新型インフルエンザは2009年4月に発生し、ワクチンと治療剤の重要性が浮上した。保健福祉部が発刊した新型インフルエンザ対応白書によると、「事前購入や長期購入契約制度が不備で、初期ワクチン物量確保に困難を経験した」と記されている。今回の新型コロナとそっくりだ。2009年6月末基準、ドイツ・オランダ・オーストリア・英国などは人口の100%が接種できるワクチン物量を事前に確保した。韓国は2.7%だった。多国籍ワクチン企業バクスターは7月末にワクチンを初生産し、中国は自国企業であるシノバックが製造したワクチンを9月に承認した。米国・欧州連合(EU)もGSK・ノバティスなどのワクチンを承認した。
韓国も焦り始めた。同年8月末、当時疾病管理本部長だった李鍾求(イ・ジョング)ソウル大医大教授がベルギーGSK・サノフィパステルスを訪問してワクチン供給を頼んだ。GSKの300万回分の供給約束を取り付けた。サノフィパステルスは事前販売が終わった状況だった。当時全在姫(チョン・ジェヒ)保健福祉家族部長官と李本部長が中国に行って500万人分のワクチン供給に対して口頭で約束を取り付けた。