文在寅(ムン・ジェイン)大統領が20日に外交部の康京和(カン・ギョンファ)長官を電撃交替した。後任には文在寅政権の初代青瓦台(チョンワデ、韓国大統領府)国家安保室長を務めた鄭義溶(チョン・ウィヨン)大統領外交安保特別補佐官を内定した。
また、文化体育観光部と中小ベンチャー企業部長官に与党「共に民主党」の黄熙(ファン・ヒ)議員と権七勝(クォン・チルスン)議員をそれぞれ内定するなど長官3人を交替する内閣改造を断行した。
核心は康長官の交替だ。政権発足直後に任命された康長官は、「大統領と任期5年をともにするだろう」という意味で「K5」、または「五京和」と呼ばれてきた。そんな康長官の電撃交替は、米国のバイデン政権発足にともなう外交戦略の変化を意味するとの見方が出ている。
青瓦台高官は鄭特別補佐官の指名背景について、「米国のバイデン新政権発足に合わせ外交ラインに新たな活力を吹き込み、外交戦列を再整備する趣旨」と説明した。
鄭特別補佐官は徐薫(ソ・フン)青瓦台安保室長とともに文在寅政権で韓半島(朝鮮半島)政策の「ツートップ」と呼ばれてきた。2018年3月に2人は特使として平壌(ピョンヤン)で北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長と会い、鄭特別補佐官はその後メッセンジャーとして米国に派遣され、トランプ大統領と面会した。
その結果は同年4月の南北首脳会談と6月の米朝シンガポール会談につながった。
安保室に参与した与党幹部は中央日報に「3年以上にわたり韓半島問題を担当してきた安保室長出身者を外交部長官に任命したのは、残り任期の間に平和プロセスを再稼働させるという意志を文大統領が表明したもの」と分析した。彼は「韓米同盟と南北関係の両分野に深く関与した人物は鄭特別補佐官が唯一だ」と話した。
鄭特別補佐官が人事聴聞会を通過すれば徐薫安保室長に朴智元(パク・チウォン)国家情報院長、鄭義溶外交部長官、李仁栄(イ・インヨン)統一部長官と続く陣容が構築される。青瓦台関係者は「初代大統領秘書室長を務めた任鍾ソク(イム・ジョンソク)外交安保特別補佐官まで、南北関係と韓半島問題に特化した陣容」と意味を付与した。
外交部は鄭特別補佐官が加勢する前からすでに南北関係陣容に改編された。崔鍾建(チェ・ジョンゴン)第1次官は「鄭義溶補佐室」体制で平和企画秘書官を務め、魯圭悳(ノ・ギュドク)韓半島平和交渉本部長は崔次官の後任の平和企画秘書官だった。
今回の人事をめぐっては「バイデン政権とコードを合わせた側面がある」という分析も出ている。
バイデン陣営で活動したニューヨーク州弁護士のキム・ヨンジュン氏は「バイデン政権のアジア戦略は韓日関係復元と韓日米同盟強化を土台にした対中多国間通商戦略に焦点が合わされている」と話す。
与党関係者は「安保室長でホワイトハウスとのチャンネル役割をしてきた鄭特別補佐官は現役外交官時代には通商局長、通商交渉調整官を経験した多国間・通商専門家でもある。文大統領が日本通である姜昌一(カン・チャンイル)駐日大使を任命した後に新年会見で日本に融和的ジェスチャーを見せ、正統外交官出身である鄭特別補佐官を長官に指名したのはバイデン政権の関心事を広く考慮したもの」と分析した。
これに対し金与正(キム・ヨジョン)労働党副部長ら北朝鮮の顔色をうかがったという主張も提起される。先月康長官の北朝鮮コロナ関連発言に金副部長が「後先の計算もない妄言に対し正確に計算する(対価を払わせる)」として脅迫するような反応を見せたことからだ。こうした脅迫が康長官の電撃的な交替と関連があるのではないかということだ。これに先立ち金練鉄(キム・ヨンチョル)前統一部長官と鄭景斗(チョン・ギョンドゥ)前国防部長官も金与正氏や金英哲(キム・ヨンチョル)党中央委員会副委員長の非難談話の後に更迭された前例がある。
文大統領は文化体育観光部と中小ベンチャー企業部のトップに親文在寅派の核心現役議員を起用したが、特に親文在寅派の会合として知られる「みみずく会」の構成員の躍進が目に付く。
文化体育観光部長官に指名された黄議員はみみずく会の幹事だった。中小ベンチャー企業部長官に指名された権議員もやはりこの会の核心メンバーだ。聴聞会を控えた朴範界(パク・ボムゲ)法務部長官候補もこの会の所属だ。会の座長に当たるのは行政安全部の全海チョル(チョン・ヘチョル)長官だ。
黄議員は盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権当時青瓦台で行政官として勤めた。都市工学修士・博士を経た都市計画の専門家だ。党でも不動産安定と庶民住宅福祉タスクフォース委員で、国会では主に国土交通委員会で活動した。文化体育観光部関連の経歴が足りないのではないかとの指摘に青瓦台は「党広報委員長を務め、政策委員会副議長など疎通力を十分に見せた。都市再生政策も主に文化芸術と観光を組み合わせた活動」と説明した。
権議員もやはり盧武鉉政権時代に青瓦台行政官を務めた親文在寅派だ。現在使用している議員会館325号室は文大統領が議員時代に使っていた事務室だ。
彼はサムスングループ公開採用で社会生活を始め、その後韓国自動車保険(現・東部火災)で労組運営委員を務めた。大企業出身の政治家が中小ベンチャー企業を総括する官庁のトップになることと関連し青瓦台関係者は「長官人事で出身が重要とは考えない。道徳性、専門性、リーダーシップでだれが適任かという人選基準により選定した人事」と話した。
文大統領は年末年始に3度の内閣改造を通じ9人の長官を入れ替えた。このうち5人が親文在寅性向の現役議員だ。全員が聴聞会を通過し任命される場合、18官庁のうち李仁栄長官を含む6人の長官が現役議員からの起用となる。これに対し「相対的に聴聞会の負担が小さい現役議員を多く抜擢するものではないのか」との指摘がある。
この日内定した3人の長官候補のうち、黄議員は持ち家がなく、残り2人は1戸の持ち家があると青瓦台は説明した。
与党陣営では大統領選挙への挑戦が有力な丁世均(チョン・セギュン)首相が退く4月に追加の内閣改造があると予想している。経済・社会副首相をはじめ、今回の内閣改造から除外された官庁が対象になるだろうという見通しが出ている。青瓦台高位関係者も「執権後半期の仕上げと成果創出に向け必要ならばいつでも人事をできる」と伝えた。
また、文化体育観光部と中小ベンチャー企業部長官に与党「共に民主党」の黄熙(ファン・ヒ)議員と権七勝(クォン・チルスン)議員をそれぞれ内定するなど長官3人を交替する内閣改造を断行した。
核心は康長官の交替だ。政権発足直後に任命された康長官は、「大統領と任期5年をともにするだろう」という意味で「K5」、または「五京和」と呼ばれてきた。そんな康長官の電撃交替は、米国のバイデン政権発足にともなう外交戦略の変化を意味するとの見方が出ている。
青瓦台高官は鄭特別補佐官の指名背景について、「米国のバイデン新政権発足に合わせ外交ラインに新たな活力を吹き込み、外交戦列を再整備する趣旨」と説明した。
鄭特別補佐官は徐薫(ソ・フン)青瓦台安保室長とともに文在寅政権で韓半島(朝鮮半島)政策の「ツートップ」と呼ばれてきた。2018年3月に2人は特使として平壌(ピョンヤン)で北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長と会い、鄭特別補佐官はその後メッセンジャーとして米国に派遣され、トランプ大統領と面会した。
その結果は同年4月の南北首脳会談と6月の米朝シンガポール会談につながった。
安保室に参与した与党幹部は中央日報に「3年以上にわたり韓半島問題を担当してきた安保室長出身者を外交部長官に任命したのは、残り任期の間に平和プロセスを再稼働させるという意志を文大統領が表明したもの」と分析した。彼は「韓米同盟と南北関係の両分野に深く関与した人物は鄭特別補佐官が唯一だ」と話した。
鄭特別補佐官が人事聴聞会を通過すれば徐薫安保室長に朴智元(パク・チウォン)国家情報院長、鄭義溶外交部長官、李仁栄(イ・インヨン)統一部長官と続く陣容が構築される。青瓦台関係者は「初代大統領秘書室長を務めた任鍾ソク(イム・ジョンソク)外交安保特別補佐官まで、南北関係と韓半島問題に特化した陣容」と意味を付与した。
外交部は鄭特別補佐官が加勢する前からすでに南北関係陣容に改編された。崔鍾建(チェ・ジョンゴン)第1次官は「鄭義溶補佐室」体制で平和企画秘書官を務め、魯圭悳(ノ・ギュドク)韓半島平和交渉本部長は崔次官の後任の平和企画秘書官だった。
今回の人事をめぐっては「バイデン政権とコードを合わせた側面がある」という分析も出ている。
バイデン陣営で活動したニューヨーク州弁護士のキム・ヨンジュン氏は「バイデン政権のアジア戦略は韓日関係復元と韓日米同盟強化を土台にした対中多国間通商戦略に焦点が合わされている」と話す。
与党関係者は「安保室長でホワイトハウスとのチャンネル役割をしてきた鄭特別補佐官は現役外交官時代には通商局長、通商交渉調整官を経験した多国間・通商専門家でもある。文大統領が日本通である姜昌一(カン・チャンイル)駐日大使を任命した後に新年会見で日本に融和的ジェスチャーを見せ、正統外交官出身である鄭特別補佐官を長官に指名したのはバイデン政権の関心事を広く考慮したもの」と分析した。
これに対し金与正(キム・ヨジョン)労働党副部長ら北朝鮮の顔色をうかがったという主張も提起される。先月康長官の北朝鮮コロナ関連発言に金副部長が「後先の計算もない妄言に対し正確に計算する(対価を払わせる)」として脅迫するような反応を見せたことからだ。こうした脅迫が康長官の電撃的な交替と関連があるのではないかということだ。これに先立ち金練鉄(キム・ヨンチョル)前統一部長官と鄭景斗(チョン・ギョンドゥ)前国防部長官も金与正氏や金英哲(キム・ヨンチョル)党中央委員会副委員長の非難談話の後に更迭された前例がある。
文大統領は文化体育観光部と中小ベンチャー企業部のトップに親文在寅派の核心現役議員を起用したが、特に親文在寅派の会合として知られる「みみずく会」の構成員の躍進が目に付く。
文化体育観光部長官に指名された黄議員はみみずく会の幹事だった。中小ベンチャー企業部長官に指名された権議員もやはりこの会の核心メンバーだ。聴聞会を控えた朴範界(パク・ボムゲ)法務部長官候補もこの会の所属だ。会の座長に当たるのは行政安全部の全海チョル(チョン・ヘチョル)長官だ。
黄議員は盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権当時青瓦台で行政官として勤めた。都市工学修士・博士を経た都市計画の専門家だ。党でも不動産安定と庶民住宅福祉タスクフォース委員で、国会では主に国土交通委員会で活動した。文化体育観光部関連の経歴が足りないのではないかとの指摘に青瓦台は「党広報委員長を務め、政策委員会副議長など疎通力を十分に見せた。都市再生政策も主に文化芸術と観光を組み合わせた活動」と説明した。
権議員もやはり盧武鉉政権時代に青瓦台行政官を務めた親文在寅派だ。現在使用している議員会館325号室は文大統領が議員時代に使っていた事務室だ。
彼はサムスングループ公開採用で社会生活を始め、その後韓国自動車保険(現・東部火災)で労組運営委員を務めた。大企業出身の政治家が中小ベンチャー企業を総括する官庁のトップになることと関連し青瓦台関係者は「長官人事で出身が重要とは考えない。道徳性、専門性、リーダーシップでだれが適任かという人選基準により選定した人事」と話した。
文大統領は年末年始に3度の内閣改造を通じ9人の長官を入れ替えた。このうち5人が親文在寅性向の現役議員だ。全員が聴聞会を通過し任命される場合、18官庁のうち李仁栄長官を含む6人の長官が現役議員からの起用となる。これに対し「相対的に聴聞会の負担が小さい現役議員を多く抜擢するものではないのか」との指摘がある。
この日内定した3人の長官候補のうち、黄議員は持ち家がなく、残り2人は1戸の持ち家があると青瓦台は説明した。
与党陣営では大統領選挙への挑戦が有力な丁世均(チョン・セギュン)首相が退く4月に追加の内閣改造があると予想している。経済・社会副首相をはじめ、今回の内閣改造から除外された官庁が対象になるだろうという見通しが出ている。青瓦台高位関係者も「執権後半期の仕上げと成果創出に向け必要ならばいつでも人事をできる」と伝えた。
この記事を読んで…