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【コラム】事実上世界1位の韓国の家計負債比率

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
韓国の不名誉な「世界最高」の目録がもうひとつ増えた。昨年9月基準で1941兆ウォンに達した家計負債の話だ。国内総生産(GDP)比の割合は101.1%まで上がった。100%を超えたのは今回が初めてだ。1年前より16.5ポイント上昇した。国全体が1年間に稼いだ金額をすべて合わせても家計が借りた金額をまかなえなくなったという意味だ。

世界的に比較しても圧倒的だ。数値には細かい違いが生じるが、国際金融協会(IIF)の調査でも韓国の100.6%は世界平均の65.3%を大きく上回る。消費が貯蓄より多い過剰消費で有名な米国の81.2%よりも高い。比較対象34カ国の中ではレバノンの116.4%に続き2位だ。レバノンは昨年8月のベイルートの港湾爆発でGDPの30%ほどが減少した特殊状況である点を考慮すれば事実上韓国が世界1位ということだ。

負債の規模も問題だが質が良くない。借りたお金で消費したり事業に投資するよりも、不動産や株式への投資を増やすためだ。文在寅(ムン・ジェイン)政権の不動産政策失敗の影響が大きい。


これは経済が生産的な方向に流れていないという意味だ。稼いだお金で元利金を返すなら消費余力が減る。内需萎縮で経済活力が落ち再び所得が減る悪循環に陥る。このような点で新型コロナウイルスが長期化すれば社会的弱者から負債に耐えらず崖っぷちに追いやられる。

今年の流動性不足で家計負債不良が水面上に浮上するという懸念はこの延長線上だ。政府は不動産価格を抑えるために家計向け融資を引き締める予定だ。銀行は新型コロナウイルス危機克服を名目に支援した利子猶予措置の延長は厳しいという立場だ。経済の「弱い部分」である自営業者と小商工人が家計負債不健全化の信管になりかねないという予想が出ている。

韓国銀行は自営業者のうち、金融資産を処分しても一般生活が厳しい「流動性危険」世帯が昨年3月の3.2%から今年3月には6.6~6.8%と2倍になるとみている。元利金償還猶予が延長されなければ今年末には9.4~10.4%に急上昇する。

根本的な解決法は家計負債を減らすことだ。だが現実的に不可能だ。それなら雇用・投資を増やす経済活性化に焦点を合わせなければならない。規制緩和、企業活力向上などが例だ。これを通じて家計所得が増えれば負債を返す負担を減らすことができ、それだけ危機は沈静化することになる。

だが残念なことにこの政権で経済活性化と関連した具体的な成果は見当たらない。家計負債の時限爆弾の針は刻一刻とゼロに向かって進んでいるのにだ。

ソン・ヘヨン/経済政策チーム長



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