韓国の公正取引委員会が「メンブレン型」液化天然ガス(LNG)貨物倉の独占技術を保有するフランスのGTT社に対して課徴金を賦課したことを受け、韓国造船会社がこれまでの慣行を遮断できるかに関心が集まっている。
公取委は25日、「GTTがLNG船舶を建造する国内造船会社を相手にLNG貨物倉技術ライセンスを提供しながらエンジニアリングサービスまで購入するよう強制した行為に対し、是正命令と課徴金125億2800万ウォン(約12億円)を賦課する」と決定した。
◆初めて制裁
LNG貨物倉(貯蔵タンク)技術ライセンスは、天然ガスを超低温(-163度)で圧縮・冷却し、液体状態で運送するための技術だ。気体状態の天然ガスを液化すれば体積が600分の1に減り、貯蔵と運送が容易になる。
問題は船舶内に液化LNGを貯蔵するには貯蔵タンク内外の熱伝達を遮断して気化を防ぎ、タンク外側の船体が極低温に露出して損傷しないようにする必要があるという点だ。LNG船舶は貨物倉が船体から離れている独立支持型(モス)とメンブレン型に分かれるが、韓国造船会社はより多くの貨物を積載できるメンブレン型を採択してきた。
GTTはメンブレン貨物倉で市場シェア95%を占める圧倒的トップ企業だ。技術ライセンスだけでなく設計と各種テスト、生産現場監督を含むエンジニアリングサービスまで必ずまとめて購入させるため、造船会社の不満が大きかった。
韓国造船会社の関係者は「1994年にガストランスポートとテクニガスが合併してGTTになるまで、エンジニアリングサービスを別に購入することができた」とし「必要に応じてエンジニアリングサービス契約を締結するのが合理的」と述べた。
◆すぐに国産化は難しい
GTTはLNG船舶1隻あたり100億ウォンにのぼるロイヤリティーを受け、韓国造船会社の間では不満の声が出ていた。公取委が課徴金を賦課したが、直ちに契約条件が変わるわけではない。GTTは公取委の決定が出た当日、公式立場を表明し、「LNG貨物倉技術ライセンスとエンジニアリングサービスは統合されて提供されてこそ品質を維持できる」と主張した。続いて「韓国造船会社はGTTの技術を通じて共に成長したという点を考慮する必要がある」とし「適切な手続きを通じて控訴する予定であり、裁判所の最終判断まで(課徴金賦課)決定は延期されるべきだ」と強調した。
LNG船のロイヤリティー問題が「国富流出」と見なされ、政府は2004年から10年かけて国内造船会社、韓国ガス公社などと共に国産貯蔵タンク技術「KC-1」を開発した。2018年にサムスン重工業がこの方式で建造したLNG運搬船をSK海運が運航したが、貯蔵タンクの外壁に結氷現象が表れるなど欠陥が発生した。
第2世代LNG貯蔵タンク技術を開発中だが、すぐに国内造船会社が導入するのは難しいというのが業界の見方だ。匿名を求めた造船会社の関係者は「LNG船舶は発注する船会社とどんな技術を適用するのか契約条件に入れるが、トラックレコード(運用履歴)が不足する技術を要求する場合はほとんどない」と述べた。船を注文する船会社は価格が高くても検証された技術を望むということだ。
◆専門家「交渉力高めるきっかけ」
しかし公取委がGTTの慣行にブレーキをかけ、短期的には交渉力を高めるきっかけになるというのが専門家の見方だ。韓国造船海洋プラント協会のチョン・ソクジュ常務は「今回の決定でGTTも韓国造船会社の要求をずっと無視することはできなくなった」とし「韓国造船会社は交渉力を高めて有利な条件で契約する転換点になるだろう」と述べた。
10月末現在、世界のLNG船受注残高は119隻。このうち103隻を韓国造船会社が建造するが、公取委の決定以降、GTTとの交渉で有利な立場になるという期待が出ている。特に来年から本格化するカタールLNGプロジェクト交渉でも、今までとは異なる局面を迎えるという予想だ。
大韓造船学会のキム・ヒョンス会長(仁荷工業専門大教授)も「短期的にはGTTとの交渉で有利な条件を獲得でき、中長期的には第2世代国産LNG貯蔵タンク技術の開発に集中する機会を用意した」と評価した。続いて「政府と業界が協力して国産LNG貯蔵タンク技術が適用された船舶のトラックレコードを蓄積すれば、GTTはすぐにロイヤリティーを下げるだろう」とし「公取委の決定が今すぐ有効でないとしても意味を持つ理由」と説明した。
公取委は25日、「GTTがLNG船舶を建造する国内造船会社を相手にLNG貨物倉技術ライセンスを提供しながらエンジニアリングサービスまで購入するよう強制した行為に対し、是正命令と課徴金125億2800万ウォン(約12億円)を賦課する」と決定した。
◆初めて制裁
LNG貨物倉(貯蔵タンク)技術ライセンスは、天然ガスを超低温(-163度)で圧縮・冷却し、液体状態で運送するための技術だ。気体状態の天然ガスを液化すれば体積が600分の1に減り、貯蔵と運送が容易になる。
問題は船舶内に液化LNGを貯蔵するには貯蔵タンク内外の熱伝達を遮断して気化を防ぎ、タンク外側の船体が極低温に露出して損傷しないようにする必要があるという点だ。LNG船舶は貨物倉が船体から離れている独立支持型(モス)とメンブレン型に分かれるが、韓国造船会社はより多くの貨物を積載できるメンブレン型を採択してきた。
GTTはメンブレン貨物倉で市場シェア95%を占める圧倒的トップ企業だ。技術ライセンスだけでなく設計と各種テスト、生産現場監督を含むエンジニアリングサービスまで必ずまとめて購入させるため、造船会社の不満が大きかった。
韓国造船会社の関係者は「1994年にガストランスポートとテクニガスが合併してGTTになるまで、エンジニアリングサービスを別に購入することができた」とし「必要に応じてエンジニアリングサービス契約を締結するのが合理的」と述べた。
◆すぐに国産化は難しい
GTTはLNG船舶1隻あたり100億ウォンにのぼるロイヤリティーを受け、韓国造船会社の間では不満の声が出ていた。公取委が課徴金を賦課したが、直ちに契約条件が変わるわけではない。GTTは公取委の決定が出た当日、公式立場を表明し、「LNG貨物倉技術ライセンスとエンジニアリングサービスは統合されて提供されてこそ品質を維持できる」と主張した。続いて「韓国造船会社はGTTの技術を通じて共に成長したという点を考慮する必要がある」とし「適切な手続きを通じて控訴する予定であり、裁判所の最終判断まで(課徴金賦課)決定は延期されるべきだ」と強調した。
LNG船のロイヤリティー問題が「国富流出」と見なされ、政府は2004年から10年かけて国内造船会社、韓国ガス公社などと共に国産貯蔵タンク技術「KC-1」を開発した。2018年にサムスン重工業がこの方式で建造したLNG運搬船をSK海運が運航したが、貯蔵タンクの外壁に結氷現象が表れるなど欠陥が発生した。
第2世代LNG貯蔵タンク技術を開発中だが、すぐに国内造船会社が導入するのは難しいというのが業界の見方だ。匿名を求めた造船会社の関係者は「LNG船舶は発注する船会社とどんな技術を適用するのか契約条件に入れるが、トラックレコード(運用履歴)が不足する技術を要求する場合はほとんどない」と述べた。船を注文する船会社は価格が高くても検証された技術を望むということだ。
◆専門家「交渉力高めるきっかけ」
しかし公取委がGTTの慣行にブレーキをかけ、短期的には交渉力を高めるきっかけになるというのが専門家の見方だ。韓国造船海洋プラント協会のチョン・ソクジュ常務は「今回の決定でGTTも韓国造船会社の要求をずっと無視することはできなくなった」とし「韓国造船会社は交渉力を高めて有利な条件で契約する転換点になるだろう」と述べた。
10月末現在、世界のLNG船受注残高は119隻。このうち103隻を韓国造船会社が建造するが、公取委の決定以降、GTTとの交渉で有利な立場になるという期待が出ている。特に来年から本格化するカタールLNGプロジェクト交渉でも、今までとは異なる局面を迎えるという予想だ。
大韓造船学会のキム・ヒョンス会長(仁荷工業専門大教授)も「短期的にはGTTとの交渉で有利な条件を獲得でき、中長期的には第2世代国産LNG貯蔵タンク技術の開発に集中する機会を用意した」と評価した。続いて「政府と業界が協力して国産LNG貯蔵タンク技術が適用された船舶のトラックレコードを蓄積すれば、GTTはすぐにロイヤリティーを下げるだろう」とし「公取委の決定が今すぐ有効でないとしても意味を持つ理由」と説明した。
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