李洛淵(イ・ナギョン)民主党代表
「どの記者の関心も尹美香だ。その去就なんだがね。すれ違うと記者はそれしか聞かない。だが、去就は私が考える問題のうち3番目だ。最も重要なことは韓日関係に対する心配だ。(悪影響を与えてはいけないのに)日本人と会えば何の話ができようか。その次に非政府組織(NGO)の信頼問題が重要で、3番目が去就だ」
尹美香事件に対する観点が印象的だった。その事件は陣営論理がほぼすべてだった。正義連寄付金横領容疑に対して「無条件でこちらが正しい」という主張が乱舞した。彼はそこから頭一つ飛び抜けていた。韓日関係という大きな枠組みを考えていて、陣営に傾く彼ではなかった。それが彼が持っているカラーだった。合理的中道性向。彼を良く知る者は「中道保守」ともいう。
その彼が最近危機だ。40%まで上昇した支持率が20%以下に真っ逆さまに落ちた。湖南(ホナム)で李在明に抜かれた時もある。相変らず与党代表だが「このように急激に変わるのか」と思うほど存在感がなくなった。再び回復できないだろうと思う与党要人は一人や二人にはとどまらない。
李洛淵の失墜は自分を信じられないところから来ている。彼は自分のカラーを出すよりも親文の支持を得る道に出た。そのためには強硬派になるしかなかった。彼には似合わず、むしろこんがらがった。尹錫ヨル(ユン・ソクヨル)検察総長の除去に加勢して国政調査に言及し、逆風を受けることになった。秋美愛(チュ・ミエ)法務長官のほうに立つよりほかはなかった。不動産論争の渦中では「ホテル式チョン・ウォルセ」発言で批判を受けた。与党の最大の悪材料である秋・尹戦争と不動産で存在感のない不明瞭な強硬派として残ったところ、矢だけを向けられたようなものだった。支持率は低下していくほかなかった。
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