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危機のロッテに突破口…キヤノンと医療機器会社設立へ

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

ロッテ先端素材が生産した素材で作った医療装備。不燃性があり衝撃にも強い素材を使う。[写真 ロッテ先端素材]

ロッテグループが日本のキヤノンと組んで医療機器の合弁会社設立に乗り出したことが29日までに確認された。キヤノンはコンピュータ断層撮影(CT)など日本の医療機器市場では1位、世界の医療機器市場で上位圏を争っている企業だ。

このためロッテとキヤノンはソウル・江南(カンナム)にオフィスを設け、両社の合弁比率、人材採用など合弁会社設立に向けた具体的な計画案をともに協議中だ。合弁会社の社名はまだ決まっていない。ロッテの内部事情をよく知る財界関係者は「合弁法人の目標売上額は年間1兆ウォン水準と小さくない規模になるだろう。学界の出身専門家を合弁会社役員に迎えるため事前インタビューも実施したと承知している」と話したまた、「ロッテの化学部門とキヤノンの医療機器が相互補完的でシナジーがあるだろうというのが両社の判断だ」と付け加えた。

医療機器用プラスチックは汎用製品と違い不燃性があり衝撃に耐えられる特殊素材が必要だ。ロッテケミカルは注射器などに使われる滅菌用医療素材などを作っている。ロッテ先端素材も医療機器の外装材に使える難燃性・耐衝撃性素材を生産している。


◇医療機器、辛東彬の粉骨砕身戦略

財界ではロッテの医療市場進出が辛東彬(シン・ドンビン、重光昭夫)会長の粉骨砕身から出たと評価される。4年以上にわたり続いた経営権紛争から脱出しながら切ったカードがまさに医療だ。合弁会社設立を基点に辛会長が医療部門にドライブをかけるものとみられる。流通・ホテル、化学に続く次世代収益源として医療産業を育てるという意味だ。

特にロッテは現在危機だ。流通分野は競合企業より相対的にデジタル転換に遅れており、ホテル分野は新型コロナウイルスの直撃弾を受けた。辛会長の決断で3兆6000億ウォンを投資して昨年完工した米ルイジアナ州のエチレン工場は損失を抜け出せずにいるなど化学分野も振るわない。ロッテが26日にグループ役員を100人以上減らす大規模な人事をしたのもこうした危機感が反映された。ロッテ関係者は「グループ全体的に資金の流れの悪化が続いている。こうした状況から抜け出すには概ね3年ほどかかるだろうと判断している」と話した。彼は続けて「雰囲気を刷新した突破口が必要な状況」と付け加えた。

◇キヤノン、CT市場2位・MRI市場4位

ロッテが医療機器に注目するのは新型コロナウイルス後に関連市場がさらに成長するだろうという観測からだ。世界的に診断と治療・予防まで各種医療サービスに対する需要が増えておりこれを充足するために先端素材とITなどを活用した各種医療システムが増設されている。また、人口の高齢化と慢性疾患者の増加でモニタリングに向けた医療機器需要も増加している。

世界4大化学企業サビックのリ・レイ北アジア副会長は中央日報とのインタビューで「新型コロナウイルス感染拡大防止の一等功臣は医療用プラスチックだった。ポストコロナ後の化学産業界の話題は医療と親環境になるだろう」と予想した。世界の医療機器市場規模は2018年基準で3899億ドル水準だ。1930年代に医療機器事業に参入したキヤノンは高級医療機器市場の強者だ。世界のCT市場でキヤノンはシーメンスに次いでGEヘルスケアと同率2位を守っている。磁気共鳴画像診断装置(MRI)市場ではシーメンス、GEヘルスケア、フィリップスに次いで4位だ。キヤノンの昨年の医療機器部門売り上げは4385億円だ。



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