韓国の裁判所が旧日本軍慰安婦被害者に対する日本政府の損害賠償責任を初めて認めた。ソウル中央地裁に2013年8月に民事調停を申請してから7年半後だ。旧日本軍慰安婦の被害事実を初めて証言した故金学順(キム・ハクスン)さんが1991年12月6日に東京地裁に国際訴訟を起こしてから30年ほど経過した。
◆「反人道的行為、主権免除は適用されない、韓国に裁判権ある」
8日、ソウル中央地裁は故ペ・チュンヒさんら12人が日本政府を相手取り起こした損害賠償請求訴訟で、日本政府に原告1人あたり1億ウォン(約950万円)ずつの賠償を命じる原告勝訴判決を下した。日本政府の民事調停欠席で2016年1月に正式に裁判を起こしてから5年目だ。
大法院(最高裁)が2018年10月に強制徴用被害者に対する日本戦犯企業の賠償責任を認めてから3年後、旧日本軍従軍慰安婦被害者に対する日本政府の賠償責任を認めたのだ。
慰安婦訴訟で最大の争点は、被告が他国の政府であるため韓国裁判所が裁判の権限を持つかどうかだった。裁判所は「この事件は被告によって計画的、組織的に広範囲に行われた反人道的行為であり、国際強行規定を違反したと判断される」とし「国家免除は適用が難しいとみるのが相当であり、被告に対して裁判権を行使することができる」と明らかにした。「主権国家は外国の司法権に服さない」という国際法上の原則である主権免除論を主張し、訴訟は却下されるべきだという日本政府の立場を認めなかったのだ。
続いて「被告の不法行為が認められ、原告は想像しがたい深刻な精神的・肉体的苦痛に苦しんだとみられる」とし「原告が賠償を受けることができなかった事情を見ると、慰謝料は原告が請求した各1億ウォン以上とみるのが妥当」と説明した。また「この事件で被告は直接主張していないが、1965年の韓日請求権協定や2015年の韓日慰安婦合意をみると、この事件の損害賠償請求権が含まれているとは見なしがたい」とし「請求権が消滅したと見なしがたい」と付け加えた。
◆被害者、日本裁判所で敗訴後、韓国裁判所へ
韓国の裁判所が日本政府の「慰安婦被害」損害賠償責任を認めたのは今回が初めてだ。日本ですでに4件の慰安婦被害損害賠償訴訟で敗訴した後、韓国の裁判所で被害が認められたという点で、徴用訴訟と似ている。
2003年に日本最高裁判所は金学順(キム・ハクスン)さんらが「日本政府の不法行為で損害を被った」として提起した国家賠償訴訟に対し、最終敗訴判決を出した。当時、日本裁判所は慰安婦被害者の損害賠償請求権は韓日請求権協定が発効した日(1965年12月18日)から20年の存続期間が満了して消滅し、1947年の国家賠償法制定以前の違法な公権力行使に対して明治憲法に基づき国家賠償責任を認めないという論理を前に出した。
ペ・チュンヒさんらは2013年8月、日本政府に慰謝料1億ウォンずつ請求する調停を韓国の裁判所に申請したが、日本政府は訴状の受け取りを拒否した。事件は調停不成立で2016年1月28日に正式に裁判に移り、昨年4月には訴訟提起から約4年後に初めて裁判が開かれた。裁判所は公示送達方式で日本政府に訴状を伝達した。
◆日本「国際法違反、控訴もしない」
日本外務省は判決が出た後、直ちに南官杓(ナム・グァンピョ)駐日大使を呼んで抗議した。日本政府は国際法上の「主権免除」原則を前に出し、「今回の賠償判決は受け入れることができない」として裁判自体に応じず控訴もしないという立場を明らかにした。
日本政府が賠償責任を履行しない場合、原告側は日本政府の資産を差し押さえることができる。これに先立ち強制徴用賠償判決以降、大邱(テグ)地裁浦項(ポハン)支部は先月、日本製鉄(旧新日鉄住金)の韓国内の資産、PNR株8万175株に対する差し押さえ命令を送達した。ただ、資産差し押さえについて慰安婦被害者側を代理したキム・カンウォン弁護士は「日本政府に対して強制執行が可能な資産があるかを検討しなければいけない事案」と説明した。
韓日関係への波紋も予想される。強制徴用賠償判決当時と同じく韓国政府が司法府裁判不介入原則を守る限り、韓日関係はさらに悪化するという指摘も出ている。共同通信は韓国の裁判所が日本政府の資産を差し押さえる場合、日本の報復措置が避けられないと予想した。
◆「反人道的行為、主権免除は適用されない、韓国に裁判権ある」
8日、ソウル中央地裁は故ペ・チュンヒさんら12人が日本政府を相手取り起こした損害賠償請求訴訟で、日本政府に原告1人あたり1億ウォン(約950万円)ずつの賠償を命じる原告勝訴判決を下した。日本政府の民事調停欠席で2016年1月に正式に裁判を起こしてから5年目だ。
大法院(最高裁)が2018年10月に強制徴用被害者に対する日本戦犯企業の賠償責任を認めてから3年後、旧日本軍従軍慰安婦被害者に対する日本政府の賠償責任を認めたのだ。
慰安婦訴訟で最大の争点は、被告が他国の政府であるため韓国裁判所が裁判の権限を持つかどうかだった。裁判所は「この事件は被告によって計画的、組織的に広範囲に行われた反人道的行為であり、国際強行規定を違反したと判断される」とし「国家免除は適用が難しいとみるのが相当であり、被告に対して裁判権を行使することができる」と明らかにした。「主権国家は外国の司法権に服さない」という国際法上の原則である主権免除論を主張し、訴訟は却下されるべきだという日本政府の立場を認めなかったのだ。
続いて「被告の不法行為が認められ、原告は想像しがたい深刻な精神的・肉体的苦痛に苦しんだとみられる」とし「原告が賠償を受けることができなかった事情を見ると、慰謝料は原告が請求した各1億ウォン以上とみるのが妥当」と説明した。また「この事件で被告は直接主張していないが、1965年の韓日請求権協定や2015年の韓日慰安婦合意をみると、この事件の損害賠償請求権が含まれているとは見なしがたい」とし「請求権が消滅したと見なしがたい」と付け加えた。
◆被害者、日本裁判所で敗訴後、韓国裁判所へ
韓国の裁判所が日本政府の「慰安婦被害」損害賠償責任を認めたのは今回が初めてだ。日本ですでに4件の慰安婦被害損害賠償訴訟で敗訴した後、韓国の裁判所で被害が認められたという点で、徴用訴訟と似ている。
2003年に日本最高裁判所は金学順(キム・ハクスン)さんらが「日本政府の不法行為で損害を被った」として提起した国家賠償訴訟に対し、最終敗訴判決を出した。当時、日本裁判所は慰安婦被害者の損害賠償請求権は韓日請求権協定が発効した日(1965年12月18日)から20年の存続期間が満了して消滅し、1947年の国家賠償法制定以前の違法な公権力行使に対して明治憲法に基づき国家賠償責任を認めないという論理を前に出した。
ペ・チュンヒさんらは2013年8月、日本政府に慰謝料1億ウォンずつ請求する調停を韓国の裁判所に申請したが、日本政府は訴状の受け取りを拒否した。事件は調停不成立で2016年1月28日に正式に裁判に移り、昨年4月には訴訟提起から約4年後に初めて裁判が開かれた。裁判所は公示送達方式で日本政府に訴状を伝達した。
◆日本「国際法違反、控訴もしない」
日本外務省は判決が出た後、直ちに南官杓(ナム・グァンピョ)駐日大使を呼んで抗議した。日本政府は国際法上の「主権免除」原則を前に出し、「今回の賠償判決は受け入れることができない」として裁判自体に応じず控訴もしないという立場を明らかにした。
日本政府が賠償責任を履行しない場合、原告側は日本政府の資産を差し押さえることができる。これに先立ち強制徴用賠償判決以降、大邱(テグ)地裁浦項(ポハン)支部は先月、日本製鉄(旧新日鉄住金)の韓国内の資産、PNR株8万175株に対する差し押さえ命令を送達した。ただ、資産差し押さえについて慰安婦被害者側を代理したキム・カンウォン弁護士は「日本政府に対して強制執行が可能な資産があるかを検討しなければいけない事案」と説明した。
韓日関係への波紋も予想される。強制徴用賠償判決当時と同じく韓国政府が司法府裁判不介入原則を守る限り、韓日関係はさらに悪化するという指摘も出ている。共同通信は韓国の裁判所が日本政府の資産を差し押さえる場合、日本の報復措置が避けられないと予想した。
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