#1.2007年12月14日に李明博(イ・ミョンバク)元大統領がハンナラ党の大統領候補としてソウル・汝矣島(ヨイド)の大宇(デウ)証券を訪れた。企業出身であることを強調し、「来年中に韓国総合株価指数(KOSPI)3000ポイント、任期中に5000ポイントを達成する」と公言したが、その日のKOSPIは前日より1.09%下落の1895.05を記録した。李元大統領就任初年度の2008年に金融危機が押し寄せて下落が続いた株価は任期半ばに回復し、かろうじて2000ポイントに到達した。就任初日の2008年2月25日の1709.13よりは上がったが、3000ポイント、5000ポイント達成の公約は実現しなかった。
#2.2012年12月19日にはKOSPIが1993.09だった。今回はセヌリ党の朴槿恵(パク・クネ)大統領候補がソウルの韓国取引所で「5年以内にKOSPI3000時台を必ず開く」と話した。だが彼女は任期5年を満了できず、セウォル号事故とろうそく政局を経て弾劾された。憲法裁判所が彼女の弾劾を決めた2017年3月10日のKOSPIは前日より小幅に上がった2097.35で取引を終えた。朴大統領の任期中に証券業界で繰り返された言葉が「ボックス相場に閉じ込められた韓国証券市場」だった。
6日にKOSPIが史上初めて取引時間中に3000ポイントを突破した。2人の元大統領が公約したが10年間果たせなかった記録だ。文在寅(ムン・ジェイン)大統領は大統領候補時代に「資本市場育成・中産層財政支援政策」を強調しただけで具体的な数字で株価指数目標を提示していない。先月14日の青瓦台(チョンワデ、韓国大統領府)主席秘書官・補佐官会議で「KOSPIとKOSDAQ指数とも過去最高を記録しており、株価3000時代開幕に対する希望的な見通しまで出ている」と述べたのが事実上初めての言及だ。
◇進歩政権と同学蟻
証券業界では「進歩政権=証券市場活況」という漠然とした公式がある。現政権発足時の2017年に当時のファン・ヨンギ金融投資協会長が記者懇談会を開き、「概ね進歩政権が保守政権より株価成績が良かった。金大中(キム・デジュン)政権当時はベンチャー企業が育成され、盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権では1世帯1ファンドブームが吹いた」と話したのが一例だ。朴前大統領弾劾決定から文在寅大統領就任までの2カ月間にKOSPIが10%ほど上がり、ボックス相場を一気に抜け出したのも俗説を立証する。
投資専門家らは「実際の企業業績より支配構造改善など新政権の政策への期待感が影響を及ぼした」(ファン前会長)と分析する。公正と分配を掲げる進歩政権が財閥改革や市場透明性などのキーワードを繰り返し強調すれば個人投資家の間で「自分も儲ける機会をつかめる」という考えが強まるという意味だ。ある元証券会社リサーチセンター長は「投資は心理だ。一般的に進歩陣営が執権すれば伝統的富裕層は守勢に追い込まれることを直感するが、個人投資家らの投資欲望は大きくなる側面がある」と話した。
2000年代に入り韓国証券市場のレベルアップは盧武鉉政権当時になされた。就任当初600ポイントを下回ったKOSPIが退任時には1700を見据える水準にまで上がった。通貨危機の傷の中で発足した金大中政権時は李益治(イ・イクチ)現代証券会長が主導した「バイ・コリア」ブームがあった。
◇不動産抑制の反作用…懸念は上昇
これに対し李明博・朴槿恵政権当時は不動産奨励策が株価上昇を妨げた。資本市場研究院のファン・セウン研究委員は「朴前大統領当時は崔ギョン煥(チェ・ギョンファン)経済副首相が『金を借りて家を買え』というほど不動産市場への資金流入が奨励された。自然に市中流動性が株式市場に流れることがなくなり、現在はその反対のケース」と話した。李元大統領当時はソウル・瑞草区(ソチョグ)のグリーンベルト解除などの開発好材料があった。
そのため現政権の証券市場活況に対しては「不動産への資金流入を断ち切ったので株式に集まるほかない」(ファン研究委員)という分析が多い。新型コロナウイルスの余波で主要国の中央銀行がゼロ金利政策を行っているというのが流動性過剰の本質と指摘されるが、不動産政策失敗の反作用が証券市場に現れたということを政府・与党がだれよりもよく知る雰囲気だ。この日政府与党ではKOSPI3000の新しい歴史を喜ぶ声はほとんどなかった。
民主党のキム・ビョンウク議員がフェイスブックに「『国民の力』の朱豪英(チュ・ホヨン)院内代表と李恵薫(イ・ヘフン)元議員がただ文在寅大統領を批判するために個人投資家の誠実な投資活動を異常な株価上昇だと曲解した」と書いたのが唯一だった。民主党の洪性国(ホン・ソングク)議員は電話取材に「3000ポイント達成でコリア・ディスカウント(韓国証券市場低評価)がなくなった様子をしばし見ることができた」としながらも「個人投資家という新規投資家が500万~600万人証券市場に入ってきたとみられるが彼らをまともな投資意思決定に導く制度的再整備に政府与党が力を集中しなければならない」と話した。
◇任期末の経済…運命は
当面は個人投資家ブームで沸き立った上昇傾向が企業業績と、機関投資家・外国人投資家の買いという後押しなくどれだけ持続できるかがカギだ。証券業界で「低金利と豊富な流動性持続で個人投資家が証券市場を主導する状況で為替相場などが今後の外国人投資家流入に良好な条件」(イム・ソンチョル興国証券研究員)という楽観論が提起されるが、すでに資金を借り入れての投資や短期売買の急増、銘柄の二極化など健全でないシグナルがあちこちに現れている。
任期内に実体景気と株式市場間の乖離を解消するのは経済だけでなく政治の成否を左右する要素に上げられる。延世(ヨンセ)大学の成太胤(ソン・テユン)教授は「新型コロナウイルス流行直後に暴落の兆しを見せた証券市場をここまで管理した成果は認めなければならない」としながらも、「今後実体景気の回復が後押しされない状態で株価急騰が持続するのは投資家と国の経済両方に危険なこと」と話した。この日株式投資家が集まる掲示板では「盤浦のマンションこそ一番の有望銘柄なのに政府が買えないように防いでいる」「株式すらだめなら票で審判するだろう」という趣旨の書き込みが上げられている。
#2.2012年12月19日にはKOSPIが1993.09だった。今回はセヌリ党の朴槿恵(パク・クネ)大統領候補がソウルの韓国取引所で「5年以内にKOSPI3000時台を必ず開く」と話した。だが彼女は任期5年を満了できず、セウォル号事故とろうそく政局を経て弾劾された。憲法裁判所が彼女の弾劾を決めた2017年3月10日のKOSPIは前日より小幅に上がった2097.35で取引を終えた。朴大統領の任期中に証券業界で繰り返された言葉が「ボックス相場に閉じ込められた韓国証券市場」だった。
6日にKOSPIが史上初めて取引時間中に3000ポイントを突破した。2人の元大統領が公約したが10年間果たせなかった記録だ。文在寅(ムン・ジェイン)大統領は大統領候補時代に「資本市場育成・中産層財政支援政策」を強調しただけで具体的な数字で株価指数目標を提示していない。先月14日の青瓦台(チョンワデ、韓国大統領府)主席秘書官・補佐官会議で「KOSPIとKOSDAQ指数とも過去最高を記録しており、株価3000時代開幕に対する希望的な見通しまで出ている」と述べたのが事実上初めての言及だ。
◇進歩政権と同学蟻
証券業界では「進歩政権=証券市場活況」という漠然とした公式がある。現政権発足時の2017年に当時のファン・ヨンギ金融投資協会長が記者懇談会を開き、「概ね進歩政権が保守政権より株価成績が良かった。金大中(キム・デジュン)政権当時はベンチャー企業が育成され、盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権では1世帯1ファンドブームが吹いた」と話したのが一例だ。朴前大統領弾劾決定から文在寅大統領就任までの2カ月間にKOSPIが10%ほど上がり、ボックス相場を一気に抜け出したのも俗説を立証する。
投資専門家らは「実際の企業業績より支配構造改善など新政権の政策への期待感が影響を及ぼした」(ファン前会長)と分析する。公正と分配を掲げる進歩政権が財閥改革や市場透明性などのキーワードを繰り返し強調すれば個人投資家の間で「自分も儲ける機会をつかめる」という考えが強まるという意味だ。ある元証券会社リサーチセンター長は「投資は心理だ。一般的に進歩陣営が執権すれば伝統的富裕層は守勢に追い込まれることを直感するが、個人投資家らの投資欲望は大きくなる側面がある」と話した。
2000年代に入り韓国証券市場のレベルアップは盧武鉉政権当時になされた。就任当初600ポイントを下回ったKOSPIが退任時には1700を見据える水準にまで上がった。通貨危機の傷の中で発足した金大中政権時は李益治(イ・イクチ)現代証券会長が主導した「バイ・コリア」ブームがあった。
◇不動産抑制の反作用…懸念は上昇
これに対し李明博・朴槿恵政権当時は不動産奨励策が株価上昇を妨げた。資本市場研究院のファン・セウン研究委員は「朴前大統領当時は崔ギョン煥(チェ・ギョンファン)経済副首相が『金を借りて家を買え』というほど不動産市場への資金流入が奨励された。自然に市中流動性が株式市場に流れることがなくなり、現在はその反対のケース」と話した。李元大統領当時はソウル・瑞草区(ソチョグ)のグリーンベルト解除などの開発好材料があった。
そのため現政権の証券市場活況に対しては「不動産への資金流入を断ち切ったので株式に集まるほかない」(ファン研究委員)という分析が多い。新型コロナウイルスの余波で主要国の中央銀行がゼロ金利政策を行っているというのが流動性過剰の本質と指摘されるが、不動産政策失敗の反作用が証券市場に現れたということを政府・与党がだれよりもよく知る雰囲気だ。この日政府与党ではKOSPI3000の新しい歴史を喜ぶ声はほとんどなかった。
民主党のキム・ビョンウク議員がフェイスブックに「『国民の力』の朱豪英(チュ・ホヨン)院内代表と李恵薫(イ・ヘフン)元議員がただ文在寅大統領を批判するために個人投資家の誠実な投資活動を異常な株価上昇だと曲解した」と書いたのが唯一だった。民主党の洪性国(ホン・ソングク)議員は電話取材に「3000ポイント達成でコリア・ディスカウント(韓国証券市場低評価)がなくなった様子をしばし見ることができた」としながらも「個人投資家という新規投資家が500万~600万人証券市場に入ってきたとみられるが彼らをまともな投資意思決定に導く制度的再整備に政府与党が力を集中しなければならない」と話した。
◇任期末の経済…運命は
当面は個人投資家ブームで沸き立った上昇傾向が企業業績と、機関投資家・外国人投資家の買いという後押しなくどれだけ持続できるかがカギだ。証券業界で「低金利と豊富な流動性持続で個人投資家が証券市場を主導する状況で為替相場などが今後の外国人投資家流入に良好な条件」(イム・ソンチョル興国証券研究員)という楽観論が提起されるが、すでに資金を借り入れての投資や短期売買の急増、銘柄の二極化など健全でないシグナルがあちこちに現れている。
任期内に実体景気と株式市場間の乖離を解消するのは経済だけでなく政治の成否を左右する要素に上げられる。延世(ヨンセ)大学の成太胤(ソン・テユン)教授は「新型コロナウイルス流行直後に暴落の兆しを見せた証券市場をここまで管理した成果は認めなければならない」としながらも、「今後実体景気の回復が後押しされない状態で株価急騰が持続するのは投資家と国の経済両方に危険なこと」と話した。この日株式投資家が集まる掲示板では「盤浦のマンションこそ一番の有望銘柄なのに政府が買えないように防いでいる」「株式すらだめなら票で審判するだろう」という趣旨の書き込みが上げられている。
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