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【社説】尹錫悦弾劾論じる与党…大統領の謝罪は何だったのか=韓国

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
大統領が謝罪したので与党も反省し正気を取り戻すだろうと多くの国民が期待した。秋美愛(チュ・ミエ)法務部長官をそそのかした議員は自粛の時間を持つよう願った。だが彼らはむしろさらに興奮し検事総長弾劾をうんぬんしている。大統領の謝罪が面目を失う。統治権漏水現象が政府与党から始まったのか。

文在寅(ムン・ジェイン)大統領は尹錫悦(ユン・ソクヨル)総長の懲戒が裁判所で取り消されると、「結果的に国民に不便と混乱を招くことになったことに対し人事権者として謝罪申し上げる」とした。「結果的に」「人事権者として」という但し書きを付け、やむを得ないという感を与えたが、それでこれ以上の国家的混乱を防ごうとする意志の表現として国民が受け止めた。

ところが与党「共に民主党」の李洛淵(イ・ナギョン)代表は「司法の過剰支配を受けているという国民の懸念が大きくなった。司法の政治化が危険水位を超えたという嘆きが聞こえる」として裁判所を攻撃した。尹総長の懲戒執行停止処分を出した裁判官が政治的判決をしたという非難が込められた表現だった。いくら与党の大統領候補になるのに強力な文在寅支持層の助けが絶対的に必要だからといっても最小限の理性まで放棄しなくてはならないのだろうか。民主党議員はチョン・ギョンシム教授が懲役4年の刑を宣告されると「これからは司法府改革だ」と叫んだ。自分たちの希望通りの結果が出なければ、裁判所が、判事が、裁判を間違ったものと言い張る政府与党の行動は極めて失望的だ。


一部与党議員はさらに強く尹総長弾劾を取り上げた。金斗官(キム・ドゥグァン)議員は「残った方法は弾劾しかない」と話した。その上で「大統領を守るのが民主主義を守ること」と主張した。朴槿恵(パク・クネ)前大統領弾劾政局の際に親朴槿恵政治家らがした話のコピー版だ。黄雲夏(ファン・ウンハ)議員も「国会が弾劾訴追し憲法裁判所の決定を待つのが避けられない状況がくるかもしれない」と述べた。どのようにしてでも尹総長を追い出さなければならないという考えだけだ。

弾劾主張を止める与党議員は尹総長弾劾に合理的理由も名分もないということを指摘したりはしない。せいぜい国会で弾劾案を議決しても憲法裁判所で棄却されるのは明らかだ、逆風が懸念されるという。できるならばやるが不如意だから控えようという。174議席で力自慢までは可能だが憲法裁判所に出す弾劾事由が適切でないという軽薄な計算だけがある。

民主党報道官は「尹総長の謝罪と反省を待っている」という論評を出した。校内暴力被害学生に「君にも騒ぎの責任があるので反省文を書いてきなさい」という権威主義に染まった教師の指示と変わらない。青瓦台(チョンワデ、韓国大統領府)は大統領の謝罪を薄めるこうした与党の行動を座視してばかりいる。だから大統領の言葉の真正性に疑問が提起される。謝罪の次には行動が変わらなければならない。そうでなければそれは苦しい瞬間を避けるための見せ掛けにすぎない。



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