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【社説】ワクチン事態、大統領が陳謝して収拾すべき=韓国

ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版
今日からイスラエルが新型コロナワクチン(ファイザー)接種に入る。英国・米国・カナダ・サウジアラビアに続いて5番目のファイザー製ワクチン接種国となる。欧州連合(EU)27加盟国も近くファイザー製ワクチンの接種を始める。一昨日、欧州委員会のフォンデアライエン委員長は「27-29日にEU全域でワクチンを接種する」と述べた。

しかし韓国はどの会社のワクチンをいつ接種できるのか、まだすべてのことが不透明だ。連日1000人台の新規感染者が出ているが、政府が昨日発表したワクチン計画は10日前と変わらなかった。全体4400万人分のうちアストラゼネカ(AZ)の1000万人分だけが確定した状態だ。ファイザーとモデルナ(各1000万人分)、ヤンセン(400万人分)のワクチンは購買約定書を締結したにすぎない。残り1000万人分は、ワクチン開発に各国が共同出資・購入する「COVAX」で交渉中という。

市民の協力と医療スタッフの献身で築いたK防疫をあたかも政府の治績のように自慢したが、最も重要なワクチン確保ではかなり出遅れた。今まで確保したというワクチンも問題点が多い。政府が唯一契約したアストラゼネカのワクチンは臨床試験問題で米食品医薬品局(FDA)の承認がいつ出るか分からない。アストラゼネカの免疫効果は70%にすぎず、95%前後のファイザーやモデルナを大きく下回る。アストラゼネカのワクチンについて保健当局は先日まで「他国の副作用を見た後に接種する」と述べ、世論が悪化すると「FDAの承認と関係なく(韓国の)食品医薬品安全処が審査する」と言葉を変えた。確保できたワクチンがアストラゼネカしかないため、これでも速やかに接種しようという意味ではないのか。COVAXは虚像に近い。平等なワクチンを主張するCOVAXは主に低開発国が対象だ。米デューク大グローバル保健革新センターによると、COVAXはファイザーとモデルナのワクチンを全く確保できていないという。


大半の先進国はワクチン物量確保に死活をかけて個別製薬会社と早くから交渉を始めた。米国は7、8月にファイザー(1億回分)、モデルナ(2億回分)と契約した。イスラエルはワクチン確保に情報機関モサドまで動員したという。日本は8月初め、ファイザーのワクチン1億2000万回分の契約をはじめ、今まで5億3000万回分を確保した。「来年上半期までに全国民接種分量を確保する」という安倍晋三前首相の約束が完ぺきに守られたのだ。

人口580万人のシンガポールにも今月末からファイザーのワクチンが供給される。リー・シェンロン首相は14日、国民向け談話で「パンデミック初期から水面下で静かにワクチンの確保に努力してきた。有望企業と話し合って10億ドル以上を投資した」と説明した。

こうした中、文在寅(ムン・ジェイン)大統領は「長いトンネルの終わり」(9日)など安易な発言で混乱を深め、G20会議では「公平なワクチン分配」という発言を繰り返した。主要国がワクチンを先に確保しようと死活かけた競争をする状況で、自国民のワクチンさえまともに確保できなかった大統領の言葉に誰が耳を傾けるだろうか。

すべての感染病は初期には防疫で、後期にはワクチンで克服するのが基本だ。他国は国力を集中してワクチンを確保する間、韓国政府だけがK防疫に心酔し、右往左往しながら時間と機会を逃した。ワクチンに対する誤認と安易な対応がこのような結果をもたらしたのだ。誰がこのような判断をしたのか明確にし、必ず責任を問わなければいけない。

今からでも文大統領が出てきて説明し、国民を安心させることを望む。政府に問題があったのなら陳謝し、専門家や企業関係者と共にワクチンを確保することに政権の命運をかけて総力を尽くす必要がある。疾病管理庁と保健福祉部の専門家も青瓦台(チョンワデ、韓国大統領府)を意識するのではなく、自ら声を出して事態を正すことを願う。



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