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英国発コロナ変異種…一部の治療薬、無力化の恐れ

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

新型コロナウイルス感染症を起こすウイルスの電子顕微鏡写真。 [米国立アレルギー感染病研究所]

英国で初めて確認されて世界に広がっている新型コロナウイルスの変異種が一部の抗体治療薬を無力化する恐れがあるという分析結果が公開された。今回の研究はウイルスのスパイクたんぱく質の特定部位を攻撃する特定抗体にのみ該当するが、ワクチンを通じて人体で作られる一般的な抗体についても追加の研究が必要とみられる。ただ、新型コロナワクチン製造企業や関連専門家は現在普及させているワクチンや開発中のワクチンが英国の変異種に対しても十分に作用すると予想している。

米テキサス大製薬学科所属のフラテフ博士は27日(現地時刻)、論文事前公開サイト(medRxiv)に、英国の新型コロナウイルス変異種の特性を分析した論文を発表した。分子物理学方法を利用してウイルスのスパイクたんぱく質の一部のRBD(受容体結合ドメイン)が人の細胞の受容体(ACE2、アンジオテンシン変換酵素2)など別のたんぱく質とどう相互作用するかを分析した内容だ。たんぱく質の相互作用の変化は結合エネルギーの差に基づいてシミュレーションした。

分析の結果、英国で発見されたN501Yの変異種はウイルスのスパイクたんぱく質とACE2の間の相互作用を強化し、両者の結合力を増加させることが明らかになった。501番目のアミノ酸はRBDでACE2と直接接触するアミノ酸の一つだが、英国の変異種N501YはRBDの501番目のアミノ酸がアスパラギン(N)からタイロシン(Y)に変わった。アミノ酸が変わり、ウイルスのRBDが受容体の中心にさらに深く接近し、強く結合することになったというのがフラテフ博士の説明だ。


一方、この変異種のRBDは単一クローン抗体治療薬としてドイツ企業が開発中のSTE90-C11抗体とは相互作用が減ると分析された。特にN501Yの突然変異によってRBDとSTE90-C11の間の結合力は160分の1に大きく弱まることが明らかになった。フラテフ博士は「今回の分析結果では、英国の変異種に対するSTE90-C11抗体の効能が減少する可能性がある」と指摘した。

しかしフラテフ博士の分析はRBDの特定部位だけを攻撃する特定抗体に限定されたものだ。ワクチン注射を通じて人体で作られる他の抗体が英国の変異種を防ぐことができないという証拠ではない。人体にウイルス抗原を注射するワクチンの場合、人体が直接多様な抗体を作るようにするのに対し、単一クローン抗体治療薬の場合、特定抗体を作って入れる方式だ。STE90-C11抗体はバクテリオファージ技法を活用して大量に生産された単一クローン抗体治療薬だが、今月初めに論文で公開されて注目を集めた。

一方、中国四川大学研究チームはmedRxicで発表した別の研究で、「コロナウイルスのRBDのアミノ酸が1つだけ変わっても、受容体のACE2との結合力が大きく変わる可能性がある」という分析結果を公開した。同研究チームもRBDのアミノ酸を変えるシミュレーションを通じて結合力を分析したが、9つの仮想突然変異のうち6つの場合、結合親和度が突然変異前より高まったということだ。特に仮想突然変異Q493の場合、結合親和性が3倍に高まった。これは439番アミノ酸がグルタミン(Q)からメサイオニン(M)に変わる場合、ウイルスが人の細胞の受容体にはるかによく結合する可能性があるということだ。

四川大学研究チームは英国の変異種の主要突然変異部位である501番についても分析を進めたが、501番目のアミノ酸をアスパラギン(N)からタイロシン(Y)でなくバリン(V)に変わった仮想突然変異について分析した。英国の変異種が知られる前に研究が進められたためと把握されている。分析の結果、英国の変異種のN501Y突然変異とは違い、N501V突然変異の場合は特に結合力が高まることはなかった。



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