ジェイン)大統領が昨日、3部署の改閣に踏み切った。今回の人事で現政権で最長期間在任した康京和(カン・ギョンファ)外交部長官が鄭義溶(チョン・ウィヨン)大統領外交安保特別補佐官に交替される。朴良雨(パク・ヤンウ)文化体育観光部長官と朴映宣(パク・ヨンソン)中小ベンチャー企業部長官の後任にはそれぞれ共に民主党の黄熙(ファン・ヒ)、権七勝(クォン・ チルスン)議員が内定した。野党は「その場凌ぎ・回転門人事」と批判した。鄭氏はこの政府初代の国家安保室長を3年間務め、黄氏・権氏は盧武鉉(ノ・ムヒョン)政府出身が集まった「みみずくの会(文大統領寄り側近の親睦会)」メンバーだ。国民の力のチェ・ヒョンドゥ報道官は「大統領側近以外には長官候補がそんなにいないのか」と指摘した。

康京和長官は在任の期間に「無能論」に苦しめられた。自分の声を出すことができず「目に見えない長官」「人形」という汚名まで着せられた。韓米同盟、韓日関係が危機に処したという懸念の声があがった。それでも文大統領は3年7カ月もかたくなに康氏に外交部長官を任せた。その間、韓国外交は孤立無援の立場に置かれた。

文大統領が事実上自身と任期をともにする外交首長として鄭氏を選んだ。これを受け、文大統領が残りの任期の外交の傍点を「韓半島(朝鮮半島)の平和プロセス」の再稼働に置いたという解釈がある。


文大統領は18日新年記者会見で2018年シンガポール米朝会談に言及して「シンガポール宣言から再び始めよう」とも述べた。鄭氏は国家安保室長としてドナルド・トランプ米大統領と金正恩(キム・ジョンウン)北朝鮮国務委員長の会談を仲裁した。問題は鄭氏の人事と重なって20日(現地時間)発足するジョー・バイデン米国行政府の考えは違うということだ。バイデンは鄭氏が仲裁した米朝会談を「成果のないリアリティーショー」として失敗作だと評価する。金正恩委員長の政治的地位を高めただけで、実質的に得たのはないという見方だ。米国務長官指名者アントニー・ブリンケン氏は19日、上院承認聴聞会で北核問題に対して「良くならず、さらに悪くなった」として「われわれが試みる最初のことは全般的な接近法を見直すこと」と明らかにした。これは韓国政府がトランプ氏を通じて実現しようとしたトップダウン方式の再検討を意味する。このような見解のバイデン行政府が発足する時点に「失敗した」米朝会談の仲裁者とされる人物を外交首長として前面に出した韓国政府に対して米国は疑問を持つほかはない。より能力があって斬新な人物が必要な時点だった。

鄭氏は2019年韓日軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の交渉過程で維持を強く望む米国と意見の隔たりがあった。韓日強制徴用問題が浮上した時も成果をあげることができなかった。最近では慰安婦判決まで加えられ、韓日関係はさらに複雑になっている。新たな関係を築いていくべき韓米同盟、葛藤が激しくなっている韓日関係など山積した外交懸案を解決するうえで鄭氏が適任者ではないという考えを振り払い難い。



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