カート・キャンベル元米国務省次官補は２日（現地時間）、「１月２１日（ジョー・バイデン次期大統領の就任翌日）に任務が始まれば、北朝鮮に対する早期信号期発信はバイデンチームの優先順位の上位近くにあるだろう」と述べた。

キャンベル氏はこの日、ワシントンのシンクタンク、アトランティック・カウンシルと韓国国際交流財団（ＫＦ）がオンラインで共同主催したフォーラムの基調演説で「バイデンチームが直面している課題の１つは、北朝鮮をどうするのか早期決定する必要があるということ」と述べた。


キャンベル氏は「アジアで予測できない資質や特性を示すリストの最上段に、北朝鮮がある」と口火を切った。そして「オバマ政権は長時間かけて北朝鮮を研究したが、その期間に北朝鮮が挑発的な行動を取ったため、基本的に北朝鮮に関与する可能性が遮断された」と紹介した。　


オバマ政権が初期にいわゆる「戦略的忍耐」政策を行っている間に北朝鮮が挑発し、結局韓半島（朝鮮半島）問題を進展させられなかった状況に言及し、このような機会の喪失を繰り返してはならないという趣旨だ。

キャンベル氏はドナルド・トランプ大統領の対北朝鮮政策の中で一部借用に値するものもあるという意見を示した。キャンベル氏は「トランプ大統領は非常に大胆なことをする準備ができていた。模倣、称賛に値する部分」とし「米国の外交政策で、特にアジアである程度の大胆さは適切だと考えている」と述べた。

バイデン次期大統領が韓日関係の改善のために米国が役割を果たす可能性に関する質問を受け、キャンベル氏は「米国の最も近い２つの同盟が互いに行き違っているのは、米国の戦略的利益にも合致しない」とし「米国の目的を弱体化し、北朝鮮を含めて最も重要な問題に対する同盟間の連帯も害す」と強調した。

また、「両国とも（関係改善のための）善意を持っていると考える」とし「米国内でも意見が分かれるが、私は米国を含め、外部のグループにできる潜在的な役割があると考えている」と述べた。

この日、キャンベル氏はバイデン政権の対中政策にも焦点を合わせた。バイデン次期大統領は「中国と競争しながら同時に協力する」と対中国戦略に言及している。キャンベル氏は、「グローバル経済や金融、貿易では協業し、人工知能（ＡＩ）、ロボット工学、５Ｇ（第５世代通信技術）のような先端技術分野では、熾烈な競争をする『混合（ｍｉｘｅｄ）』の関係」を予想した。

キャンベル氏は「これから展開される米中関係は、米国が経験した最も困難な関係になるだろう。ソ連時代よりもはるかに厳しいだろう」と展望した。「比較すれば、米ソの競争は実存に関するものだったが、比較的単色（ｍｏｎｏｃｈｒｏｍａｔｉｃ）だったとすれば、今回の挑戦は米国人の生活のあらゆる次元を掘り下げる問題」と付け加えた。

キャンベル元次官補は「バイデンチームは、アジアで『クアッド（ＱＵＡＤ、米国・日本・インド・オーストラリア）』だけでなく、他の同盟や友人まですべて繋げようとしている」とし「長期的には欧州やアジアにも繋がり、『グローバル舞台で中国の役割』のような戦略的に重要な問題を議論しようとするだろう」と予想した。

キャンベル氏は「通常、新しい政府は前の政府の経験と完全に距離を置いて無視する傾向があるが、綿密に検討した後、継続したり超党派的な協力を模索することができる分野もある」とし、その事例としてトランプ大統領の対中政策を挙げた。　

ただし、「トランプ政権では米国が単独で中国を相手したとすれば、バイデン政権は同じ考えを持った同盟を大規模な連帯（ａｓｓｏｃｉａｔｉｏｎ）や艦隊（ａｒｍａｄａ）を構成し、中国と競争して対抗しようとしているのが異なる」と説明した。